月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

70.明、讃、高、三位一体の掛け声?復活 大市八幡太鼓台(月刊「祭」2017.7)

2017-07-31 18:07:00 | 屋台、だんじり、太鼓台関連

2016年10月。西宮市で名太鼓台が復活しました。大市八幡宮の下大市太鼓台です。40年ぶりの復活は、宮の太鼓台としての復活です。祭礼日は体育の日の次の土日で、昨年の祭を見ることができませんでした。
今年、2017年は夏にも台車で巡行をするとのことで、時間の許す限りのお手伝いをさせていただきました。




目をみはるのは四本柱の彫刻です。また、歴史的な価値も非常に高いのですが、その価値については、鈴木一宏氏が指摘しています。
なので、ここでは本体の歴史的価値には触れずに、掛け声をみていきます。

太鼓は3、3、3、2の11回を1セットとします。それぞれの3の最後のドンの音に合わせて、ひとっちゃい(ふたっちゃい、みっちゃい-a)と太鼓打ちの子どもは声を出します。2の太鼓にあわせてヨーリマーカセー-bと子どもは声をだします。
そして、ふたたびドンドンドン(ひとっちゃい)と元に戻るのですが、ドンドンドンの1回目のドンから3回目のドンにかけて担ぎ手の大人たちがヨーヤサー-cと言います。ヨーヤサーのサーと、最後のドン、ひとっちゃい(ふたっちゃい、みっちゃい)の言い始めが重なります。


a 3、3、3、2の太鼓と一つ、二つ、三つの掛け声
大市八幡太鼓台の子供達が叩く太鼓と掛け声は、香川県豊浜市のちょうさの掛け声ににています。豊浜市のちょうさも太鼓は3、3、3、2となります。


bマカセ
マカセの掛け声は、明石などでよく使われます。大阪市のだんじりで使われるマワセも同系統といえるかもしれません。

cヨーイヤサー
ヨーイヤサーは神輿屋根型屋台分布域に使われる掛け声です。その中でも3回の太鼓でヨーイヤサーを言うのはその中でも西側、旧印南郡域、現在では高砂市や姫路市の西部(大塩、的形)などになります。


以上見てきたように、大市八幡の太鼓台の掛け声は三位一体ともいうべき様相を呈しています。この掛け声が、ここ独特のものなのか、それとも近隣に広まっているのかを今後は調べる必要がありそうです。

編集後記
後に映像などをリンクしていきます。
屋台の祭は、屋台そのものや金があるだけでは続きません。必要なのは組み立てたり、太鼓を打ったり、安全に担いだりする技術です。それは、幼い頃から屋台にふれ続ける必要があります。そのような人を大切にすることが存続のポイントとなるでしょう。それができない町は、いかに今隆盛をほころうとも、滅びの道を辿ります。狭い了見の輩から、いかに権力を取り上げるかが、存続の鍵となるでしょう。