昨夜は約1年ぶりの病院最寄り駅前のホテルに宿泊した。「ツインのお部屋にアップグレードさせて頂きました」と13階の角部屋を案内された。残念なことにテーブルが小さく、食事を摂るのには不便だった。せっかくのご厚意だったけれど、4月まであと3回同じホテルを予約しているので、次回はシングルのままでいいかな。既にシャワーは済ませていたけれど、バスタブが大きく、リニューアルされて間もないのでとても綺麗。せっかくなので、またゆっくりお風呂に入ってしまった。疲れていたのか、珍しく日付が変わる大分前にコテンと眠った。
もう随分眠ったかなと思ったら4時間ほどしか経っていなかった。その後また寝直して、目覚ましが鳴るまで途中また1度目覚めた。
窓を開けると、空がオレンジ色。ちょうど日の出が見える。綺麗。思わず写真を撮って夫に送る。
浴槽足湯を済ませ、部屋でひとくちサンドイッチと春のミックスジュース、アロエの青いヨーグルトと紅茶の朝食。
去年まで洋食セットメニューを提供していた1階のレストランは、朝はクローズ。和食レストランの朝食は前日17時までに予約しないと頂けないことになっている。まあ、部屋で頂くのは身支度の途中でも良いし、時間もかからないし気楽なものだ。BSで朝の連続テレビ小説を視、母とDuo通話をしてから早めにチェックアウトして病院に向かった。風が強い。かつらが心配でなんとなく手を頭に持って行ってしまう。
病院に到着。いつもながら混雑している。IDカードを通す機械は数人が並んでいたけれど、付き添いの方もいたようで、それほど待たずに済んだ。採血受付へ移動すると、椅子が既に一杯だ。電子掲示板を見ると、珍しく30人以上が待っていて20分待ちと出ている。何とか座る所を見つけ、ダウンコートやストールをエコバッグに入れ、態勢を整えて読書開始。
今日のお供は夏川草介さんの「新章 神様のカルテ」(小学館文庫)。シリーズ第5冊目だ。主人公は「二十四時間、三百六十五日対応」の病院から最先端医療を行う大学病院に移って2年が経っている。そして2歳のお嬢ちゃんのお父さんになっている。今回は29歳の女性膵癌患者の治療が軸に描かれていく。7歳の娘のお母さんでもある彼女の選択に胸を締め付けられながら読み進む。600頁弱だったけれど、とにかく文章のテンポが良く、読みやすいのでどんどん頁が進んだ。
ほぼ時間通りに採血室に入る。担当は初めましての女性看護師Yさん。今日もフルチェックなので5本。押された感じがしただけで痛みは全くなし。お礼を言って席を立った。刺すときが痛まないと、抜く時も不思議と痛まない。幸先良いスタートだ。
止血をしながら向かいの腫瘍内科へ移動。ここで病院到着から35分ほど経過。いつもの定位置は満席なので、受付正面の席に荷物を置いて受付へ。今月初回なので保険証のチェックをして頂き、問診票の追加を頂く。その場で全て「ない」に〇をして、息切れの前に“ほとんど”を、頭痛の前に“たまに“を追加した。
採血から1時間経過したところで血圧測定へ。107-63、脈拍が93。
測定が終わって20分ほどして「中待合いへどうぞ」に番号が出る。それから15分ほどして先生が診察室からお顔を出して、「○○さん、どうぞ。」と仰った。
「おはようございます。」とご挨拶をしていつものように大荷物をカゴに、自分の体調管理ノートやエンハーツダイアリー等を出して席に着いた。
