今年も夏に韓国へ行ってきました。
今回は韓国の仏教寺院文化のついて見ていきます。
⓪大雄殿仏
日本でいうご本堂にあたるのが韓国の大雄殿です。日本の場合は、観音寺だと如来より下位である菩薩のお堂の方が本堂になったり、大きかったりとかがあります。ですが、曹渓宗はお釈迦様が大雄殿の本尊仏となり、華厳宗では毘盧遮那仏が本尊仏となることがほとんどで、日本のような如来と菩薩の逆転現象はほとんど見られません。
↑梵魚寺大雄殿
①稲作
仏教寺院には米を納める習慣が残っていました。分かりやすいのが釜山市の梵魚寺です。
写真のように信者の方が納めたお米がたくさんありました。
↑梵魚寺観音殿
慶尚南道統営市の安静寺では福田函という賽銭箱にあたるものが設置されていますが、これも修行している方たちに米をおさめるという意識があるように思います。仏教の発祥地であるインドと稲の原産地がかなり近いことを考えると韓国において仏教と稲作が近い関係になるのは無理もないことなのかもしれません。
↑安静寺羅漢殿
②解
解脱橋と呼ばれる橋が 韓国には数多くあります。 寺域内に入る橋で、この橋を渡ることで解脱にいたるということでしょうか。
↑安静寺解脱橋
全羅道南原市実相寺にも、解脱橋はありました。
川を渡ることで、あの世という解脱の世界に行くことを意味するのかもしれません。 下の写真は慶尚北道蔚珍郡の仏影寺のトイレにあった写真です。
韓国語でトイレは、化粧室の韓国語読みでファジャンシルと言います。が、お寺では「ヘウソ」と言います。漢字では「解憂所」となります。仏さまに合掌礼拝のあと、出るものが出れば、憂いも解けるのかもしれません。憂いを無くすのではなく、解くとするのが素敵です。
⚫︎編集後記
本号の執筆にあたり、梵魚寺、仏影寺、安静寺の僧侶、および信者のみなさまにご厚情を賜りました。改めて感謝申し上げます。食事を賜ったり、本来なら公開していないものを見せて下さったりと、またまたお世話になりました。
ジャーナリスト?の櫻井よしこ氏が韓国は内戦状態と煽る記事(とはもはや呼べません)のようなものを書いていましたが、内戦の気配を感じることができませんでした。 この煽りっぷりの酷さに開いた口はふさがりません。ようは、対外的な不安を煽り内側の腐敗から目を反らすという為政者の常套手段の援護射撃といったところでしょうか。
氏の講演、所属会社のウェブページによると100万から150万円が目安なのだそうです。金をドブに捨てるとはこのことを言うのでしょう。 月刊「祭」の講演はその100分の1以下でやりました。頭は櫻井氏より随分悪いはずですが、氏よりマシな話はできました。