保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

14日は嵐山もみじ祭り

2004-11-10 23:49:08 | 京都情報
運航再開に懸命な保津川下りをしり目に、
嵐山の紅葉は日増しに美しく色づき始めてきました。

今週の日曜14日は毎年恒例の嵐山もみじ祭りが行われます。

このもみじ祭りは、昭和22年に嵯峨風土研究会が中心となり、
小倉山(昔は両岸の山とも小倉山と呼んでいた)のもみじの
美しさを讃え、辺り一帯を守護する嵐山蔵王権現に感謝する行事
として始められたもので、毎年11月の第二日曜に行われています。

当日は渡月橋上流の大堰川(おおいがわ)一帯に
舟を浮かべ、船上舞台の上で嵐山にゆかりの深い
芸術・文化の優雅な舟遊びという平安絵巻を再現します。

浮かべられる船は
  古典曲を演奏する「筝曲小督(こごう)船」
  舞楽と雅楽を演奏しながら舞う「平安管弦船」
  即興で今様歌をつくり歌い舞う「今様船」
  音楽に合わせて花を生ける「京楓流いけばな船
  
  鯉と亀を飾った神輿をのせた「松尾大社船」
  元との貿易で造営費を捻出した「天龍寺船」
  黒木の鳥居に小柴垣を船上にのせた「野宮船」
  狂言装束の「嵯峨釈迦堂船」

  菊の花で飾った「大覚寺船」 など

河原では、嵯峨大念仏狂言(無形文化財)
     吉原太夫の道中  など

メインとなる午後1~2時には嵐山河畔が
多勢の見物客やテレビカメラなどマスコミで
いっぱいとなり、その前を保津川下りの船で
横切る時はなんともいえず気恥ずかしくもあり、
それでいて心地よくもあり、癖になります。

多数の雅やかな船の間を、私達保津川下りの和船が
縫うように抜けていきます。

高貴な方の舟遊びの間を、大衆の生活物資を運んだ歴史をもつ船が
横切るミスマッチは、嵐山の歴史そのものの再現なのでは?
などと毎年感じながら船を操るはっちんです。

今だから告白しますが、はっちんが新人の頃、
雅び船に自分の船を引っ掛けたことがありました。

その年も多数の雅び船と貸しボートが所狭しと浮かんでおりました。
その間を一本の棹竹だけを頼りに抜けていくのですが、
前方をすり抜けたと思った瞬間、一番後方にある舵が
なんと雅び船上の構造物に引っかかったのです!
ゆっくり倒れていく構造物!新前の船頭はっちんは
顔面蒼白、背筋には寒い戦慄が走るのを確かに感じました。

幸いなことに、船にスピードが無かった分ダメージはなく、
その船の人がすぐさま、起こし治ったようで大事には至らなかったのですが、
いまだに忘れることの出来ないもみじ祭りの冷や汗ものの思い出です。

今年は台風23号で嵐山も大変でしたが、今ではすっかり
もとの美しい景観を取り戻したようで本当によかったです。
保津川も少し遅れましたが、14日は嵐山まで下って行き、
もみじ祭りにお邪魔しますのでよろしくお願いします。








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