●宝
もう二十年も前の話です。管理人もまだ青年団所属の時に、入団したての後輩のことを「宝やなあ」と友人の父親が言いました。
20年を経た今、まさしくその通りだったということを感じています。そこで、屋台やだんじりで、青年団入って間もない若者の仕事はどんなことをするのかみていきます。
●雑用
はじめはやはりこれです。
三木市大宮八幡宮明石町青年団の場合は、入団間もない若者(高校生から20才くらい)は「弁当運び」をします。屋台運行から少しの間抜けて、境内の上で団員が食べる弁当を店から運びます。太鼓のバチを磨くのも彼らの仕事となります。
加東郡社町佐保神社下組では、屋台がとおれるように二俣の棒で電線をあげます。
加西市北条町住吉神社の多くの屋台では、台車の出し入れは若者の役割となります。
●盛り上げ
「元気」でいられること。これも若者の特権であるように思います。
上述明石町青年団では、入団間もないものは宮入り前に綱を取りに行き、それを大声で降ろして行くというのも一つの役割です。管理人の記憶ではここ十年ほどですが、その間で一つの「夢」となっていたようです。
北条町住吉神社のとある青年団では、入団間もないものの中から、声出しのリーダー役を決めるという試みもなされていました。
尼崎の貴船神社では前方で山合わせをする地車の後方に乗り、盛り上げます。
写真は前方。クリックすれば、後方の様子がわかります。写真と映像のだんじりは違うものかもしれません。
●宝への配慮
青年団入団当初は高校生であることが多く、未成年者への配慮が求められます。
先述の貴船神社の例だと、山合わせをする前方は非常に危険なものとなります。
また、北条町住吉神社の場合で台車の出し入れが、若者に任せることができるのはその台車の性能によるものです。二輪式や前輪が方向を固定されていないものを使用するなど、方向転換が容易なものを用いて横からすばやく取り付けることができます。さらに、手を詰めないための配慮で手すりが取り付けてあるのもかなりの割合でありました。
若者たちに活動を通して、社会性を育むとともに、安全に配慮する姿が各地の祭で見られました。
●とある他地域から入団した青年団員の話
ある時、とある春祭り地域の青年団一年目の若者の話を聞くことがありました。彼の地元はその春祭り地域ではなく別の過疎化地域で、そこでは秋祭の担い手として頑張っています。
その彼は、青年団員として楽しく一生懸命頑張れたようですが、「10%だけ満足できなかったことがあった」といっていました。
管理人は「もっと俺らにも雑用ばっかりじゃなくて、指揮者的な役割をさせてほしい」とか「もっとかっこいいことしたい」とかそんなことを言うのかなと予想していました。ですが、彼の言葉は全く予想とは違うものでした。
「今自分はこうして、A町の青年団として楽しく活動させてもらっている。だけど、自分の地元が人手不足で困っているんだし、本当なら同じように人手不足で困ってるB町でやるべきだったのではないか。」という内容のことを言いました。少なくとも管理人が彼くらいの年頃でにそこまで深く考えることは一切なく、最近の若い人に希望を持ってしまいます。
こんな若い人たちがいたら未来の日本に希望を持てる気がします。きっと、彼の後に続いて、人手不足のB町にも入団する若者が増えることと思います。我々おださんは宝の持ち腐れとならないように、律するところは律したいものです。