今日はうす曇だったけれど、とても暖かかった。
内科受付の後、ほどなくして診察室へ入った。先週も特にこわばり、痛みとも気になるほどではなかった旨ご報告。先週撮ったレントゲンの結果を見せて頂いた。昨年8月と比べると左肺の二箇所は細い線状の影が太くなっていること、右肺には何もなかった所に良く見ると影がある、ということだった。このまま1ヶ月ごとにフォローして行きましょう、ということで処置室へ移動。
まだ時間が早かったので窓際の点滴椅子はほとんど空いていた。今日はゾメタもあるので点滴は4本だったけれど、針刺も早く、薬が届いたのもわりと早めで順調に進んだ。
隣に私より一回り年上で(点滴薬到着時に名前と年齢の確認をするので漏れ聞こえた。)手術が済み、抗がん剤が半年前に済み、11月からハーセプチンを開始、今は5年間飲まなければいけない薬がとても辛い、と看護師さんに訴えている患者さんが(各々の点滴椅子毎にパーティションがあるので、顔は見えないが)いた。確かに私も5年前、ノルバデックスの副作用に驚き、先が見えず気持ちが暗かったことを思い出した。看護師さんに「漏れ聞こえたのですが・・・」と言ったところ、「ああ、(私が)聞いておられるだろうな、と思いました。」とのことだった。考えてみれば当時辛いと思っていた5年間の服薬だけで卒業できていれば、今の治療はなかったわけだし、転院もしていなかっただろうし・・・、ないものねだりだなあ、と複雑な気持ちになった。
今日は3冊読めた。1冊目は見尾三保子さんの「お母さんは勉強を教えないで」(新潮文庫)。さすがに息子もまもなく中3で、進度もそれなりに速いようなので、今はいちいち細かく勉強を教える状態ではないけれど、耳の痛い話が沢山だった。そう、確かに「勉強が面白い」と思える気持ちは「理解できたときの感動」だ。ただやり方を覚えるだけでは何にもならないのだから。そして改めて“子どもを信じて待つ”ことの大切さを思う。
2冊目は銀色夏生さんの「夕方らせん」(新潮文庫)。16の短編集からなる作者初めての物語集。いかにも作者らしい雰囲気で、なんともいえない不思議な世界に引き込まれた。
3冊目は赤川次郎さん等7人の連作集「七つの危険な真実」(新潮文庫)。「当代ミステリ作家の名手七人の文庫オリジナル・アンソロジー」と裏表紙にあるとおり、どれも甲乙つけがたかったが、乃南アサさんの「福の神」、宮部みゆきさんの「返事はいらない」、連城三紀彦さんの「過去からの声」が特に楽しめた。
さて、私の好きなものーMy Favorite Thing―。嗜好品でいえばお酒も飲まないし、煙草も吸わないので、唯一のものといえば、紅茶である。
珈琲はもともとあまり飲まない。それでも夏の間、氷をかきまぜる涼しげな音が好きで、ホットコーヒーは飲まないのにアイスコーヒーはよく飲んでいた。ただ、ブラックで格好良くとはいかず、ほとんど珈琲牛乳か?と笑われるほどミルクたっぷりのお子ちゃまテイストで。最近では体を冷やすのと乳製品を極力摂らないようにしているのとで、すっかり温かい飲み物ばかりになってしまった。
今では紅茶も本当にいろいろな種類があるけれど、昔はフレーバーティーといえばせいぜいアールグレイかアップルティくらいだった。
今、お気に入りなのはある紅茶専門店のもの。最近では駅ビルやデパートに沢山のショップを展開するようになってはいるけれど、ネットでいくらでも好きな形のオリジナルギフトにアレンジしてもらえる。季節限定のフレーバーのもの、ネーミングに気持ちをこめたもの等をちょっとしたお礼や、贈り物にもよく利用している。世界各国のお茶だけでなくお菓子や食器まで本当にヴァリエーション豊かである。
