月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

84.三木祭三宝(月刊「祭」2018.11)

2018-10-08 23:09:59 | 屋台、だんじり、太鼓台関連
三木の屋台を担ぐ祭で、なくてはならない三宝をあげます。

一 ボウバナ
ボウバナと言うと、播州の祭では大きくふたつに分かれます。ひとつは、棒の先端で綱を持ち舵取りをする人です。多くが、青年団や保存会、屋台係など祭関係者が務め、手袋や法被、鉢巻などで一般かき手と区別をつけます。分かりやすい指示や屋台の動きを理解した上での舵取りが、屋台の落ちる落ちないの命運を分けます。
そして、三木のように中棒(本棒)と外棒(脇棒)が長く、幅の広い屋台の場合、もう一つのボウバナ=先端部分、後端部分の担ぎ手が大きな大きなカギを握ります。屋台が傾き今にも落ちそうな時、強い担ぎ手がその先端に入ると、一気に屋台が上がります。ここは、役職関係なく、力強い助っ人の見せ場となることが多くあります。


一 太鼓打ち
聞いているようで聞いていない。聞いていないようで聞いている。それが屋台の祭の太鼓です。三木の多くの祭ではアヨイヤサーの掛け声をドンドンドンデドンのリズムに合わせて担ぎます。この簡単なリズムを、正確に担ぎ手の士気を鼓舞したり、落ち着かせたりできる太鼓が「いい太鼓」と言えるでしょう。
簡単なリズムだけど、正確に打つのは本当に難しく、「いい太鼓」を打つのは努力と才能の賜物となります。
しっかりできていても、気づいてもらうことは少ない上に、できていなかったら、屋台の運行に支障が出ます。
管理人の下手な太鼓に変わった途端に、屋台が傾いたり、落ちたりした経験があります(ToT)


一 若者、そして青年団長
このような、祭の貴重な担い手は、やはり、若い人たちであり、それを束ねるのが青年団長です。三木の大宮八幡宮は、三木城主別所氏の鎮守の社だったと伝わっております。三木城落城後の君主中川秀政は、社殿を修復しその記念として今の秋祭が始まったと言います。
中川氏や歴代の三木の君主が、祭をする上で讃えなければならなかったと思われるのが、かの若き青年城主・別所長治公です。大宮八幡宮の祭で青年団長を見るたび、かつてのちょつぴりお人好しな悲劇の若き名君は、こんなかんじの方だったのかもしれないと思ってしまいます。
このような歴史を持つ三木だからこそ、これからも団長を中心にまとまる祭であってほしいものです。





●編集後記にかわって三宝を支えるもの
このような三木祭三宝を支えるのが、周囲の家族や友人、そして、かつて若かった人たちであるといえます。
この記事を書こうと思い立ったのは、明石町や下町のボウバナを担ぐ若い「友達」でした^_^ H君、M君、S君ホンマにありがとう。