難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

人工内耳の音入れ2日目(2) 自分の声が少し分かって来た!

2007年12月05日 23時37分26秒 | 人工内耳
071202_1755~001.jpg午前中、STの先生人工内耳のマップの再調整を行った。昨日に引き続き、要約筆記者2人が派遣されている。

昨夕の人工内耳装用後、1時間半程度、知人と話して、最初はまったくピポパにも感じなかった女性の声が20分程度話しているとピーッピーガーガーと反応して来た。もう一人の女性の声は最初からピーピーガガーと聞こえたと昨日のマップ後の聞こえ方を説明した。

再度、電極の状況を確認してから、再度各電極に付いてかすかに聞こえる音(C値)と適正に聞こえる音(T)を調整していった。どういう音に聞こえるかは低い音は「ポー」、「ピーとプーの間」、「ピーとキーの間」等と表現し、高い音の方は表現に困るが「チのイを取った音」、「痛覚に近い音」とか説明した。

各電極の音の大きさをそろえる場合、一番適正な音の大きさを「5」として、「4.5」、「5.2から5.3」、「4.8から4.9」とか説明した。

「頭に突き刺さるような」音が聞こえると説明したので、全体的に高い音(22チャンネル側)を下げ、低い音(1チャンネル側)をあげた。
少しキンキンする音は減ったようなので、これを2番目のマップとした。今日の調整は、昨日程、疲れなかった。

午後は、人工内耳だけで聞いていたが、人の話し声もCDの音楽も電話の音も皆ピーピガガーと聞こえる。
電車の車内放送は走行中だが、アナウンスに合わせてピーピピガーガーとリズムを持った音として聞こえる。


駅から自宅まで歩いている時、声を出してみたら、自分の声はピピーガガーではなく、少し高い声だがちゃんと聞こえた。ヘリウムガスを吸った時の声のように聞こえる。映画「未知との遭遇」のいわゆる宇宙人の声だ。
自分の声がそれなりに聞こえる。これには少し驚く。
自分の声は、人工内耳の声以外に骨伝導で伝わっている声(右だけだろう)も合わせてそう聞こえるのかもしれない。

キーボードを打つ音、お勝手の水を使う音などが聞こえる。家族の声は家内の声が聞こえ始めた。
テレビの声は、インタビューされている人の口と字幕(テロップだから声よりやや早く表示される)と合わせてみると少し聞こえる。


明日は出勤だがどのように聞こえるか、皆が人工内耳の外のコード付きコイルを見てどう思うか?

昨日の夕方4時頃入れたアルカリ,単4電池は昨日が6時間、今日が12時間、合計18時間。まだ聞こえるが、大型電気店で充電式単4電池と充電器を買って来た。3080円。


ラビット 記



人工内耳の最初の「聞こえ」音入れ2日目 

2007年12月05日 09時22分20秒 | 人工内耳
071204_1613~001.jpg初めて人工内耳の音を聞いて、その聞こえ方について、知識と考え方を整理するのに頭がいっぱいだった。

人工内耳は音を拾って聴覚神経を刺激しているが、脳がまだ言葉として認識していないだけです。
音が知覚出来た後に言葉として認知していくのだと思います。

左耳は補聴器を使ってなかったので、知覚していなかった音が入ってきて、特に高い音が聞こえて、ピピーガガーと聞こえていた。

今朝は、また違った音に聞こえている。自分の「アーアー」がそれらしく聞こえてびっくりした。

昨夜、今朝と半日で少し聞こえてきたので、今日のマップはまた違ったものになるかも知れない。

医師の説明は私は良く分かる。


ラビット 記



人工内耳の最初の「聞こえ」方(3)

2007年12月04日 23時42分55秒 | 人工内耳
071204_2127~001.jpg人工内耳の聞こえ方について、医師と意見交換した。

1)人工内耳は有毛細胞5万個対22個の電極ではないこと。
ラビット。聞こえるか聞こえないかの情報だけでも2の22乗の種類がある計算になるのではないか。

医師。実際には数段階の信号を各電極が発信するので、もっとかなりの情報量がある。

2)補聴器と併用した人工内耳の聞こえ
医師、ラビット。補聴器の聞こえは過去に聞いて記憶した音や言葉を探して「聞こえる」が人工内耳は聞こえの蓄積を始めたところ。

ラビット。人工内耳は聞こえた音を補聴器の聞こえの蓄積データから探してもないので探し続けているためだろう。それで疲れるのだ。

3)音と声のデータの脳内蓄積
医師。音や声のデータの蓄積が進めば聞こえるようになる。
今は、補聴器のデータ、人工内耳の音データ、両方合わさった音のデータの3種類を蓄積している。