このお店に行き着く前には輸入物に凝ったこともあり、わざわざ都心まで(果てはイギリスやフランスまで)買出しに行くこともあったけれど、今ではすっかりネットショッピングの便利さの恩恵を被っている。
このお店もフランスのマリアージュ・フレールを模して一時は顧客名簿が流れているのでは、という噂も立つほど上手なビジネスをしていた。私もそれで捕まったうちの一人だ。かつて購入していたものと似た香りのものがあるのにびっくりした。
5年前の初発の病気休暇の後、職場復帰するにあたりお見舞いを頂いた方たちへの快気内祝いに使ったところ、とても評判が良かったので、すっかりこのお店びいきになってしまった。かなりマメにラッピング等が変わり、春夏秋冬に加えて母の日、父の日、クリスマス、お正月、受験、バレンタインデー、ホワイトデー等々、四季折々にうまい具合に限定フレーバーが登場する。メッセージカードや缶のラベルに日にちや名前、コメントを入れられたりするサービス等もかゆいところに手が届く感じで嬉しい。
今の時期といえば「桜」の香りがほんのりついた紅茶、緑茶、焙じ茶まである。義母は緑茶好きだし、両親も私が家にいた頃は私の紅茶好きにつきあってくれていたけれど、2人だけになったら、どちらかといえば紅茶より緑茶が良い様子なので、最近では緑茶を贈ることにしている。
子育て中は本当に日夜ドタバタして、自分のためにゆっくりお茶を淹れる、という行為から遠ざかっていたけれど、そういう時間は日々心穏やかに過ごしていくためにやはりとても大切なことだと思う。
マグカップでがーっと飲むのではなく、ちゃんとティーポットで、カップも暖めて・・・と出来たら、なお良い。
私の世代ではみんな公私ともども多忙だから、少しでもそんな大切な時間を過ごしてほしい、と思った人に、ささやかな気持ちをこめて贈っている。
内科受付の後、ほどなくして診察室へ入った。先週も特にこわばり、痛みとも気になるほどではなかった旨ご報告。先週撮ったレントゲンの結果を見せて頂いた。昨年8月と比べると左肺の二箇所は細い線状の影が太くなっていること、右肺には何もなかった所に良く見ると影がある、ということだった。このまま1ヶ月ごとにフォローして行きましょう、ということで処置室へ移動。
まだ時間が早かったので窓際の点滴椅子はほとんど空いていた。今日はゾメタもあるので点滴は4本だったけれど、針刺も早く、薬が届いたのもわりと早めで順調に進んだ。
隣に私より一回り年上で(点滴薬到着時に名前と年齢の確認をするので漏れ聞こえた。)手術が済み、抗がん剤が半年前に済み、11月からハーセプチンを開始、今は5年間飲まなければいけない薬がとても辛い、と看護師さんに訴えている患者さんが(各々の点滴椅子毎にパーティションがあるので、顔は見えないが)いた。確かに私も5年前、ノルバデックスの副作用に驚き、先が見えず気持ちが暗かったことを思い出した。看護師さんに「漏れ聞こえたのですが・・・」と言ったところ、「ああ、(私が)聞いておられるだろうな、と思いました。」とのことだった。考えてみれば当時辛いと思っていた5年間の服薬だけで卒業できていれば、今の治療はなかったわけだし、転院もしていなかっただろうし・・・、ないものねだりだなあ、と複雑な気持ちになった。
今日は3冊読めた。1冊目は見尾三保子さんの「お母さんは勉強を教えないで」(新潮文庫)。さすがに息子もまもなく中3で、進度もそれなりに速いようなので、今はいちいち細かく勉強を教える状態ではないけれど、耳の痛い話が沢山だった。そう、確かに「勉強が面白い」と思える気持ちは「理解できたときの感動」だ。ただやり方を覚えるだけでは何にもならないのだから。そして改めて“子どもを信じて待つ”ことの大切さを思う。
