保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

我が空手訓練法・・・巻きわら

2008-05-14 00:00:52 | 空手・格闘技
私はっちんの家の庭の木には‘巻きわら’という
見た目不思議な物体が備え付けてあります。

この‘巻きわら’とは何をするものと思われますか?

これは空手の拳を鍛えるのに使用する伝統的な道具なのです。

空手の源流は沖縄にあり、14世紀頃、中国から伝わった
拳法と琉球の「手(ティー)」が一体となって進化し
独自の武術として確立し、明治以降、日本本土に
上陸して発展を遂げ、今では世界約130ヶ国、
3千万人を超える愛好者がいるまでに広がりました。

その空手の特殊訓練法として昔から取り入れて
こられた道具こそ、この‘巻きわら’なのです。

巻きわらは空手の命ともいわれる‘正拳’を
鍛える為、こぶしをしっかり握り、人差し指と
中指の根のところを正確に当てるように突きます。

前屈立ちという前足に重心が掛かる立ち方を腰を落とし
しっかり決め、最初は軽く10~15本突き、
熱をもってきたら、力を入れて突きます。
体に無用な力を入れず突き瞬間に拳に全身の力
を集中させ、その時に息を吐く、手を引く時に
息を吸うという呼吸法も大事です。

私は日に最低でも右50本・左50本は強く突く
ことを日課にしてます。多い時は左右200本以上
も突くことも。

初心者の頃はこぶしの皮がめくれ、血がにじみ出ます。
それでも続けて突いていると、白い骨が見える。
そうして、コンクリートブロックなどを突いても
動じない鉄の拳をつくり上げるのです。

この稽古はサンドバックなどの近代的な訓練道具と
異なり、試合等にすぐに使えるものや、勝つ為の
テクニックを身につけるものではなく、地味で
すぐに効果があらわれにくいものとして、現代の
空手家たちから敬遠されがちな訓練法ですが、
毎日の鍛錬を積み重ねることで身に練り込むという
付く先人がつくり上げた伝統の器具訓練法なのです。

‘武の道’という気の遠くなりそうな歩みを
進もうとする空手修行者が忘れてはいけない
訓練法だと思い、日々、巻きわらを突いています。

でも、ひとたび、鉄の拳が繰り出され、相手の体に
触れれば、ガードした腕の骨から砕く!
という硬い拳をつくるのことができるのです。

大きな欧米人空手家と拳を交えた経験からも
正拳は骨から砕いていくこぶしを作らないと
小さな日本人は勝つことは出来ない。

その意味からも日本人修行者は、先人が命を賭けて
生み出したこの‘巻きわら’を鍛錬に入れるべきだと
思うのです。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