ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2024.2.7腫瘍内科診察後カドサイラ再開7クール目終了 もしや今回で打ち止め?

2024-02-07 23:11:53 | 治療日記
 
 昨夜はブログアップ後、そのままベッドに潜り込み、断捨離番組を視ながら殆ど寝落ち。今朝、部屋の目覚まし時計が鳴るまで一度も目覚めることなく、8時間半以上眠った。自覚している以上に疲れていたのか。
 夫に「おはよう」LINEを送る。今日は出張先直行で遅い出発だと聞いていたが、なかなか既読にならなかった。浴槽足湯をして足をマッサージ。着替えを済ませ、身支度を整え昨夜コンビニで調達したサンドイッチ、ヨーグルト、ジュースと紅茶の定番朝食をゆっくり摂る。お腹は快調すぎるほど。コデインをコンスタントに飲んでも便秘しなくなった。
 16階から眺める窓の外は明るく朝焼けの雲がたなびいている。予報通りお天気が良くなる気配だ。病院の全景が見えてしまうのがちょっと残念だけれど、気分転換になる風景だ。

 新聞を読み、朝ドラをBSと地デジで2回視る。チェックアウトを済ませ、荷物を預け病院を目指す。雪は殆ど残っていないが、今朝も冷え込んでいる。
 採血を昨日済ませたので、受付したら直ぐに診察。診察前に血圧測定だけ済ませれば良い。予約の10分前に病院に到着する。受付のIDカード機が長蛇の列。既にお手洗いは済ませているのに、また腹痛になってきて焦る。受付後は腫瘍内科へ直行。

 待合椅子は既にかなり埋まっている。定位置は確保出来ずに腫瘍内科受付に並ぶ。コロナ関連問診票を頂き、今回も咳、息切れに〇をした。急いでお手洗いへ向かう。やはりお腹が壊れている。再び待合椅子に戻り、態勢を整えてから血圧測定。113-70、脈拍が99。
 昨日の中山祐次郎さんの「泣くな研修医シリーズ」の読書を再開したが、それほど読む時間もなく「中待合にどうぞ」に番号が出たのは、予約時間を25分ほど過ぎた頃。1番乗りではなく、4番目だった。中廊下に移動して、10分足らずで「おはようございます」と呼び入れて頂けた。
 荷物をまとめご挨拶をして入室する。
 
 「今日は咳が聞こえてきませんでしたが?」と言われ、「はい、日に3度コデインを飲んでいますが、おかげさまでこの3週間は薬が効いたのか、咳スイッチが入らなければ、ほぼコントロール出来ていました。痛みにも効いてくれたのか、ロキソニンを重ねて飲むことは殆どありませんでした。ただ坂道等での息切れは相変わらずです。」とご報告。診察室での体温は6度7分。「お腹も便秘することなく快調で、今朝も緩かったです。」とお話する。

 「採血結果ですが、特に変わりはありませんね。マーカーは測っていませんし、肝機能等も普段通りです」とPCのデータをご覧になりながら仰る。
 「CTの結果ですが・・・うーん、悩ましい」と続く。PCに画像が出る。右上葉部の腫瘍が明らかに増大している。輪切りの画像をスクロールして頂きながら、左上葉部のものも増大傾向だが、右の真ん中あたりのものはあまり変わらない。ただ、縦郭リンパ節が大きくなっている。」と→が付いた部分を見せてくださる。

 なるほど、再発転移が判った時も縦郭リンパ節転移と言われたが、その後16年近く数えきれないほど造影CT検査を重ねてきて、「縦郭リンパ節増大」と読影レポートに記載されたのは初めてか。右肺の肺門リンパ節が大きくなっており、それに押されて気管支が狭くなっていて、咳が出ているのではないかという。

