保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

巨岩の撤去完了!10日から運航再開へ!

2004-11-08 23:42:22 | 船頭
本日、川下り運休の原因となっていた巨岩の爆破作業を実施、
撤去に成功しました。

これにより台風23号以来約20日間止まっていた保津川下りを
10日から再開できることになりました事、ご報告いたします。

航路をふさいでいた岩は「小鮎の滝」というこの川一番の落差を誇る
急流ポイントに横たわっており、他に除ける箇所の無い場所です。

今日までは河川の水位がまったく下がらず、破砕作業に掛かることが
できないという状態が続き、対策に苦慮していました。

今日やっと水位が減少したことで、破砕作業に着手したのです。

破砕作業は午前7時半頃から入り、前日の開けておいた数ヶ所の穴に
破砕薬を挿入、点火スイッチのレバーが入れられると「ドカン!」
という大きな音とともに3つの砕けました。

しかし砕けた岩は飛び散ることなく、その場に留まり
まだ航路をふさいだままです。
「くそ~失敗や!」周りにいた関係者から落胆のため息がもれます。
その瞬間、今シーズン絶望という最悪の事態が皆の脳裏を横切りました。
まさに「目の前が真っ暗になる」とはこのことです。

このまま、ただ落胆していても仕方ないので
「失敗の原因は何か」いま一度調べることに。

調査の結果、点火しなかった火薬が多数残っていることを発見。
激しい川の流れでの作業では、通常とは異なるトラブルがあるのですね。
最後の期待を賭け、再度爆破にチャレンジすることに決まりました。
関係者一同、祈るような気持ちで行われた二回目の爆破は、岩を細かく砕くことに成功!

あとは船頭達が川に飛び込み、砕けた岩にワイヤーをかけ、
チルで引っ張るという川作技術により、右岸端に引き寄せました。

二十日にわたり私達船頭を悩ませた「小鮎の滝」の巨岩は
こうしてすべてが撤去され幕引きとなりました。

今回の台風で荒らされた川の復旧作業は、本当に難航しました。
2004年の23号台風は、生涯忘れることはないでしょう。


紅葉シーズンで観光への影響が心配されていましたが、
保津川下りはあさって10日に運航を再開させます。

紅葉はこれからが本番です。本当に間に合ってよかったです。
皆様にも大変ご迷惑をおかけしましたことお詫び申し上げます。
また、多くの方からご心配や励ましを頂いたこと、うれしくおもいます。
ありがとうございました。

皆様のお越しを船頭一同、心よりお待ち申し上げております。