「さて、この3週間は(いかが過ごしでしたか)。」と訊かれ「今回は復活まで10日ほどかかりました。ずっとふらふらして疲労感が取れない感じでした。最初の1週間は相変わらずしんどかったです。吐き気と眩暈、火照り、食欲不振、怠さ、耳鳴りもあり、ずっと眠くてトロトロしていました。今回は便秘も下痢もなくそれは楽でしたが、1週間過ぎた頃から胃の痛みがあり、痛みで朝、目が覚めることもありました。胃の痛みも副作用でしょうか。タケプロンはきちんと飲んでいるので、それに加え、胃痛が酷かった夫の勧めで青いヨーグルトも食べ始めました。免疫力アップの赤いヨーグルトはもう10年以上続けていますが。同じ頃から頭痛も何日かあり、ロキソニンを飲みました。」とご報告する。
先生から「胃の痛みはある種の抗がん剤の副作用ということもあり、胃カメラを撮ると潰瘍があったりすることもありますが・・・。青いヨーグルト、いいですか。患者さんに教えてあげようっと。」と仰る。「採血は特に問題ないですね。ただ、いつも低めのアルブミンが更に低いので(復調に時間がかかったという)影響が出ているのでしょう。」とのこと。PCを見ると白血球は4,500、好中球はなんと2,200もある。
「マーカーもちょっと上がっていますが、正常範囲なので、気にしなくていいと思います。これからも上がったり下がったりはあるでしょう。」とのこと。確かにタキソテールの時も、どんなに下がっても下がり続けてゼロになることはない、と仰っていたのを思い出した。検査結果をプリントアウトして頂いたところ、いつもLマークの血糖値にHマークがついてびっくり。おやつの食べ過ぎだろうか。
「ということで、今日も予定通り治療続けましょう、ですね。次回は3週間後、3月は2回あるので、次回レントゲンを撮り、月末はフルの採血をしましょう。」と先生。診察室での検温は6度7分。
早手回しにGW明けの5月の化学療法室の予約まで入れてくださる。薬の処方は「1週間は食前にナウゼリンを飲まないととても食事が出来ないので(今まで手持ちを飲んできましたが、尽きたので)処方をお願いします。」とお願いし、ご挨拶して診察室を後にした。
化学療法室の待合いには、お一人だけ。LINE受付で待合い者1人とある。夫やお友達にいつものようにLINE報告をしていると、ほどなくしてKrさんが「お薬飲みましょう。」とイメンド125mgを持ってきてくださる。
イメンドを飲んでから約1時間後、エンハーツがスタートだ。そこでKrさんから「IDカード(診察券)持っていますか?」と訊かれる。
「?」受付表等や血圧測定のスリップと一緒にクリアファイルに入っている筈なのだけれど、ないと仰る。どこかですり抜けてしまったのか。全く気付かなかった。「腫瘍内科の受付の時に間違いなくIDカードと保険証を出して、保険証は返して頂き、クラークさんがファイルに入れてくださった筈ですが、確認しませんでした。その後は正面の席に座り、中待合いに移動し、診察室に入って、こちらに来た以外は全く他の場所に行っていないので、どこかで落としたとしたらその動線だけです。」と言うと、「わかりました、探してみますね。」と仰る。うーん、何か抜けているなあ・・・。
久しぶりに窓側の奥の方のリクライニングシートを案内される。ここまでで病院に入ってから2時間半弱。
荷物の中にIDカードが紛れ込んでいないか探すが見つからない。とりあえず環境整備をして、お手洗いを済ませる。席に戻って15分ほどでヘルプのOさんが針刺しにみえた。圧がかかったな、と思ったらもう刺されていた。「え、もう終わったのですか、全く痛くありませんでした。ありがとうございます。」とお礼を言う。今日は針刺しラッキーデー。
薬が届く前に薬剤師さんが問診に見える。初めましての女性だ。とてもフレッシュな感じで一生懸命なので新人さんだろうか。状況を詳しくお伝えする。そこでMさんが薬を持ってこられて、点滴開始。吐き気止めデキサートとアロキシのミックスから15分。続いてブドウ糖15分にチェンジ。Mさんにも胃の痛みや副作用の状況等の色々お話しする。薬剤師さんも引き続き同席されている。