ラビット。人工内耳でピピーガガーが聞こえても何かは分からないが気になっている。これは言葉として分からないだけで、人工内耳は確実に音や声を聴神経を通じて脳にデータを蓄積していると思われる。
その証拠に、最初は全く「聞こえなかった」人の声が手話付きで話していると少しピピーガガーと聞こえるようになった。
外国語は意味が分からなくても聞いているとある日突然「聞こえる」と言われているのと似ている。

4)人工内耳の可能性
医師。人工内耳は補聴器の限界を越えて聴覚を機能させることが出来る。
補聴機器という範疇では補聴器と人工内耳は同じ。
人工内耳をメインにして、補聴器を補助的に使うようにしたい。
ラビット。人工内耳で今まで聞き慣れた音楽などを聞き直してみたい。


しばらく使っていると、金属のぶつかるカンカンという音やPHSで聞く時報のポーンはポーンと聞こえた。

話声は何を言っているかは全く分からないがピピーガガーは聞こえている。

看護師に呼ばれたのも何かは分からないがカーテン越しに聞こえた。


ラビット 記



人工内耳の最初の「聞こえ」方(2)

2007年12月04日 23時41分19秒 | 人工内耳
071204_1759~001.jpg一通り終わって、いよいよ人の声だがSTの先生が「聞こえますか」と言われるがピポパの音しか聞こえない。
高い音は聞こえるが低い音は聞こえないようだ。
これでずーっと聞くとなるとうるさく感じる。

再調整して聞いてみると、ピピーガガと聞こえる。
部屋にいる4人のうち一番高い声の女性の声が口の動きに合わせてピピーガガーと聞こえる。
男性の医師の声は呼び掛けられたのも分からない。
うるさくないようにと話したのでちょっと小さめだ。

医師の説明で、うるさいのを無理に我慢して聞くのではなく負担のない音を聞いて慣れるようにすれば良いとのことでこのままにする。


機械や付属品の説明を聞いたが皆高価なものばかりだ。
マイクカバーの裏には汗防止のゴアテックスが貼ってあり冬で三ヶ月、夏で一ヶ月交換するというが4個で4200円だ。
生活全般で少し節約をしないとならない。


ラビット 記
(続く)



人工内耳の最初の「聞こえ」方(1) 

2007年12月04日 23時39分49秒 | 人工内耳
071204_1614~001.jpg今日、人工内耳の調整をした。いわゆるマップを作成した。
これは22本の電極の一つ一つに対して、どの位の電流値で聞こえ始め、どのくらいで適当な音として聞こえるかを確認する。

検査室に、STの先生、立ち会いの医師とメーカーの技術者、家内、要約筆記者と入る。これで狭い部屋はいっぱいだ。

最初の音がピーという音が頭の中で聞こえた。
おっ、聞こえたという感じだった。

微かに聞こえたら合図をするのだが耳鳴りと重なっているのか高い音は聞こえない。何回聞こえたかを指で叩いてカウンとし回数で知らせることにした。

次は大きくしていってどのくらいまでがうるさくなく聞こえる音を知らせる。
どういう音か表現を求められたが難しい。特に高い音はピーでは言い表せない。
「ち」の「い」を取った音とか「ピー」と「プー」の間の音とか言ってみた。


ラビット 記
(続く) 



これから人工内耳の「音入れ」

2007年12月04日 14時07分46秒 | 人工内耳
071204_1029~001.jpg朝から病室に入り、STの先生と医師から説明を聞いた。

人工内耳は「コンツゥア」という名称で電極部分が蝸牛のらせんに沿ってカールしているものだ。
このカールによって電極が聴神経に近くなって、刺激が伝わりやすい特徴があるそうだ。

この病院では私のような両耳を補聴器と人工内耳で聞こえを図るのは新しい治験になるということだった。
医師、STとメーカーの技術者、私のチームの努力で良い結果が得られるようにしたい。

「私たちの音入れ」とアメリカの友人に言ったのもこの理由だ。


ラビット 記 



ベネズエラのテレビに手話通訳が

2007年12月04日 13時34分49秒 | 生活
071203_2314~001.jpgベネズエラでは憲法改正の国民投票が行われ、その結果の報道でベネズエラのテレビでチャベス大統領が演説している時に手話通訳がワイプで出ていた。

日本の丸いワイプではなく、四角いワイプだった。

デジタル放送でオンデマンドの手話放送は出来なくても、ワイプでの手話放送を要求していかなくては。


ラビット 記



人工内耳の音入れの前に

2007年12月03日 23時14分01秒 | 人工内耳
071201_1427~001.jpg071201_1404~001.jpg今回の人工内耳の音入れは、両方ともまったく聞こえない場合の人工内耳とは違うケースになる。

文章の語音弁別率が静かな環境下だが90%近くとある程度補聴器の効果がある右耳に加えて、補聴器を使ってこなかった左耳に補聴器ではなく、人工内耳を付けることになる。
今まで聞こえて来なかった左耳に何らかの音が入るわけだ。
107dBという高度難聴だと補聴器の出力は限界に近い。私の場合、歪みなく、ハウリングも起こさないで聞こえるようになるのは難しいと思う。

文章の語音弁別率がが50%近くだった左耳に人工内耳を使って、それより良くなるのか?

