宗教的な意匠がもちいられているわけでもないのにとても宗教的というか精神的なものをたたえた、ふしぎなインスタレーションです。
作者の渡邉さんは、ギャラリーの奥井登代さんによると、札幌の方なのですが、10年ぐらい前にリーセントギャラリー(現CAI 現代芸術研究所)で個展を開いたきりで、地元ではほとんど発表をしていないのだそうです。
会場のギャラリーは、白い紙で大きく3つの部分に隔てられています。
冒頭の写真は、その最初の部屋です。
そこに多く置かれているのが、大根を半分に切ったような大きさと色をした、おそらく木製の置物。ただ、大根とちがい、美しい衣紋(ドレープ)が全体を覆っています。
会場の端には祭壇のようなものも置かれ、荘重な雰囲気すら漂わせています。
次の間には、10-20号ぐらいの絵画がならびます。
題名は付されていません。人間が小さく描かれていますが、白い絵の具で覆われて、明度の高い絵が多いです。強いて言うなら、瀕死の病などで天国を見てきた人がそのときを振り返って描く絵に似ていますが、かといって新興宗教のパンフレットに出てきそうな素人くさい絵とは異なっています。
最後の部屋は、窓のある空間で、ここにもドレープのついた置物や、大きなレンズなどが置かれています。
あからさまになにかを象徴しているわけではないのに、とても非日常的な感覚を味わえる、ふしぎな空間でした。
4月27日(木)-5月9日(火) 10:00-18:00
Okui Migaku Gallrey(中央区旭ヶ丘5 地図E)
慈啓会病院の入り口を入る
作者の渡邉さんは、ギャラリーの奥井登代さんによると、札幌の方なのですが、10年ぐらい前にリーセントギャラリー(現CAI 現代芸術研究所)で個展を開いたきりで、地元ではほとんど発表をしていないのだそうです。
会場のギャラリーは、白い紙で大きく3つの部分に隔てられています。
冒頭の写真は、その最初の部屋です。
そこに多く置かれているのが、大根を半分に切ったような大きさと色をした、おそらく木製の置物。ただ、大根とちがい、美しい衣紋(ドレープ)が全体を覆っています。
会場の端には祭壇のようなものも置かれ、荘重な雰囲気すら漂わせています。
次の間には、10-20号ぐらいの絵画がならびます。
題名は付されていません。人間が小さく描かれていますが、白い絵の具で覆われて、明度の高い絵が多いです。強いて言うなら、瀕死の病などで天国を見てきた人がそのときを振り返って描く絵に似ていますが、かといって新興宗教のパンフレットに出てきそうな素人くさい絵とは異なっています。
最後の部屋は、窓のある空間で、ここにもドレープのついた置物や、大きなレンズなどが置かれています。
あからさまになにかを象徴しているわけではないのに、とても非日常的な感覚を味わえる、ふしぎな空間でした。
4月27日(木)-5月9日(火) 10:00-18:00
Okui Migaku Gallrey(中央区旭ヶ丘5 地図E)
慈啓会病院の入り口を入る
中央の箱がひとつ空っぽになっているのは気づきませんでした。写真を見ると、たしかに、あのドレープの物体が入っていませんね。
中央の白い球体を箱に載せたサークル状のアイテムに着目する。箱の一つが空になっている。
不在の寂寥か、空虚感を一層駆り立てるその一点に思考が釘付けになる。
友なのかそれ以上の感覚を持つ存在の欠如なのか、見るものに様々な印象を与える。
極北の地に眠るあらゆる不在の探求に寄せるレクイエムとして。
(註:「極北のレクイエム」は北野 慶の作品(1986年彩流社) のタイトルです)
「悔しい」というのが、作家さんらしい感想ですね。
>yasashikimidoriさん
すっかりハマってしまったようですね。
非常に良かった。
今日また、行きます~。
有元さんとか思い出し。
私は有元さんの童話感や、挿画感が苦手なので、
渡邊さんのが刺さってきましたよん。
ああ、早くいこ。
思い出すものがいろいろあって面白いです。うまく咀嚼して、古いものも取り入れてかたちにしている人のような気がします。
コーネル…。たしかに。
わたしは内藤礼を思い出しました。ふしぎな世界です。
薄紙の2重使いで光量を調節し、包まれ感を出してあるインスタレーションは、羊水のなかにいるみたい。臨死体験をしているような、安らぎ感をはらんだスリリングさに恍惚としてしまいました。
平面作品にも、空間への配慮が行き届いていて、よかったです。少し高いところに設置した画面を仰ぎ見るように鑑賞できる点に、宗教性を感じます。まるで絵馬のよう。
ジョセフコーネルとか杉戸洋に似ててすきです。
経歴など書いてないのが残念です。このひとのことをもっとしりたいのに!
shinoさん、サンクスです。
ギャラリーはモダンで自然あふれるあたたかい建物で、憧れました。
ご主人さまもとても温かい方でした。