月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

376.屋台・タイコを関係者以外はどう呼ぶ?(月刊「祭」2021.9.3号)

2021-09-25 15:34:43 | 屋台・だんじり・神輿-組織、祭全体、社会との関わり-
某新聞の「みこし」
某新聞では、大宮八幡宮では「8台の屋台の練り合わせや、みこしをかついで85段ほどの石段を駆け上がる宮入が有名で」と、ありました。
屋台とみこしは別物で、石段上りで有名のは、走ってのぼる「おみこっさん」という認識で記者さんは書かれているのかもしれません。

●ポリさん(警察)の「お神輿」
 祭の時に大変な思いをされる職種の一つが警察の皆さんです。我々は好き勝手に動くので、いつも怪我はないか、けんかはないかとヒヤヒヤしながら見守ってくれています。
10年以上まえのことと記憶していますが、屋台の宮入の時、大宮八幡宮の石段上の警備をしているお巡りさんはこう言いました。
お神輿があがってくるので、下がってくださーい。」
 「なんで、お神輿やねん。。。」という呟きが聞こえてきました。
おみこっさん(お神輿)と、屋台では大きさと危険度が違います。誤解が生じるような言い方では安全上問題があったのか、今では屋台と呼称を統一しているようです。

●某地方自治体の地域学習用副読本の「みこし」
 多くの小学校では地域自治体ごとに「私たちの○○」といった、地域学習用の副読本が子どもたちに配られています。先生方が編集されることもあるようですが、祭に馴染みのない先生が担当されると、神輿と屋台の混同がおきます。
神輿の水上渡御が有名だということを意味の記述に該当すると思われる写真に写っていたのは、平屋根の屋台でした。ひょんなことから目にする機会があり、関係者に指摘したところ次回の編集より改正したとのことです。

●ケンキュウシャの山車
屋台のことを山車と書いている記述をみました。この呼称が用いられるのが一般的という説明を文科省の元職員の方が説明しているのを聞いたことがあります。おそらく、それにしたがってのことなのでしょうが、さすがにつっこみました。
「屋台でええやん」
「山車」と書かれるとどうしても祇園祭の山鉾のような大型の車つきのものを想起します。


呼称はやはり、地元の呼び名に即するのが鉄則のように思えてきます。そこて漢字が使われているのならば、漢字も使うのが妥当でしょう。


375.○かず商店探訪記-祭の露店だけでも体験したい-(月刊「祭御宅」2021.9月2号)

2021-09-18 01:38:53 | 民俗·信仰·文化-その他祭-
●屋台が担がれない祭、そしてもう一つの屋台(店)
 今年も新型コロナ流行により、播州各地の屋台の運行や宮入、練り合わせが中止となりました。そのような中で、我々屋台関係者以上に大変な思いをしているのが、屋台(露店)関係者です。祭の混雑があってこその商売なので、屋台運行が軒並み中止で、どうしているのだろうと思っていました。

●国道175号線の唐揚げに惹かれて
 さて、明石の図書館への道中で国道175号線を南下していると、左手に写真のような看板がありました。管理人は唐揚げに惹かれて車を止めました。別々の看板なので、いろんな店舗が入っているようにも見えます。


残念ながら、唐揚げはもうやっていないとのことでした。しかし、たこ焼き、カステーラの他に、「オヤジのおでん」、「タコ煮」などがメニューにありました。ちなみに、別店舗に見えたのは一つの店でした。「タコ煮」もウマそう、「オヤジのおでん」はどんなおでんなどなど、食欲をそそります。


そなえつけの消毒液噴射機に手をかけ、たこ焼きを注文しました。どれもウマそうとおもいつつジャンボたこ焼き小を頼みました。小とはなばかり、ジャンボはその名のとおり、六個入りでしたが、一個が大きくて腹一杯でした。
タコもかなり大きくて美味しかったです。

●○かず商店の自前店舗
そして、管理人が興味を惹かれたのは、店員さんが「祭楽」と書かれた制服をきていたことです。祭好きなんですかと質問したところ、このお店の名前と店舗ができたいきさつを聞かせていただきました。
店の名前は○かず(まるかず)商店で、本来は祭での露店商を生業としているそうです。高砂市の高砂神社、曽根天満宮、明石市の御厨神社などで出店していて、カステラの美味しさが、知られているようです。管理人もなんか聞いたことあるようなきがしてきました。
コロナ禍なので祭の出店機会が減り、自社の資材置き場として利用していた土地に、自分たちでコンクリートをぬるなど、駐車場以外は手作りで店舗を構えたとのことです。
ほかは、パチンコ店などで出店しているそうですが、コロナ禍中での商売は非常に厳しいものがあると言っていました。そのような中でも明るく接客してくださる店員さんに頭が下がる思いがしました。
露店では店舗ごとに扱う商品が違いますが、会社が複数の露店をあつかっています。その魅力を凝縮した店舗になっていました。個人的には、タコ煮が気になっています。

