月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

<月刊「祭」 2012.5月> 「ミサカ」春祭-三木屋台文化の原動力と独自性- 付:鬼追い写真集

2012-04-26 19:58:17 | 屋台・だんじり・神輿-組織、祭全体、社会との関わり-

リンク写真集:新調:神戸市灘区本住吉神社呉田だんじり
リンク写真集2:姫路市的形湊神社国恩祭:福泊屋台

■「ミサカ」春祭 -三木屋台祭礼文化の原動力と独自性-
 播州の屋台祭りの多くは10月におこなわれるものがほとんどですが、5月のゴールデンウィークにあわせて行われる祭りもいくつかあります。そのほとんどが三木市で行われるもので、多くが春に行われる淡路の影響などもあるのかもしれません。
 その祭りをあげると、
 兵庫県三木市別所町東這田 「美坂神社」 5月3、4 (写真1左側、2手前が東這田屋台・詳しくはこちら
 兵庫県三木市別所町石野 「御酒神社」 5月3、4(写真1右側、2奥が石野屋台)
 兵庫県三木市加佐 「三坂神社」 5月2、3(写真3、4 加佐東屋台と、珍しい天蓋彫刻)
 兵庫県三木市志染町 「御坂神社」 5月3日(2日か4日も?)
1 2 

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 いずれも、「ミサカ」もしくは「ミサケ」神社と呼ばれる神社で行われます。
 これらの春祭は2台の屋台、もしくは1台の大屋台+1台の子ども屋台で行われます。
 ただ、東這田と御酒神社は宵宮の3日には年交代で、双方共にどちらか片方の神社に宮入し練り合わせをするならわしに近年はなっています。

 あまり人口の多くない田舎都市でありながらも、屋台祭りにおいては、三木市は確固たる地位を築いています。それは、大宮八幡宮の石段上りや、岩壺神社の盛大な祭だけで成り立っているわけではありません。少ない台数であっても誇りと独自性をもって担ぎ上げる各神社に奉納する屋台があります。そこに、大宮、岩壺の氏子が担ぎ手として馳せ参じ、大宮八幡宮や岩壺神社の祭にはこれらの地から多くの協力者が三木に馳せ参じるという相互扶助の精神で成り立っているといえるでしょう。
 その精神は5月5日に三木城跡の上ノ丸公園にて行われる春祭の主役・別所長治公からうけついだものかもしれません。

 

■各地の鬼追い写真集

 
加古川市鶴林寺 1月8日 2012


神崎郡神積寺 1月9日 2012


三木市蓮華寺 2月5日 2012

 


<月刊「祭」 2012.4月 創刊号> 丁 ‐「別格」の代名詞‐  兵庫県姫路市魚吹八幡神社秋祭  

2012-04-14 20:07:17 | 屋台・だんじり・神輿-台車、骨組み、かけ声、楽器、担ぎ方-

 月刊「祭」 創刊しました。
 つき一回、播州を中心に、いろんな祭の見どころを紹介します。

  兵庫県の姫路市や高砂市といえば、知る人ぞ知る祭りどころ。まず有名なのは、灘のけんかまつり。他にも大塩、飾磨の各祭りなど様々な祭があり、様々な屋台(担い式太鼓台)が練られ(かつがれ)る。

 網干区の魚吹八幡宮の秋祭りにも、播州最多と言われるたくさんの屋台が各町から練り出され、絢爛豪華な歴史絵巻を作り出している。ただ、その練りは、灘のけんか祭りなどに見られる威勢のよいヨーイヤサーとは程遠く、静かに立っているだけに見えるが、天に放りあげんばかりに差し上げる「チョーサ」は一見の価値あり。
 そんな魚吹八幡宮の中にその屋台はある。その屋台は魚吹八幡宮の中では、「どちらかといえば」、伝統を残した形をしている。傾斜が急になりがちな屋根の屋台が殆どになる中、糸井や和久屋台のように、断固として浅い傾斜を保っている、、、、、わけではない。「それなりに」、いい彫刻などの装飾品をつけているが、名品ぞろいの魚吹八幡宮の屋台の中では特段目立っている、、、わけでない。衣装もそろいのマワシに白いシャツという地味そのもの。結局、その屋台が見た目で目立つことは全くと言っていいほどない。
 だけど、姫路、いや播州の祭人は、憧れや嫉妬や畏敬の眼差しでその屋台の周りに集まる。

 「丁(よろ)」。

 「よ」と「ろ」の二文字を続けて呼ぶだけで、その言葉は「別格」を意味することになる。
 やりまわしは、曳いて走るだんじりがするもので、担ぐ屋台がするものではない。担ぐ屋台では、走るだけでも無茶なことである。
 にもかかわらず、やりまわしのように、担いで走って、急カーブ!!
 「丁(よろ)」は別格!!

*この記事を書いたあとに、姫路市内で祭りをしている人から話を聞くと、他にもすごいところがあるとのことです(糸井、和久など)。ここでは、自分が感じたことをそのままの文章としてあえて訂正せずに残しておきます。

■魚吹八幡神社秋季例大祭 毎年10月21、22日(雨天による順延あり)
  兵庫県姫路市 魚吹八幡神社     最寄り駅: JR、山陽電車 ともに 網干駅
 2011年秋祭の直角チョーサ  丁(3分あたりから)