月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

413.「流」れて一続きのだんじり彫刻(月刊「祭御宅」2023.6月1号)

2023-06-18 20:15:16 | 屋台・だんじり・神輿-装飾の題材-


●平野区のだんじり9台集合
-大阪市杭全神社夏祭前夜祭-
久しぶりの、月刊「祭御宅」。はい、なまけになまけました😫 山王戦の花道もびっくりなほど体重もリバウンドしました。あらゆる講演の準備、執筆は、滞りなく、すべて滞っています。つまり、いつもどおり元気です😖
今日2023年6月18日は、大阪市杭全神社夏祭(7月10日~14日)の前夜祭で、平野商店街に9台のだんじりがあつまりました。ゆっくりと、全だんじりを見れるまたとない機会、たんのうして気づいたことを書いていきます。
獅噛(しがみ)、拝懸魚(おがみけぎょ)、車板(くるまいた)
だんじりの正面の屋根上部から獅噛、拝懸魚、車板と呼ばれる部位です。獅噛は真正面の獅子など、拝懸魚は鷲など(昔は魚のもの?)、車板は龍や人物ものが多くつけられていました。くわしくは、下のウェブページを見てください。ようは、いろんなものが題材になっているのですが、基本、それぞれの場面は独立している、はずです。
が、流町、市町は、一続きになっており、珍しく「感じた」ので、紹介します。
もしかしたら、そこそこ多いかもしれないので、「感じた」としました。
馬場町だんじり↑↓
大阪型地車の各部名称と働き

大阪型地車の各部名称と働き

正面 地車正面 背面 地車背面 各部名称と働き このページのトップにもどる▲ 側面 地車側面 各部名称と働き

大阪市

●市町
市町は、後ろ側の獅噛と拝懸魚が一続きで、牛若丸と烏天狗です。下の岩根氏のサイトによると明治末から大正期の作品だそうです。
岩根氏サイト
流町
下の岩根氏のサイトによると、この作品は弘化三年(1847)の作品だそうです。
前面
獅噛は、須佐之男尊と八俣大蛇、拝懸魚は櫛稲田姫と八俣大蛇と酒樽、車板は特大の龍・八俣大蛇と、一続きになっています。
後面
車板は天狗の内裏、拝懸魚は牛若丸と烏天狗で、これも一続きの物語です。
では、獅噛は?? いかついおじさんが、鐘をかついでいます。これは、別の物語でしょうか??
よく見ると、長刀があります。これは、弁慶で、三井寺の鐘を延暦寺に運んでいる場面です。後面は一続きではありませんが、牛若丸と弁慶でニコイチの場面となっています。
流町のだんじり彫刻は、その名の通り、一続きの「流れ」に沿った彫刻といえます。
岩根氏サイト