土曜日。旅は3日目、早くも最終日。
昨夜はお腹ごなしでゆっくり入浴。露天風呂から望む空には雲が出ていて、前夜ほど綺麗に星は見えなかった。部屋に戻って少し本を読んでいたら、2人はあっという間に就寝して寝息を立て始め、先を越されてしまう。
なんとか日付が変わる前に寝付き、今朝も5時半まではお手洗いにも起きず、目も覚めず。相変わらず母はゴソゴソと起き出している。1時間ほど我慢してもらって夫も起こして3人で朝風呂へ。
思いのほか空いていて、最後の朝風呂を楽しむ。風が爽やかに吹きわたり、とても気持ちよい。昨日ほどのピーカンの青空ではないが、程よく晴れている。今回は3日ともお天気に恵まれた。晴れ女である。
身支度をして、朝ドラを視てからレストランへ。昨朝と少し趣向を変えたお料理を選び、まずは母の分を取りに行く。夫が2人ともよく食べるねえ、と言うくらい食欲旺盛である。お腹も快調。
たっぷり時間をかけてエネルギーチャージをした後は、中庭をお散歩して少し腹ごなし。海は今日も美しいナティエ・ブルーだ。
部屋に戻り、まずは母の荷物をまとめて宅配便を出し、私たちはキャリーケースにパッキング。昨日買い求めた紫陽花の鉢にも水をあげてから手提げに。チェックアウトして荷物を預け、シャトルバスに乗り込む。ペリーロードで降ろしてもらう。
それほどの人出ではないので、のんびり歩けそうだ。川べりの紫陽花は白、ピンク、ブルー、紫と大輪の花が色とりどり。大分花開いているが、あいにくの晴れ続きでちょっと元気がない。柳の緑と橋の赤のコントラストが相変わらず映えるフォトスポットだ。
写真を撮りながら了仙寺へ。下田に入港したペリーが日米下田条約を定めた話し合いの場所となった所だ。
また、境内から参道にかけて数百株のアメリカジャスミン(においばんまつり)が植えこまれ、満開となる5月中旬から下旬には周囲が甘い香りに包まれる、ジャスミンで有名なお寺だ。花はあいにく既に盛りを過ぎていたが、マスク越しでも香りはかなり強い。本堂では葬儀の最中で、静かにしながら奥の横穴遺跡も見学。古墳時代にお墓として利用されていたという。
日差しの中、ちょっと歩き疲れたので、ナマコ壁で有名な大正時代の建築、旧澤村邸を見学方々、休憩室で一休みさせて頂く。ここからちょうどペリーロードの全景が見渡せて、とても良い場所なのである。
いつも駅前にあるお店でお土産に購入していた美味しいあんぱん、そのお店が半年ほど前からクローズになっており、今は本店のみの営業、とタクシーの運転手さんから聞いていた。
本店の場所が徒歩圏内だったので、足を延ばす。お取り寄せで全国一という人気だそうで、お店にもお客さんが何人もいて繁盛していた。
帰りのサフィール踊り子号に合わせてシャトルバスでピックアップしてもらう時間まで1時間ほど。朝沢山頂いたのでお昼は食べなくても、という母と、いやいや昼抜きはないでしょう、という夫の両方のリクエストを満たす喫茶店なり食堂なりを探して歩く。
夫はパスタのランチを大盛にして私は少しシェアし、母と私はケーキセットを注文して、めでたし、めでたし。ワサビが利いたクリームパスタはとても美味でアタリだった。
前回訪れて同郷のオーナーと話しが弾んだカフェが閉店しているなど、コロナ禍の影響はかなり出ている様子だった。
時間通りにホテルのシャトルバスにピックアップして頂き、駅へ。
飲み物等調達して一番前の車両に乗車する。車内のお供は町田その子さんの「うつくしが丘の不幸の家」(創元文芸文庫)。
帯には「それでもわたしたち、この家で暮らしてよかった。人生の喜びも悲しみもすべて包み込む、本屋大賞受賞作家が贈る傑作家族小説」とある。終わりの家、ままごとの家、さなぎの家、夢喰いの家、しあわせの家の5編―5つの家族の物語―からなる。
わたしが不幸かどうかを決めるのは、他人ではない。まさしくそうである。幸せを決めるのも自分自身なのだ、ということを改めて気づかされる。
瀧井朝世さんが解説を書いておられるが、「町田作品にはどの作品にも共通点がある。一つは、時に今この社会のどこかで誰かが実際に体験しているような厳しい現実が盛り込まれること、もうひとつは、そんな現実と向き合う姿を描いて、最後には必ず読者の背中を押してくれること。本作もまた、間違いなくそんな一作なのである。」本当にその通りである。
サフィール踊り子号は2時間15分ほど順調に走行して、定刻通りに乗換駅に到着。在来線でも無事に席も確保出来て、一昨日、母と合流した駅で3人揃って下車。お昼がほぼおやつだけだったので、少し早めの夕食を摂るために駅ビルのレストラン街へ向かう。
中華料理店でそれぞれ好きな麺をチョイスして、デザートもちょっぴり頂いて、今回の旅も無事終了。
母はJRに、私たちは私鉄にそれぞれ乗り継いで自宅へ戻った。
帰宅後は、荷ほどきをして洗濯も済ませた。母も乗り慣れたバスにうまく乗り継げて無事帰宅したようでほっとした。
一方、息子は大阪から上京して東京ドームで野球観戦の後、1泊する。無事贔屓のチームが勝利して、ご機嫌さんで帰宅するのだろう。
明日はASHAREさん主催のオンライン瞑想ヨーガの日である。