2冊目は銀色夏生さんの「夕方らせん」(新潮文庫)。16の短編集からなる作者初めての物語集。いかにも作者らしい雰囲気で、なんともいえない不思議な世界に引き込まれた。
3冊目は赤川次郎さん等7人の連作集「七つの危険な真実」(新潮文庫)。「当代ミステリ作家の名手七人の文庫オリジナル・アンソロジー」と裏表紙にあるとおり、どれも甲乙つけがたかったが、乃南アサさんの「福の神」、宮部みゆきさんの「返事はいらない」、連城三紀彦さんの「過去からの声」が特に楽しめた。
さて、私の好きなものーMy Favorite Thing―。嗜好品でいえばお酒も飲まないし、煙草も吸わないので、唯一のものといえば、紅茶である。
珈琲はもともとあまり飲まない。それでも夏の間、氷をかきまぜる涼しげな音が好きで、ホットコーヒーは飲まないのにアイスコーヒーはよく飲んでいた。ただ、ブラックで格好良くとはいかず、ほとんど珈琲牛乳か?と笑われるほどミルクたっぷりのお子ちゃまテイストで。最近では体を冷やすのと乳製品を極力摂らないようにしているのとで、すっかり温かい飲み物ばかりになってしまった。
今では紅茶も本当にいろいろな種類があるけれど、昔はフレーバーティーといえばせいぜいアールグレイかアップルティくらいだった。
今、お気に入りなのはある紅茶専門店のもの。最近では駅ビルやデパートに沢山のショップを展開するようになってはいるけれど、ネットでいくらでも好きな形のオリジナルギフトにアレンジしてもらえる。季節限定のフレーバーのもの、ネーミングに気持ちをこめたもの等をちょっとしたお礼や、贈り物にもよく利用している。世界各国のお茶だけでなくお菓子や食器まで本当にヴァリエーション豊かである。
このお店に行き着く前には輸入物に凝ったこともあり、わざわざ都心まで(果てはイギリスやフランスまで)買出しに行くこともあったけれど、今ではすっかりネットショッピングの便利さの恩恵を被っている。
このお店もフランスのマリアージュ・フレールを模して一時は顧客名簿が流れているのでは、という噂も立つほど上手なビジネスをしていた。私もそれで捕まったうちの一人だ。かつて購入していたものと似た香りのものがあるのにびっくりした。
5年前の初発の病気休暇の後、職場復帰するにあたりお見舞いを頂いた方たちへの快気内祝いに使ったところ、とても評判が良かったので、すっかりこのお店びいきになってしまった。かなりマメにラッピング等が変わり、春夏秋冬に加えて母の日、父の日、クリスマス、お正月、受験、バレンタインデー、ホワイトデー等々、四季折々にうまい具合に限定フレーバーが登場する。メッセージカードや缶のラベルに日にちや名前、コメントを入れられたりするサービス等もかゆいところに手が届く感じで嬉しい。
今の時期といえば「桜」の香りがほんのりついた紅茶、緑茶、焙じ茶まである。義母は緑茶好きだし、両親も私が家にいた頃は私の紅茶好きにつきあってくれていたけれど、2人だけになったら、どちらかといえば紅茶より緑茶が良い様子なので、最近では緑茶を贈ることにしている。
子育て中は本当に日夜ドタバタして、自分のためにゆっくりお茶を淹れる、という行為から遠ざかっていたけれど、そういう時間は日々心穏やかに過ごしていくためにやはりとても大切なことだと思う。
マグカップでがーっと飲むのではなく、ちゃんとティーポットで、カップも暖めて・・・と出来たら、なお良い。
私の世代ではみんな公私ともども多忙だから、少しでもそんな大切な時間を過ごしてほしい、と思った人に、ささやかな気持ちをこめて贈っている。