保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

船頭、川掃除に行く!

2004-11-01 23:35:05 | 船頭
昨日は小雨の降るなか、私達失業中の船頭達は台風で荒れた
川岸のゴミ掃除に行ってきました。

近年にない大洪水を引き起こした今回の台風23号の通過で、
洪水が引いた保津川の河川岸には上流から流れてきたゴミが
いっぱい木の枝などに引っかかっているのです。

その風景は‘天下の名勝・保津川渓谷’にはあまりにも似合わない
酷く汚れた景色なのです。

とはいっても自分たちの職場です。自分たちの手で綺麗にしなければ
ならないのは当然です。船頭総出演で作業に当たることに!

しかしこのゴミ掃除という作業、なかなか大変な作業なのですよ。
道端のゴミを拾って歩くような訳にはいきません。

現場は段差の激しい山裾で崖の箇所も多く、足場も相当悪いのです。
ひどい所は人一人が横つたいに歩かねばならない危険な所も行くのです。
ゴミは今回の洪水時の高さを表すかの様に、ほとんどが2~3メートル頭上に
引っかかっていることから、高枝切りバサミのように長い竹先にのこぎりや
鎌を取り付け、崖から身を乗り出して取り除くという結構激しい作業なのです。

ゴミの種類も色々です。ビニールや麻袋、何故かじゅうたんまで山裾の木々に
破れて引っかかっており、河原にはペットボトルや空き缶の残骸の山です。
また、ビックリするような大木も根元から抜けた状態で流れ着いており
自然の力の巨大さを物語っているようです。

今回は大洪水の後ですから、その量も半端ではありません。

通常の川掃除は毎春川開き前に行っており、いつもは遊船の舟を流しながら
崖の下に付けるのですが、今回は例の巨岩のせいで舟は出せないという
条件下での川掃除です。
ゴミの運搬も手持ちや担いで持ち帰るのですから、かなりの重労働です。

保津川渓谷は16キロと長く険しい道のりです。
すべてのゴミを撤去することは不可能に近いのですが、
私達の出来る限りで頑張っております。

こんなエコな船頭達に励ましのご声援よろしく!

しかし川掃除のたびに思う事ですが、本当に今の私達の文明生活は、
土に返らない物質に囲まれ暮らしているものだと
と改めて気付き感心させられます。

この文明生活が続く限り、私達船頭の川掃除も永遠に続く事でしょう。

写真は、またまた登場!俣野君、大森君、高木君の川作トリオに
工藤誠君が加わり、流木相手に決死(?)の川掃除を行っているところです。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
まだまだ大変なんですね。 (meimi)
2004-11-03 23:31:52
今度保津川下りの船に乗ろうと思って、調べてたら

このブログにたどり着きました。

読んでるとはっちんさんが、ホントに保津川が好きで、

船頭であることを誇りに思ってるのが伝わってきました。



台風の影響はまだまだ続いてるんですね。

お掃除お疲れさまでした。

皆さんの努力のお陰であの素晴らしい景観が保たれてる

んですね。



景色を観る目が変わりました。

行く前にここに来れて良かったです。



15日に行く予定です。

一日も早く再開されることをお祈りしてます。















返信する
15日は大丈夫と思います。 (はっちん)
2004-11-04 23:50:57
meimiさん、コメントありがとうございます。

このたびの台風23号のツメ跡は相当のものでした。巨岩はまだ撤去できてませんが、ここ2~3日のうちに取り除く予定です。

15日にお越しになるとのこと、ありがとうございます。15日には運航再開できると思います。

お会いできるといいですね。

お越しをお待ちしております。
返信する
はじめまして! (YOSHI)
2004-11-26 16:13:59
昨日保津川下りに行ってきました。

再開までにはいろいろご苦労があったのですね。。

まだゴミは残っている様子ですが、もし手伝えることがあれば是非お声を掛けてください! 

同じ京都市民として協力したいです。
返信する
川ゴミ (はっちん)
2004-11-26 20:00:30
お心遣いいたみいります。

ご協力のお申し出の件ですが、16キロに及ぶ道のりの上、足元も悪い険しい山道での作業です。

山仕事に慣れていないボランティアの方にお願いするにはあまりにも危険すぎます。



上にも書きましたが、河原の空き缶拾いや町内の草刈りとは訳が違います。手を鎌やノコギリでふさがれるうえ、重たいゴミ袋を背負って勾配の厳しい崖道で作業することは、慣れた船頭達でも気を抜けない作業です。

もし善意におすがりして、人命にかかわる大きな事故につながれば大変です。なにとぞご理解くださるようにお願いします。

なお今も残っているゴミは、複雑な諸事情があり、撤去できれなかったものです。

技術的なことも含め、今後これらゴミの撤去方法についてはただいま検討中です。

この冬中には何とかするべく知恵を出し合ってます。



返信する

コメントを投稿