 先生曰く「縦郭リンパ節はこれまで沈黙していたんですが・・・」と。右上のものはかなり大きく見えるが無気肺の部分も影になっているらしい。他に胸骨等骨転移についてはあまり変わっていないとのこと。
 「前回8月の撮影からほぼ半年たっているので、今後1,2か月で短期的に大問題を起こすという気はしないが、とはいえ、カドサイラでこのままずっと引っ張っていくのは良くない。問題は変えるタイミングだが、せっかくなら3月末に予約しているという海外旅行に行って欲しい。ぎりぎりになればキャンセル料もかかるだろうし、コロナで久しぶりの旅行だし、海外旅行は今後は今以上にハードルが高くなるだろうから、と仰る。
 なんと有難いことか。

 「もちろん、どうしても無理というなら(夫は旅行より治療の方が大事だと言うと思うし)諦めますが、今回予約しているような遠くへ長い期間の旅行はもう最後のチャンスという気はしています。16年間治療をしながら生かして頂いたので、これ以上欲張るのは、とも思いますが、私は強欲ですね・・・」と呟く。
 「薬としてはドセタキセル(タキソテール)+ハーセプチン、パージェタでいいと思います。」と仰る。なるほど、それならば当初提示されていたウィークリータキソールでの毎週の通院は避けられ、今と同じ3週間に1度の通院で済む。

 けれど、16年前、初回投与で好中球がほぼゼロになり、発熱性好中球減少症による緊急入院の悪夢を思い出すと、後ずさりしたくなるのが本音だ。すると、「当時のG-CSF製剤(グランやノイトロジン)注射と違って今はジーラスタが出ているので、白血球が下がった状態で何度も通院する必要はない。ボディーポッドを使えば治療当日の夜入浴は出来ないが(自動投与されるので)、翌日通院する必要もない」とのこと。
 やはり医学の発展は素晴らしいものなのだ。何が辛かったといえば、ただでさえ具合が悪い中、3日連続で白血球が下がるのを防ぐ注射だけを打ちに通院したのがとんでもなく大儀だったことをリアルに思い出した。今やそんな時代ではないというのだ。

 と同時に、がん遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング検査)についての意向確認があった。この検査は、今では、標準治療がなくなってからという最終段階でお願いするものでもなくなっているらしい。
 確かに結果が判るまでに1か月半近く要するので、結果が判ってからでは(標準治療がなくなって治療が出来なければ)病状が悪化して、積極的治療どころではなくなり、検査を行う意味がなくなることが多くあったようだ。

 以前、診察室でパネル検査について該当するかどうか質問したことがあったが、検体(がん細胞の組織)で行う検査の方が精度は高いとはいえ、肺患部から生検するのはあまりに負担が大きくリスキーだ。それで出血が止まらない等ということにでもなったら目も当てられない。なので、採血で行える検査をお願いする。同時に、説明ペーパーをプリントアウトしてくださった。

 肺や骨、リンパ節等の転移の場合、肝転移等よりも結果が出にくいそうだし、実際治療につながるケースは1割にも満たないというから、もし使える薬が見つかったら儲けものくらいの感じではある。この検査を保険適応で行えるのは1人1回だから、今がその最適なタイミングかどうかは分からないけれど、もし今回正しい結果が得られなかったとしても、2回目があれば、その時は自費で行えばよいのだ。

 「では、このまま出来れば粘る方向で、でも2か月の間に何か起これば(旅行は)『ごめんなさい』ということでいきましょう。次回3週間後は学会で不在なので、代理の先生にお願いするということで・・・」と仰る。
 「いえ、このタイミングで代理の先生では・・・先生と決めたいです」と食い下がる。「では前日レントゲンと採血(マーカーチェック)をして、その後に診察も入れてしまいましょう。問題なければ翌日は予定通りカドサイラを、もし厳しければ3月1日か7日に新しい治療(タキソテール+ハーセプチン+パージェタ)を1回行ってから3週間後に旅行に行く方針で、帰ってきたら4月からは3週間毎に治療することにして。次回の採血にはがんパネル検査も入れておきます。」とのこと。
 水曜日は化学療法室が混雑しているので既に来月は満杯だが、木、金は割と空いているらしく、予約が入れられたようだ。初発から丸19年、2月という月は何か大きく動く月である。

