月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

373.ニ拍手 二拝 二拍手※??大宮八幡宮宮参りの作法(月刊「祭」2021.8月5号)

2021-08-23 17:26:08 | 民俗・信仰・文化-伝承・信仰-
 ●鈴をならすタイミング
 近年の御朱印帳やパワースポットのブームで宮参りはずいぶん身近になったきがします。そのおかげで宮参りの作法「ニ拝 二拍手 一拝」をしっている人も増えてきたような実感があります。管理人は大学生になってから覚えました。でも、覚えてから疑問に思うことがあります。
鈴っていつならすん??
ニ拝 二拍手 一拝を覚えてからは、この鈴をいつならすのかが分からなくなりました。

屋台お祓いの玉串から
 そこで、少し考えてみると、屋台出たちまえなどの玉串奉納にヒントがあるように思います。玉串を代表者が奉納した後、一斉にニ拝二拍手一拝をします。これは、屋台ではなく本殿においても同じでした。
玉串奉納という神さんへのアクションを起こしてから、ニ拝二拍手一拝という順番ならば、玉串の代わりに鈴でもいいようなきがします。

●三木市大宮八幡宮の記録文書から
 大宮八幡宮当時の神職である池田忠左衛門右明が記した「神拝式」文政十一年*(1828、三木市立図書館所蔵)には、下のように書かれています。


まず柏手(かしわで)二回を打ちます。

お祓いや祈願文(今で言う祝詞だと思われます。)を読みます。

二回拝礼をして、鈴を三回ならします。

そして、最後に二回柏手を打ちます。

●二拝、二拍手、一拝はまちがい??
こうなると、二拍手、(お祓い祝詞)、二拝、鈴三回ならして、二拍手となってしまいます。しかし、これはあくまで神主さんの所作です。一般の参拝者は祝詞をあげないので、初めの二拍手はいらないともいえそうです。
となると「神拝式」にのっとるのであれば一般の参拝者は、二拝→鈴三回→二拍手となりそうです。
ですが、二拍手のあとにもう一回、頭を下げるのはあながち間違いとは言いきれないでしょう。神拝式」と今の作法を掛け合わすならば、「二拝→鈴三回→二拍手→一拝」とするのが無難なところでしょうか。
とはいっても大事なのは、やっぱり心持ちです。某ボンクラ祭ブログ管理人のような、やれあそぶための大金、やれうまい飯などなど厚かましい願い事をするようなことがなければ、オッケーということではないでしょうか。


↑神拝式の題字

※神前で手を二回打つ行為は柏手(かしわで)と言います。今回は文献引用の時のみ、柏手ト書き、それ以外は拍手と書きました。

*三木市立図書館の登録では文政十年「神挿式」となっていました。一が小さく書かれていたので、汚れと考えていたようです。ですが、「文政十一戊子歳」の記述があり、戊子年は文政十一年となります。「挿」ではなく「拝」は写真のとおり、

372.競技化する祭と大喜利-リットン調査団復活を祝して-(月刊「祭」2021.8月4号)

2021-08-22 23:54:40 | 屋台・だんじり・神輿-台車、骨組み、かけ声、楽器、担ぎ方-
●競技化する祭
 有本尚央氏のこの名著にもあるように、祭が競技化スポーツ化しているというのは、なんとなく肌で実感している人も多いと思います。
三木でも平田vs高木どちらが長い時間差し上げられるかの勝負も名物になりました。姫路や高砂などでの神輿屋根屋台の練り合わせも競技性があるといえるでしょう。飾磨の台場差し、台場練りも競技性は言わずもがなです。博多山笠はたしかタイムを計るようになったはずてす。


阿波おどりなんかはコンクール的なものがあったようなきがしますし、各地のよさこいソーランなんかもそういうものが多いと思います。このような競技性、スポーツ化が顕著になるのが現代祭の特徴であるとはいえそうです。
とはいえ、何台かよるとなんらかを競いあいたくなる「競技性」がついて回るのは屋台やだんじりの祭の宿命だとも考えられます。でも、だんじりや屋台のそれはスポーツやコンクールとはやや違うところがあります。それは条件をそろえられないので、明確な勝敗がつけられない点です。たとえば三木でいうならば、高木と平田の重さは違うし、担ぐ人数も違います。必ずしも同じ条件で争うわけではありません。三木の下町屋台や見出し画像の飾磨浜の宮天満宮天神屋台などは、明らかに不利なドでかい屋台を新調しました。勝ち負けがスポーツやコンクールほど厳密なものとはならず、勝利だけを志向しないところが、今の屋台やだんじり祭の特徴だといえるでしょう。

●競技化する大喜利
さて、ウィキpディアの大喜利のページを見れば一目瞭然ですが、大喜利もスポーツ化しました。それはダウンタウンの松本人志さんの影響が大きいといえるでしょう。例えばイッポングランプリなどでは明確な勝敗が決まります。競技のもとで、あらゆる角度から創造的な笑いを追い求める良さがありますが、どうしてもみる方にも緊張感が漂います。
一方古典的な大喜利の流れを受け継ぐともいえる「笑店」では、座布団の数を競うという体裁をとっています。でも、座布団の数=面白さではないことは多くの人が理解していることでしょう。そのあたりは、屋台だんじりと共通する点かもしれません。アットホームな良さがありますが、回答は言葉遊びなどのお約束的なものが多いようにも思えます。

