アル・カイーダの指導者ザワヒリはビデオメッセージでエジプトのモルシ大統領を支持、モルシを追放した世俗派はイスラムを分断し、米国の手先となっているとして、イスラム教徒が団結してモルシ派を支援するように呼びかけている。ザワヒリがエジプト出身であるだけにこのメッセージは不気味だ。
シリアでは反アサド派自由シリア軍を支援しているアル・カイーダと、米欧の関係は極めて複雑。テロを警戒してすでに米英は中東の大使館を一時閉鎖していることからも、アル・カイーダの動きには注目しなければならない。あの同時多発テロからそろそろ12年が経つ。ザワヒリが反モルシ派を米国の手先と断言している以上、エジプトの事態の収拾は容易ではないし、米国の反モルシ派支持ももっと明確になるのではないか。尤もエジプトのモルシ支持派にとっては昨年の選挙の正統性を主張するためにアル・カイーダの介入を公式に歓迎することはできないだろう。また、イスラム過激派を警戒するサウジアラビアやUAEなど中東諸国とアル・カイーダとの対立は更に深刻なものになる。