要約筆記は、難聴者等が社会のいろいろな場面に「活動」する場合に、話された言葉をその場で文字により伝えることで、その人の活動を支援するコミュニケーション支援方法だ。
「活動」におけるコミュニケーションはいろいろな行動の元になる。その場でやり取りされている言葉を聞いて、最初の行動は記憶するとか、話している人に返事や相槌を打つことかもしれない。ノートなどの記録を取ることかもしれない。
会合、打ち合わせ、集会や授業であれば挙手するなり、発言するなりするだろうし、店頭や役所などであれば、製品購入やサービスの申し込みといった行動を取るだろう。
目の前に話し相手がいれば、普通はそこで言葉のやりとりが発生することが多い。黙ったままとか後で返事しますとかいう対応は考えにくい。今日の講演の記録を読んでからゆっり考えるということもあるだろう。
しかし、要約筆記は、その場のコミュニケーションを同時性を持って文字で伝えることで成立させ、難聴者等の「参加」支援するものだ。
同時性をもってコミュニケーション支援するが、「文字で」というのが、要約筆記というコミュニケーション支援方法の特徴を強く規定する。
聞こえた言葉を文字にするのは手書きでもタイプする場合でも、文字化するには困難がある。一定以上の早さで文字化するには、高速タイプや音声認識等の技術が必要になる。このことから、話し言葉を要約する必要があることは理解できよう。一部だけを文字化するのでは話し手の意図が伝わらずコミュニケーションが成立しない。これは文字化する側の問題だ。
同様に、文字化されたものを見る人、受け手側の問題がある。
人は聞いて理解するようには文字を読んで理解できない。それは、文字は読む必要があるし、読める必要があるからだ。
「読む」ということはその文字を知っていて、文字列の意味が分かり、文章全体の意味が分かる能力が必要だ。
読んでいる時の頭の思考は、聞くようには早くスムーズではない。話されている言葉を、ただ音素をそのまま文字に置き換えるだけでは、読みながら単語や文章に置き換える必要がある。漢字かな混じり文にし、冗長語を省き、句読点をつけ、改行しても、文字になった文章を読んでも意味を理解するのは聞くよりは脳の負担が大きい。
(続く)
ラビット 記
「活動」におけるコミュニケーションはいろいろな行動の元になる。その場でやり取りされている言葉を聞いて、最初の行動は記憶するとか、話している人に返事や相槌を打つことかもしれない。ノートなどの記録を取ることかもしれない。
会合、打ち合わせ、集会や授業であれば挙手するなり、発言するなりするだろうし、店頭や役所などであれば、製品購入やサービスの申し込みといった行動を取るだろう。
目の前に話し相手がいれば、普通はそこで言葉のやりとりが発生することが多い。黙ったままとか後で返事しますとかいう対応は考えにくい。今日の講演の記録を読んでからゆっり考えるということもあるだろう。
しかし、要約筆記は、その場のコミュニケーションを同時性を持って文字で伝えることで成立させ、難聴者等の「参加」支援するものだ。
同時性をもってコミュニケーション支援するが、「文字で」というのが、要約筆記というコミュニケーション支援方法の特徴を強く規定する。
聞こえた言葉を文字にするのは手書きでもタイプする場合でも、文字化するには困難がある。一定以上の早さで文字化するには、高速タイプや音声認識等の技術が必要になる。このことから、話し言葉を要約する必要があることは理解できよう。一部だけを文字化するのでは話し手の意図が伝わらずコミュニケーションが成立しない。これは文字化する側の問題だ。
同様に、文字化されたものを見る人、受け手側の問題がある。
人は聞いて理解するようには文字を読んで理解できない。それは、文字は読む必要があるし、読める必要があるからだ。
「読む」ということはその文字を知っていて、文字列の意味が分かり、文章全体の意味が分かる能力が必要だ。
読んでいる時の頭の思考は、聞くようには早くスムーズではない。話されている言葉を、ただ音素をそのまま文字に置き換えるだけでは、読みながら単語や文章に置き換える必要がある。漢字かな混じり文にし、冗長語を省き、句読点をつけ、改行しても、文字になった文章を読んでも意味を理解するのは聞くよりは脳の負担が大きい。
(続く)
ラビット 記