●露店=祭になくてはならないもの
 我々の祭も、露店商があってこそより楽しくなるものです。また、屋台運行のために露店のかたずけなどを待ってもらうなんてことも、良くある話ではないでしょうか。楽しませてくれ、そして、屋台の運行にも理解を示してくれる露店は今となってはなくてはならないものになっています。そして、やっぱりあの味が恋しくなるものです。
屋台が出せない今、今回紹介させていただいた○かず商店のような露店だけでも体験できる場へ行くのも一興です。


謝辞
 今回は○かず(まるかず)商店の方に、写真掲載、店舗掲載の件を快諾していただきました。そのことにより、360円の出費で美味しいたこ焼きと、かねてより扱いたかった露店商の記事を掲載することができました。改めて感謝申し上げます。






374.韓国のバッティングゲーム-教育制度の違いが生んだ日本との違い-(月刊「祭御宅」2021.9月1号)

2021-09-11 11:11:14 | 韓・朝鮮半島および仏教、ヒンドゥーアジア文化圏諸国-社会-

今回は韓国のバッティング施設についてです。その特質から見えてきたのは、韓国と日本の教育制度の違いでした。

 

ゲームセンター内のバッティングゲーム

↓こじんまりとしたゲームセンター風のお店です。中央の扉には야구ヤグ野球、사격サギョク射撃とあります。

 

↓360の電光掲示板の上辺りから、ふわりとした球をなげてきました。奥の板は両端が2루다二塁打20点、中央が홈런ホームラン60点、その両隣が3루다三塁打40点となっていて、強い打球をあてるとその点数がはいります。

地方大会初戦敗退の公立中学高校でベンチをあたため続けた管理人は、WBC常勝国の維新をかけてこのゲームにいどみました。

なんとその日の最高得点。管理人がなぜこんなことができたのかを考えていきます。そのために、次はバッティングセンターの様子を見ていきます。

 

↓バッターボックスは右打席のみ、ラバー軍手がおいてあります。

一ゲーム20球ほどで1000(1200ウォンかも?? だいたい100円くらい)ウォンでした。

●韓国のバッティングセンター

写真は見あたりませんでした。管理人がいったのは、釜山教育大駅前のバッティングセンターと、水原駅前のバッティングセンターです。

日本との大きな違いはは2点あります。

1 準硬式球の利用

多くの日本のバッティングセンターでは軟式球が使われていますが、韓国では準硬式球が使われています。日本での軟式球の利用は、社会人初心者を含む草野球や、小中学生の競技人口増加に寄与しているといえるでしょう。

2 一律の遅い球

日本のバッティングセンターでは、80キロから130キロ、ところによっては140キロ、150キロの球速ごとにマシンが分かれているのが一般的です。こうすることで、初心者だけでなく、現役の野球部員、そしてかつての野球部員のニーズに応えることができます。

一方の韓国では、球速は一律のおそらく80キロ程度の山なりのボールが飛んできました。このシステムで韓国のバッティングセンタービジネスが成り立つのは、教育制度が大きく関係していると考えられます。

 

●部活動のあるなしの差

とある方から教えてもらった話では、韓国では日本ほど部活動が盛んではないとのことです。スラムダンクなどの影響で、部活動などを取り入れる動きもあったとききますが、まだまだ一般的ではないとのことです。

 つまり、日本では多くの国民がまがりなりにも「専門」のスポーツをもっていることになります。さらにその中のかなり多くの人が3年から10年を越える期間、「野球」を「専門」としてきました。少年野球だと週に1回程度を3年から6年、中学高校で野球部に入ると週に4回ほど、あるいはほとんど毎日3年から6年、バットを振り続けることになります。男子だけで考えるならば、野球経験者は少なくとも1割程度はいると思われます。そうなると、100キロを越える球でも普通にバットにあてることができる国民が数百万人単位でいることになります。それなりの球速がだせるマシンがあるバッティングセンターのニーズはたかくなります。

 一方で韓国の場合は、プロを目指さない人は中学高校で専門のスポーツにうちこむことはほとんどありません。なので、プロ以外の多くの国民は100キロの球を打ち返すのは困難を伴います。なので、一律で遅い球を放るバッティングセンターが一般的なものになると思われます。

 管理人が上のバッティングゲームで高得点を出せたのは、ボンクラでも続けた中学高校の野球部での経験があったからでした。