ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2018.3.23 旅立ちの日、あれこれ

2018-03-23 22:47:23 | 日記
 今日は、勤務する大学の学位記授与式2日目。例年使用している都心の大ホールがメンテナンスのため使えないため、やむなく大学の講堂での分割開催となった。初日の昨日はメインキャンパスで3回転での実施。
 昨日は肌寒く雨が降ったりやんだり。なかなか傘が仕舞えない一日で、綺麗に正装した卒業生や保護者の方たちには気の毒なことだった。桜の花もまだ一輪二輪開き始めたばかり。

 そして、今日は私が担当する院生たちが所属する都心キャンパスでの実施。昨日よりは断然暖かくなるという予報だったが、朝のうちは今にも降りそうな空模様で、スーツの下にヒートテックを着込んでライナー付きのトレンチコート、タイツといういで立ちになった。

 いつも通りに出勤してざっと仕事を片付けた後、あれこれ準備の小道具を持って昼前に職場を飛び出して東京横断の大移動。まだ雲行きが怪しい感じで折りたたみ傘も持参した。例年のように、途中乗換駅のフラワーショップで予約していた心ばかりの花束を受け取り、早めのお昼を摂りながら会場を目指した。
 目指すキャンパスに到着した頃は青空が広がり、文字通り門出の日に相応しい良いお天気になって、ほっとした。

 式典の会場で、最後列の教職員席に着いていると、前に座るスーツ姿の女性がこちらを見て、びっくりされた様子で会釈されている。一瞬どなたか分からないが、こちらも頭を下げる。会場の外に出ると、わざわざご挨拶に見えて、「○○病院の○○です」と仰る。ああ、いつも働いている装いと全く違うし、こんなところでお会いするとは全く思っていなかったので、判らなかったのだ。

 お世話になっている病院に勤めるママさん看護師のKrさんが「せっかく化学療法室にいるのだから、是非勉強したいと思って」と、半年間職場を離れて研修に出るというのは伺っていた。本当に前向きで素晴らしいな、とエールを送ったのが去年の夏だったか。4月にはまた化学療法室へ戻って来られるということで、楽しみにしていたのだけれど、研修先がまさか私の勤務する大学とはゆめゆめ思わなかった。

 訊けば、同じく認定看護師のOkさんもこちらの修了生だそうで、これまたびっくり。Okさんが半年間不在だったのは数年前のことだったから、修了式には私も間違いなく臨席していた筈。なかなかファーストネームまでは存じ上げないので、後から名簿を見たら、なるほど、そういうお名前だったのか、といったところだ。

 今年の祝辞で心に残ったのは「学び続けよう」と「心優しいリーダーであろう」という言葉だった。医療技術系の職種が多いため、学び続けていなければ手に入れた技術はどんどん陳腐化してしまう、そして手に入れた技術をいかに使うのかを考え続けること、本当に正しいことは分からないけれど、その時にこうだと思うことをするしかない、という来賓のがん専門病院の院長の言葉にはとても頷かされた。
 こうして長年患者でいても、常に正しい選択が出来ているかどうかわからないけれど、自分の出来る範囲で勉強し、その時にこれがベストと思うことをするしかない、ということに通じると思った。

 その後、各専攻に別れて学位授与式。今年は修了者が多く、昨年秋に出産したばかりのママさん院生も赤ちゃん連れで参列した。産後まもなく論文提出をした頑張りは本当に頭が下がる。おとなしく人見知りしない4か月の坊やを抱っこさせて頂き、とても幸せな気持ちになった。他にも看護師の職にありながら学部から学び直し、12年かけて博士の学位を得た社会人学生も。一人一人の学生生活の大変さを知っているだけに、今日の日を迎えられたことをともに喜んだ。
 思いもかけず、修了生全員から「お世話になりました」と素敵なプリザーブドフラワーを頂き、一緒に記念撮影にも入れて頂き、黒子の事務担当冥利に尽きるひと時であった。
  
 式典を終えて、事務室に戻ると、人事異動の内示が発表されており、ざわついていた。私自身異動を希望していなかったが、今のポストは長くなったので一抹の不安はあったものの、無事残留となった。
 今年も無事に働かせて頂ける環境と自分の体調に改めて感謝しつつ、再び前を向き、来月からの新しい学生さんたちをお迎えする準備を始めたい。新しい出逢いを待つ心躍る季節である。

 帰りは夫とターミナル駅で合流して、買い物と食事を済ませ、ライナーでの帰宅となった。最寄り駅ではまたしても雨が降り始めていて、荷物も多いので、ふらふらとタクシーに乗ってしまった。
 一方、息子は日中の用事を済ませた後、私の実家にご機嫌伺いに。お彼岸ということもあり、父にお線香をあげ、母と夕食を共にし、お小遣いをゲットして、私たちより一足遅く先ほど帰宅した。




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