右耳の補聴器だけの聞こえがもう片方の人工内耳を使うことで、聞こえはどのように変わるのか、右耳の聞こえと左耳の聞こえは頭の中でどうなるのか?

聞きなれた人の声や歌、テレビはどう聞こえるのか?
すぐある程度聞こえるのか、時間が必要なのか。

聞こえるならば、人との話し方がどう変わるのか。
周りの対人関係はどう変わるのか?


我ながら「興味」は尽きない。


ラビット 記 



人工内耳の適合基準の欧米との違い

2007年12月03日 15時36分32秒 | 人工内耳
071202_0758~001.jpgアメリカの人工内耳関係者に、欧米と日本の人工内耳の適合基準の違いを聞いてみたら、それは保険制度の違いだ、もっと言えば「お金!」の問題だと。

言語的あるいは聴覚医学的な答えを予想していたので、戸惑ったがなるほど明快な答えだ。


Your activation(hook-up)はいつかと聞かれて何のことか分からなかったが、ウィキペディアを見ると接続、特に電気的な接続とある。「音入れ」はいつかと聞いていることが分かった。

Just tomorrow!と答えよう。


口の中は相変わらず、金属の味だが少し甘味を感じるようになった。


ラビット 記
写真は、自分で焼いたホットケーキ。




難聴者の聞こえない音 コピー機

2007年12月03日 12時49分20秒 | 生活
071203_1237~001.jpgオフィスのコピー機の前でプリント出力が出ないなと立っていたら、女性が紙を継ぎ足してくれた。

コピー用紙がなくなるとピッピッと音が鳴るそうだ。


トラブルがあるとどこどこを見て下さいとか細かいメッセージはあるのだが、「用紙がありません」というメッセージは出ないので、知らなかった。


ラビット 記




アップルのiPhoneは補聴器非対応か?

2007年12月03日 08時26分43秒 | 機器について
071202_1755~002.jpg071202_1752~001.jpgコクレア・アメリカの友人に人工内耳と携帯電話やテレビ、携帯音楽装置などの各種音声装置との接続について聞いたところ、アメリカには電話のような通信機器は補聴機器と接続が出来なくてはいけない法律(1996年の通信法第255章)があり、補聴器につなげられるものは人工内耳にもつなげられるということだ。

その中で、thd new Apple phone(iPhone)は補聴器非適合のため、Appleは対応に迫られるだろうと書かれていた。


日本でいつ販売されるか分からないが本家に合わせて補聴器適合にしなければならない。
日本にも、通信機器のアクセシビリティを規定したJISがある。情報処理装置と電気通信機器には全難聴など障害当事者団体が関わって作成されたものだ。

http://www.jsa.or.jp/stdz/instac/commitee-acc/WG3/Docs/Guide_X8341_20070111.pdf
○情報通信機器のアクセシビリティに関する調査研究委員会 JEITA
JIS X 8341-2 第2部:情報処理装置 
○情報通信アクセス協議会 CIAJ
JIS X 8341-4 第4部:電気通信機器
○JBMIA 情報アクセシビリティ委員会
JIS X 8341-5 第5部:事務機器


ラビット 記
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iPhone日本上陸に一歩近付く! AT&Tトップが08年の3G版登場を明言
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/11/30/010/

iPhoneの先進性とユニバーサル・デザインとの関係
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20071001/283448/?P=1




私の人工内耳と母と自立

2007年12月02日 12時06分41秒 | 生活
071202_1119~001.jpg071202_1111~001.jpg母の入所した複合型福祉マンション「藤の花」の「一番館」に初めて行ってきた。
受付でお目にかかった丁寧な応対をされた上品な物腰の方が理事長さんかも知れない。職員の方も良い応対をされている。
http://www.cityfujisawa.ne.jp/~npo-fuji/


難聴である自分はいろいろな意味で影響を受けている。
幼少時は妹と弟が今でも母は兄にかかりきりで自分たちはかまってもらえなかったというくらい、いろいろしてくれたようだ。
耳鼻科の病院通いから小学校の夏休みの宿題まで見てくれたくらいしか覚えていない。
父の逝去後の母は弟たちに任せっぱなしで申し訳ないと思うが、その理由を聞かれても今は仕方がないとしか言えない。