●復活したリットン調査団
一時期袂をわかったことがテレビで放映されましたが、最近一緒にYouTube出演しているリットン調査団。大喜利(管理人はpart2の途中まで試聴)もリラックスした雰囲気とお約束には縛られない感が両立しています。
基本面白いのですが、大喜利part2では水野さんがあまりよくない回答もしているのをみました。試聴するときはご注意を。





371.これなら作れる屋台模型?? 姫路市香寺町日本玩具博物館(月刊「祭御宅」2021.8月3号)

2021-08-22 01:06:32 | 屋台・だんじり・神輿-衣装、周辺用具、模型-
●こんなんは無理、でも作りたい
屋台の宮入もでけへんねんやったら、模型でも愛でたい。。。そんな思いを持つ人も少なくないのではないでしょうか。
でも、さすがに下の写真のような精巧な屋台を作るのは、ハードルは高いなあと思われるかたもたくさんいることでしょう。
そこで、管理人のようなズブズブ素人でも作れるかもという屋台玩具の展示がありましたので、紹介します。


精巧な屋台模型は

播州屋台

↑淡路のだんじりとなっていますが、屋根が三段なので播州かな??と思います。

↑この屋台模型の写真も使って、播州屋台について書かれた2011年の「館長室」。当時はインターネットを参考にすることはあまりよくないとされていたものと記憶しています。にもかかわらず、播州の祭について、インターネットを参考にされたことを素直に書かれ、評価するご姿勢にお人柄の良さを感じます。もちろん、評価されていたサイトはこのサイトではなく、「播州祭り紀行」です。

四国の太鼓台

↑もしかしたら四国のではないかもしれません。
↑坂出のものだそうです。
かなりにたものを管理人は、観音寺で買いました。

↑徳島県のものらしいです。

●その他地域の山車など

↑能登半島のキリコ

↑ねぶた

↑京都祇園祭の山鉾。今でもお土産やさんで買えます。

↑名古屋市東照宮の山車だそうです。

●作れるかも??
 簡素なものなら作れるかもしれないという希望がわいてきませんか?管理人もチャレンジしてみようと思います。
↑よくよくみると、布団屋根や擬宝珠の曲線は素人では難しそうです。なので、さらに簡素化してみることにします。




370.現代ヨサコイソーランの起源?一世風靡セピア(月刊「祭御宅」2021.8月2号)

2021-08-16 01:56:01 | 民俗・信仰・文化-時事・コミュニケイション-
●ヨサコイの台頭
日本の祭(イベント含む)の歴史をざっくりあらっぽく言うと、限られた人の祭からより多くの人が参加できる祭になっていったと言えます。
もともとは、座や講が中心になる祭や、鬼の祭(藤原喜美子『鬼を迎え祭る人々』御影史学会、2006)は限られた家の人が行うものでした。そこから、早いところは江戸時代ころ、多くの地域では幕末ころから、より多くの人が参加して楽しめる、屋台、だんじりの祭ができてきました。その屋台、だんじりの祭も少しずつ町内村内だけでなく外部の人、女性など門戸を広げているのが現状であると言えます。
そして、より多くの人に門戸を広げた神社を介さない祭がヨサコイソーランと言えるでしょう。高知のヨサコイと北海道のソーラン節を融合した大規模なイベントを1992年に当時の学生さんがはじめたのがきっかけと聞きました。1999年放送の金八先生でもロックソーランの指導シーンがあるのもこのイベントの影響が大きいと言えるでしょう。ここから、教育現場に爆発的に広まったと記憶しています。

●ヨサコイぽい??
 今では各地にひろがり、大学のサークル、新興住宅地のイベント、地方自治体主催のイベントなどによく踊られるヨサコイソーランの衣装や躍りは、かなり特徴的で、屋台の祭の衣装とも、鬼追いの躍りともかなり違いがあります。古くから伝わる伝統というよりも、最近生まれたこれからの伝統というのが正確な表現と言えるでしょう。
ソーラン節やヨサコイおどりなどを元にしていながらも、ロック風のアレンジをいれたテンポの早い曲と躍りは、原曲とはかなり雰囲気が違います。この曲調や躍り、雰囲気はどこからきているのでしょうか?
管理人はこれちゃうかなあと思います。一世風靡セピアの「前略、道の上より」(1984)。かっちゃんこと勝俣州和さんが属していたアイドルグループです。躍りと曲の雰囲気がにている気がしませんか??




369.屋台を新調する意味-星陽中、三木中合併におもう(月刊「祭御宅」2021.8月1号)

2021-08-02 12:33:10 | 屋台・だんじり・神輿-装飾の工芸、新調、改修、修復-
管理人は古い屋台が好きです。
が昔は違いました。
特に子どものころ。
華やかな屋台がすきでした。
古い屋台が新しくなることに寂しさを覚えるのも本当の気持ちですが、華やかな屋台に胸をはる子どもたちの気持ちを思うと、やはり新たな門出を祝いたくもなります。

星陽中と三木中の合併をむかえ、華やかな屋台が多い旧三木中校区にひけをとらない屋台が、六社神社に昨年生まれました。古い屋台の良さを残しつつ、新しい華やかさも兼ね備えた屋台に、三木中校区の新しい友達に誇れる屋台に六社神社の屋台は生まれ変わったといえるでしょう。


編集後記
当時の神戸新聞の記事をキャプチャしようと思ったのですが、見当たりません😵