イメンドを飲むと、いつもエンハーツの間にうんと眠くなるのだけれど、今日は本が面白くて眠くなっている暇がなかった。現金なことだ。
最後はブドウ糖15分、生食である。Cさんが終了時の血圧測定にみえる。93-70、脈拍は81。抜針もCさん。残念ながら衝撃があった。
管が外れて身軽になってお手洗いへ。KwさんやCさんが探してくださったとのことだけれど、残念ながらIDカードは見つからなかったそうだ。椅子の隙間に入ってしまったりするとなかなか見つからないだろうか。今日は私の後に診察室で落とした患者さんがいて、先生が拾われたということもあったそうだ(クリアファイルのポケットから滑り落ちやすい構造である。)。とりあえず今日のお支払いは自動支払機でなく窓口でお願いすることに。
ご挨拶をして腫瘍内科受付へ移動し、ファイルを提出してから処方箋のデータをFAXで薬局に送るテーブルまで移動。10分ちょっと待って支払窓口へ。IDカードはまだ総合案内に届いていないとのこと。「次回来院したらこちらに来てくださいね、届いているかもしれないので」とのこと。まあ、他人のIDカードをもらったところで何のいいこともないだろうけれど、出て来なかったら再発行手続きである。嗚呼。お支払いはカードで11万強。
外に出ると、相変わらず凄い風だ。かつらが外れそうで思わず頭を触ってしまう。日差しはあるが、この強風で体感温度が持っていかれる。薬局へ到着すると「ファックス届いていました。」と、番号札を頂く。椅子がそこそこ埋まっている。「ああ、喉が渇いた」とマグボトルを出そうとすると、ない。手提げの中にもバッグにも、ない。忘れているとしたら化学療法室のリクライニングシートに付いているテーブルの上だ。
「忘れ物をしたので病院に戻ってからすぐ帰ってきます。」と薬局を出た。IDカード紛失のことばかりに気を取られて本当に間抜けだ。腫瘍内科の受付で忘れ物をしたので、と中に入らせて頂く。化学療法室に入ると、「あ~良かった!」とナースステーションにいたOkさんやKrさんが私に気づき、すぐに付箋のついたマグボトルを返して頂けた。「電話をしてしまいましたが、この件ですからご心配なく。」とKrさん。確かに着信履歴があった。申し訳なかった。
薬局に戻ると、それほど待たずに私の番号が呼ばれた。いつもの薬剤師Iさんから薬を頂き、9,000円弱をカード支払い。今日の病院と薬局の滞在時間は合計で5時間半。IDカード行方不明とマグボトルを忘れて薬局と病院を余計に往復したというトラブルはあったが、概ね順調だった。
さすがに疲れて乗換駅まで空腹のまま移動する元気がなく、とても久しぶりに駅ビル最上階のイタリアンレストランへ。普段の3倍の豪華ランチを頂いた。まだ全然気持ち悪くないので、前菜からドルチェまで完食。本の残りも読んで優雅な時間を過ごした。
帰りも快速に乗れ、席も確保して本を読み切った。
まだ元気だったので、最寄り駅からはタクシーに頼らず明るいうちに歩いて帰宅出来た。途中アウトレットモールを通り抜けたら、可愛い刺繍の入ったシャツを見つけて夫に買い求めた。
生協のお届け品を取り込む。スーパーに行かないで済むように注文品が多くなっている(すぐ食べられるものや冷凍品等)ので、納めるのが結構大変だ。薬やら何やらの片付けを完了し、リビングに横になった。昼に眠くならなかったのになんだかとても眠い。
ランチも遅かったし、夕方からはだんだんお腹がもたもた、気持ち悪くなってきた。全く食欲が湧かない。夫には生協宅配のミニカツ丼と穴子飯等を摂ってもらう。私はこうしてブログを書いている。
明日は出勤、定例の午後からのWeb会議が2つ。明後日は在宅勤務だ。