あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

内在神

2014-09-25 | 日記
温室の中に神棚を作った。
そこにルートバーンで拾ってきたブナの神様の枝を載せ、拝んでいる。
我が家のご神木である。
国立公園からは何一つ持ち出してはいけません、とガイドはよく言うが僕は言わない。
そもそも国立公園だから何をしてはいけない、国立公園だから何をするべきだ、という考え方が嫌いだ。
国立公園の中だろうが外だろうが、いかに人の道に沿う行動をするかだと思う。
ルートバーンの山小屋のそばにブナの大木があり、僕はブナの神様と呼んでいるのだが、ある時に風で大きな枝が落ち、レンジャーがそれを片付けたのを一ついただいてきた。
知らない人が見ればただの木の枝だが、ぼくにとってはご神木である。
「あなたはぁ、神をぉ、信じますかぁ?」という質問を街角でされたことはないが、もし聞かれたらこう答えるだろう。
神とは私であり、あなたである。
この世に存在する全ての人、動物、虫、植物、目に見えないバクテリアのようなものが神だ。
大地も海も空もそこを駆け抜ける風も神だ。
キリストも仏陀もアラーも、その辺の人も皆、神様。
星も太陽も宇宙全部が神なのだ。
大切なのは、意識。
信仰する心があればその対象は何でもいい。
木の枝だろうが、魚の頭だろうが、神になる。
あなたがキリストを信じるのはあなたの勝手だ。どうぞおやりなさい。
だけどそれを人に押し付けるのは、どうかと思うね。
通行人の足を止め人に煙たがられるくらいなら、その辺りのゴミでも拾ったら?

僕はよく太陽に向かって手を合わせ拝む。
インカの神は太陽だ。
それから山にもよく手を合わせ拝むな。
山岳信仰というものは古来あり、山は神様という考えは世界のあちこちにある。
朝、ニワトリに餌をやり卵を取る時にも拝む。
手を合わせ「ありがとう、オマエ達の卵は美味しいですよ。そのうちにオマエ達を食っちまうけど今は元気に卵を産んでください」と言って拝む。
僕にとっては我が家のニワトリは神の使いであり、同時に貴重な蛋白源だ
野菜にも拝む。
「大きくなって下さいね。我が家だけでなく、友達のところでも美味しく食べてもらって幸せにしてください」と話しかける。
その声は野菜たちに伝わりすくすく育つ。
美味しい所は僕達人間が食べ、キャベツやレタスなどの外側の葉っぱはニワトリ達が喜んで食べ、芯や根っこは微生物の餌となり土に還る。
もちろん神棚の神木にも拝む。
神棚の棚はオノさんの引越しの時に、いらない木で使えそうなやつをもらってきたものだ。
わざわざ金をかけて見栄えの良い物を買うのでなく、リサイクルの物で作ってしまうというのが僕のやり方だ。

ある人の言葉でこういうのを読んだ。
「私は人の言葉を信じない。その人のやっている事を見る」
ナルホドね、一理あるわな。
行動という物を見れば、その人というものが見える。
自然保護をうたいながらゴミを拾わない人。
金ではない、と言いながら金に縛られている人。
ロハスだエコだと言いながら何もしない人。
そういう人が次に言うセリフは「だって忙しいから」「だってお金がかかるから」
行き着くところは自分の正当化だ。
幸いな事に僕の周りにはそういう人はいない。
皆、言いたい事を言い、そして行動がついていっている。
山が好きだという人は、山を歩きガイドをやっている。
スキーが好きだという古い友人はパウダーばかり追いかけて、今や立派なスキーガイドとなった。
サーフィンが好きな友達は、海の近くに住んで今も波に乗っている。
みんな、自分がやるべき事をやっている。
僕はと言えば自給自足を目指す生活に目覚め、あれこれとやっている。
そういった諸々の行動の原動力はどこにあるか?
それは各自の心の奥。
それこそが内在神という神なのである。
そこに沿っていれば必要な物が必要な時に手に入る。
温室が欲しいと思えば、その材料が目の前に現れる。
あとは行動。
行動あるのみ。
行動でも誰かに強制されて行う行動は違うと思う。
自分の責任の所在があやふやになり、失敗した時に人のせいにできる。
そうではなく、自分の心の奥から湧き上がるもの。
直感でピンと来るものに間違いはない。
友達のカズヤは白馬で家を衝動買いしたと言う。
僕はその家を見た事はないが、好い家だと感じる。
深い所で心の繋がりがある友人が直感で選んだ家だ。悪い気が見当たらない。
行かなくても良い家だと分かる。
話を聞くと、とんとん拍子でその家を買う事になったと。やっぱりね。
そういった諸々の行動にブレーキをかけるのも自分の心。
やるのも自分。
やらないのも自分。
やっぱり行き着く所は自分自身なんだなあ。


コメント
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