難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者に寄り添う要約筆記者?

2008年06月18日 19時02分14秒 | 生活
080618-084102.jpg要約筆記者は通訳する人なので、通訳以外はしない。冷たい感じだ。要約筆記奉仕員は難聴者に対して要約筆記以外にもいろいろなことをする。だから難聴者に優しい。

これは要約筆記者の専門性を狭くとらえた誤解だろう。
要約筆記者は対象者にその場のコミュニケーションを要約筆記により支援すると同時に、その人のおかれた状況やコミュニケーション状況を把握する。これには観察の技術が要る。
利用者の難聴者がもっと自立や社会参加するために何が必要なのかいろいろ考える。

派遣されている要約筆記者が利用者をどのように見ているかにより大きく異なる。
どちらかといえば、利用者が一人で要約筆記を利用している場合にその視点が試される。

難聴者に「寄り添う」。初めて要約筆記に触れ、聞こえない自分のことを心配してくれ、満面の笑みで心配しなくていいのよと言ってくれる。難聴者の自立への初期の過程では必要だし、難聴者も心の大きな支えとなる。

これは、対人支援と言うよりはホスピタリティの問題ではないか。これには「権利擁護」の視点がない。



ラビット 記







難聴者の就労環境の改善

2008年06月18日 13時17分40秒 | 就労
Iばらmage138.jpg毎日の自分の仕事をする中で、難聴者が会社で仕事をする条件を考えた。

例えば、休日に難聴者が一人で仕事をしていて、予期せぬトラブルが発生した場合の対応出来る条件を考えてみた。
1)難聴者が自分の聴覚、コミュニケーションの状況を理解している。
2)補聴器のT回路や拡声機能付き電話で聞き取れることを知っている。職場に拡声機能付き電話があって使えることはとうぜんだが。
3)周囲が当人が難聴であり、どのくらいの聞こえか経験的に知っている。
4)当人とメールの文字による通信でコミュニケーション出来ることを体験しており、メールのやりとりの労をいとわないこと。
5)お互いがメールアドレスをしっていること。
6)業務に共通理解があること。

普通だったら、電話一つかければすむことを拡声機能付き電話で聞き取り、聞こえなかったらメールでのやりとりに変えてもらうためには、いろいろなことを了解、理解してもらっていないと出来ない。その理解は日々の業務やコミュニケーションの中で出来る。
この時に、やはり難聴で聞こえないとコミュニケーションや情報入手が浅くなってしまう。

難聴者が音声社会では仕事をする上で不利なことはたくさんある。確かに聞こえないので様々な伝達や情報が音声やコミュニケーションが不十分だ。
それを補うのは、情報保障の制度や周囲の配慮だろう。本人の努力として業務に関する興味を持ち、視覚的情報の収集やコミュニケーションに務めること求められる。難聴者が周囲に働きかける力、技術を持つのは外部からのエンパワメントによるものだ。これを制度化したい。

国際難聴者会議の報告の中にも、周囲にどう働きかけるか、権利をどう守るかというレポートがある。楽しみだ。


ラビット 記