このところの暑さは常軌を逸している。
頭上に灼熱の太陽、足下に焦熱のアスファルトのヒートアイランドを歩いていくと、目が眩んで頭がおかしくなる。
とにかく水を飲め、飲まないと死んでしまうと言われ、本当に死んじゃった人もどんどん出てくるので、人々は水を求めて自販機に駆け寄る。
最近見かけた猛暑風景だが、屋根のないバス停に老若男女5名が炎天下立っていて、そのバス停の後ろに一本の電柱。
その電柱の一本の影が、バス停から斜めに細長く伸びている。
その影の幅およそ20センチ。
その細長い影の中に、影に沿っておばさんが一人立っている。
つまり電柱一本分の貴重な影を、おばさんが一人で独占している。
おばさんはかなり太っていて、すなわち太目で、当然20センチの影にはおさまりきらず、身体の両端が影からはみ出ている。
身体をはみ出させつつもその一本の影を独占しているおばさんを、炎天下の5名がハゲシイ怒りの目で睨みつけている。
猛暑特需ということで、意外な商品が売れに売れているという。
エアコンや扇風機は当然として、ガリガリ君(赤城乳業)や練乳氷バー(森永乳業)、熱さまシート(小林製薬)、その他涼感寝具などが売れていると聞く。
永谷園の氷の浮かんだお茶漬けは、いかにも旨そうだ
冷たいお茶漬けは冷たい水を注いで作る
冷たい水の代わりに冷たい炭酸水を使うということを思いついた。
さあ、どうなるか。
冷たい水のお茶漬けは、口の中をスッーとおとなしく通過する。
炭酸水のお茶漬けは、口の中をシュワシュワと大騒ぎしながら通過する。
お茶漬けが口の中で大騒ぎする。
刺激もさることながら、清涼感もひとしおなのである。
アッという間にかっこんで、旨い、と叫びゲフッとげっぷ。
お茶漬けをかっこんでのげっぷは初体験であった。