母が父の残した年金と遺産で介護を受けながら暮らし始めた今、難聴の自分も母との関係に区切りを付ける必要もあった。
私を難聴にしてしまったことをずっと気にしていた母が自立を始めたのだから、自分も自立に踏み切らないとならないということだ。

人工内耳の手術をする直前に、京都の人工内耳装用者が聞こえるようになって、しんどいことがあっても苦にならなくなったと言われたのが印象に残っている。
なるほどこう考えると皆が言う「第二の第三の人生の始まり」という意味が分かる。


明後日は人工内耳の音入れだ。


ラビット 記

写真はグループ藤の花の「一番館」



本日の ETV ワイドにリアルタイム字幕と解説が付きます

2007年12月01日 17時04分00秒 | 福祉サービス
071201_1355~001.jpg今日のNHK教育テレビの「NHK生放送特別番組「ETVワイド ともに生きる」」が放送される。

生放送の番組に解説放送が実施されると言う。
解説放送は、事前制作が中心だが、時間とコストがかかる。生放送に解説放送を求める声は多い。それに答えようとしているNHKの姿勢には評価したい。

その生放送解説付与を監修した日本ライトハウスから、視聴覚障害者も番組に意見を出さないと視聴覚障害者の問題が忘れられてしまうという。

字幕放送があるかはテレビ番組欄で確認を漏らした。

NHK教養番組部
ファックス0334686139


ラビット 記
……………………………
>今日は日本ライトハウスの立場でのご案内です。
> 総務省の行政指針の影響かも知れませんが、NHK大阪放送局にはかねてより積極的に解説付与の働きかけをして参りましたが、夏の再放送に続き以下のように急遽解説を付けることになりました。前面リアルタイム字幕も付きます。
> 直前の情報で恐縮ですが番組を見ていただき感想などお寄せいただければ幸いです。
> 放送事業者は視聴者からの反応を気にします。夏の放送でも視覚障害者モニターを積極的に動員しました。
> また、番組そのものへもファックスやメールでの投稿をすることで参加する必要があるかも知れません。番組の参加者リストをみていますと、視覚障害者はわずか3名、聴覚障害者は一人です。CP障害者中心の障害者運動の話で進んでしまうのかも知れません。
> さまざまに障害者の生活環境改善に取り組んで来られた方、取り組んでおられる方のご意見もぶつける必要はありませんか?
>
> ------------これより。
>  NHK生放送特別番組「ETVワイド ともに生きる」の解説放送を日本
> ライトハウスが監修!!
>
>  この夏のアンコール放送に引き続き、NHKの特別番組に日本ライトハ
> ウス監修の副音声解説をつけることになりました。
>  明日(12月1日)の放送になりますが、日程は以下の通りです。ぜひ
> ご覧ください。
>  
>  「ETVワイド ともに生きる」は、2005年4月から年6回放送している福
> 祉向け大型特別番組です。
>  この番組は障害者や高齢者の生き方を視聴者とともに考えている番組
> です。
>
>  (注意)解説放送は、音声多重放送の機能を利用しています。番組が
> はじまりましたら「音声」を切り替えてご覧ください。
>
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>  放送予定日 
> NHK教育テレビ 12月1日(土)午後7:00~10:00
>
>  テーマ
> 怒りを忘れた若者よ! これからいったいどーすんねん!?
> ~障害者・徹底生討論~ 【生放送】
>
>  大阪放送局制作の『きらっといきる』では、今年も障害のある人の前
> 向きな姿をたくさん紹介してきました。その取材のなかで、障害者運動
> を担ってきた中年以上の人たちがなぜか一様に嘆いていることに気づき
> ました。「若い障害者には“怒り”がない」と。
>  嘆く世代はかつて怒りを持って闘うことで、社会を変え、制度を作っ
> てきました。しかし、その成果のもとで自由に生きる若い世代は、怒れ
> といわれる理由がわからない。
>  大阪発「ETVワイド」は、これから障害者は社会とどう関わっていく
> べきか。“怒り”の次のキーワードはあるのか。新旧世代が話し合いま
> す。
> (番組ホームページより抜粋)
>
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>
>
>  <ご意見・ご感想をお寄せください!>
>
>  番組を視聴してのご意見・ご感想をお待ちしております。
>  お気軽にメッセージをお寄せください。
>
> 日本ライトハウス盲人情報文化センター(録音製作係 林田まで)
>  電 話 06-6211-1500
>  F A X 06-6211-1590 
>  メール info@iccb.jp
>  
>      〒542-0077
>      大阪市中央区道頓堀1丁目東3ー23
>
> ------------ここまで。