 薬は前回と同じ処方をお願いする。「コデインはいい薬だなぁ」と先生が仰る。本当にそうだ。採血とCTの報告書もプリントアウトして頂いた。今日はあれこれ調整したので診察室に25分も滞在。それにしても、本当に主治医が私の我儘も含め、色々考えてくださっている。有難く、いくら感謝しても感謝し過ぎることはない。改めて最敬礼して診察室を後にした。

 化学療法室へ移動。受付番号は15番だった。門前薬局にLINEで処方箋の写真を送り、待合席に座る。20分ほどで席に案内される。久しぶりに窓側の奥の席だ。温室のようにポカポカと暖かく有難かった。お手洗いを済ませ、態勢を整え、夫やお友達に報告LINE。薬局からは早々と薬の準備が出来ました、とLINE連絡が入る。

 読書を再開しようとすると、薬剤師さんがインタビューに見えた。今回は咳も痛みもコントロール出来たこと、お腹の調子等を報告する。門前薬局に提出する情報提供書をプリントアウトして頂く。その後、10分もしないで初めましての看護師さんが針刺しに見えた。殆ど痛まず。肌が赤くなるので、とシールでベッタリ固定せずにガーゼと絆創膏で緩く止めて頂く。

 15分ほどして薬が届き、別の看護師さんがセットしてくださる。ポートの逆血をチェックし、生食を流した後、カドサイラ開始。15分経ってチェックの後、40分弱で無事終了した。最後の生食が5分ちょっとで1時間かからず順調に終了。最後の血圧測定と抜針は前回お世話になったSiさん。115-64、脈拍は74。殆ど衝撃もなかった。
 
 お礼を言って化学療法室を後にした。
 受付票を戻し、会計待合いに移動する。とんでもない混雑で、座るところを探すのが大変。朝、病院に入ってから3時間以上経過している。LINE連絡をしたりインタビューに対応したりで、点滴中は読書は殆ど出来ずじまい。10分待ったところで自動支払機にアクセスしたが、あと5分かかる、と出て席に戻ろうとしたら、もう空席はなかった。立ったまま待って、15万円弱をカード払い。

 外に出ると、曇天だった昨日に比べ日差しが暖かい感じ。薬局へ移動すると、ほどなくして担当のIさんから「○○様~」と声がかかった。CT検査の結果、治療変更になりそうなこと、旅行のタイミング等の報告をして4種類の薬に2,500円弱を電子マネーでお支払い。「色々なイベント(旅行や息子の結婚式やら)があるから頑張れますね」とエールを送って頂いて、薬局を後にした。
 
 今日の病院と薬局での滞在時間は、3時間半強。ホテルに戻って預けた荷物を受け取る。荷物を整理して、久しぶりに駅ビルのイタリアンレストランへ。待たずに入店出来た。
アーリオオーリオのパスタが少し油っこくて食べ切れなかった他はデザートまで完食。キリの良いところまで文庫の続きを読んだ。快速電車に乗り、席を確保して読書を続け、順調に乗り換え駅に到着した。
 最寄り駅を降りると、病院最寄り駅とは違ってまだ雪が残っていたが、ぶらぶら歩きながら帰宅した。
 帰宅すると、生協のお届け品が玄関の前にドーンとあり、えっちらおっちら取り入れて、収納する。もろもろ片付け、薬等を整理してようやくリビングで座ったと思ったら、出張先から直帰した夫が普段より30分以上早く帰宅した。

 今日は何もしません宣言をして、夫には生協から届いたお蕎麦を夕食にしてもらう。
 母にMeet通話。旅行での階段上り下りが効いて筋肉痛(筋肉等殆どないと思うのだが・・・)だったそう。マッサージに行って解してもらったら大分よくなったとのこと。その他、電気ガス水道等の郵便物のことをあれこれ言っていたが、何やら説明がとんちんかんでよく分からない。また体調が回復したら行くので、と通話を切った。
 昼食がもたれていて食欲がなく、夫に果物を剥いて貰って少しお腹に入れ、夕食にした。

 明日は夫が休務日。今日も早めに休み、たっぷり眠って治療翌日の身体を労りたい。
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