回顧と展望

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国連の落日

2013年08月27日 16時32分21秒 | 日記

同時多発テロの直後、丁度ニューヨークに駐在中だったが、自宅と通りをはさんだところ、イーストリバーに面した国連本部では、その当否はともかく、国際テロ活動およびそれを支援する組織に対し次々と決議が繰り出されて国際社会としての意思を表明していたが、今回のシリア内戦では全く機能していない。その最大の理由が事務総長の無能によることは明らかだが、機能不全の国連を見限って米英仏は事務総長を全く相手にしなくなっている。

シリアのダマスカスで化学兵器が政府軍によって使用され、数千人の犠牲者が出ているとして米英仏の軍産複合体がシリアに軍事介入という新たな戦争を始めようとするまさにその瀬戸際にある時に、国連に何等の関係もない出身国にお国入りをするとは、国連も哀れな人間を事務総長に選任したものだ。そして浮世離れした世迷言を垂れ流すとは・・・

かつてはハマーショルドのように卓越した指導力のある事務総長のもとで国連は核大国の狭間で非力ながらもその存在感を持っていた。国連本部に近いハマーショルド広場で、アフリカの内戦の調停に奔走し、最後はローデシアに散ったスエーデンの外交官に思いを馳せながら、それでもさわやかな秋の陽射しに中、アカデミー賞女優キャサリーン・ヘップバーンの庭の角を散策した日々を思い出す。

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