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新川の河口に橋があったのか。

2016年04月11日 23時27分14秒 | さっぽろ川あるき
 北海道新聞「どうしんウェブ」から。4月7日アップの記事。

 厳密に言うと小樽市内の話なので「さっぽろ川あるき」というカテゴリーには入らないような気がするし、ましてやアートとは全く関係のない話ですが、個人的に興味深いのでアップします。
 なお、確かに現地は小樽ですが、新川の流域は大半が札幌市内です。

30年渡れず…小樽内橋撤去へ 市、来年度以降に着手 最初の橋は江戸時代

 【小樽】小樽市は銭函3と銭函4の間を流れる新川の河口にかかる小樽内橋を撤去するための設計費として、2016年度予算に500万円を計上した。最初に橋が架けられたのは江戸時代。現在は付近に住民はおらず、一部が崩落してから30年間、通行止めになっている。市は多額の費用がかかるために二の足を踏んできた撤去作業を17年度以降に始める計画だ。

 市建設事業課によると、現在の小樽内橋がある位置に初めて長さ55メートルの橋が造られたのは1858年。1807年には付近に180人が住んでいた記録が残っている。新川が開削された86年(明治19年)、広がった川幅に合わせて架け替えられたとみられている。

 1964年に水害で流され、架け替えられたときは新川が小樽市と石狩管内石狩町(現・石狩市)の境界だったため、橋も両市町で管轄。しかし、75年に行政区域が変更され、両岸とも小樽市となったため、小樽市のみの管轄となった。このころまでには、付近に残っていた漁業者宅は全て転居し、利用者はほとんどいなくなった。

 木製だった橋はたびたび水害に遭い、流された部分を鉄製に更新。長さ139メートルのうち石狩側に残っていた44メートルの木製部分が85年に老朽化で崩落し、通行止めになった。(以下略)





 この記事にはありませんが、この橋の名の「オタルナイ」こそ、「小樽」の地名の起源です。
 江戸期、「ヲタルナイ場所」がこのあたりにあり、サケやニシンなどをとっていました。18世紀にヲタルナイ場所の中心が、現在の小樽市入船あたりに移り、「ヲタルナイ(あるいはヲタナイ)」の地名も一緒に移動したようです。この附近には「小樽内」の地名は残ったものの、上の記事にあるとおり、1970年代までには住民がいなくなりました。

 もっとも、新川の開削以前、この下流部は、旧星置川のものだったと思われます。「星置」と「小樽内」では、えらい違いです。上中流と下流では、呼び名が異なったのでしょうか。アイヌ語で「オタ」「ウタ」は砂浜、「ナイ」は川ですから、地勢に合っているといえそうですが。
 先の地図の左下のほうで、海岸線とほぼ並行して流れる細い流れが、旧星置川(現在の名は「清川すみかわ」)です。

 ややこしいことに、いまは「小樽内川」といえば、豊平川の支流で、札幌国際スキー場のあたりを流れて定山渓で豊平川に注ぐ川なのです。
 

 ところで、筆者はこの「小樽内橋」のことを知りませんでしたが、廃橋マニア? や郷土史好きなどの間ではそれなりに有名だったようで、ネット検索をすると、たくさんのサイトやブログがヒットします。
 一部を、下にリンクさせておきました。
 ただ、下のリンク先はきちんと書かれていますが、それ以外には、ろくに調べもしないででたらめな推測をしているブログも多く、びっくりします。

 いずれにしても、一度は行ってみたいものです。
 公共交通機関ではかなり不便だと思いますが。


http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doo/1-0256377.html

参考
北海道バンザイ「【小樽発祥の地!】オタルナイ集落跡」
渋川新聞販売所 Webぽれーる 第108号 星置の歴史を歩く(第6回)
□ブログ「第六の絶滅」 小樽樽川三線 小樽内橋について その2


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2 コメント

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mayanさん、はじめまして (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2021-05-27 11:32:49
それは貴重な体験ですね。
小樽内橋については、次の記事に詳しく書いたので、よろしければお読みください。

https://blog.goo.ne.jp/h-art_2005/e/0b8dafaa98d8a5055de72c2e931197bb
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Unknown (mayan)
2021-05-27 07:10:04
その橋は、45年前くらいに車で通ったことがあります。
当時は銭函から石狩灯台まで海岸沿いを車で行くことができましたが、砂地のため埋まらないように運転した記憶があります。
10年くらい前に懐かしくて再び行ったら通行止めで通れませんでした。
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