保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

逆境に生きる!保津峡のイワツツジ。

2007-06-03 21:42:26 | 船頭
明治の俳人・正岡子規が保津川下りをした時に
「下り船、岩に松あり躑躅(ツツジ)あり」
と詠み、その美しさを絶賛したという
保津川渓谷のイワツツジがそろそろ見頃です。

毎年5月末から6月初旬にかけて咲く保津川渓谷のイワツツジ。
保津峡の険しい岩場一面を彩る可憐な朱色をした花びらは
新緑の山々と美しい対照をなし、今の時期の保津川名物です。

保津川の岩壁に自生しているこのイワツツジは大昔、
この川の大洪水で、地上に咲くツツジの種が流され、
岩の割れ目に入り込み根付いたといわれる 大変珍しい
ツツジで、天然記念物にも指定されています。

岩壁で生息する自然環境は厳しく、毎年増水による激流に
その身を晒されながらも力強く生き抜いています。
枝の背丈を低くし、葉は流線形に変え、花びらは陸上の
ツツジよりも小ぶりに姿を変形しているのは
厳しい自然環境下で生き抜く知恵ともいえるでしょう。

自然環境に適応して生き続けようとする姿は、
どんな厳しい状況に置かれても、逞しく生きる
事の大事さを教えてくれている様です。

こんなに小さく可憐なイワツツジですが、厳しい環境に
鍛えられ、硬い岩の裏に強く根を張っていく。
その逞しくも美しい姿は、逆境に耐えたものだけが
持つ本物の‘美’を表現している様に感じます。

本物の‘美しさ’は‘強さ’から生まれる。

保津川のイワツツジは、その事を私に教えてくれていると感じるのです。


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