ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2021.2.15-16 雨降りの週初めと治療前日のこと

2021-02-16 22:30:05 | 日記
 月曜日。早くも如月が折り返しを過ぎた。この調子で2月は“逃げて“いくのだろう。
 朝から本降りの雨だ。昼過ぎには風も強く一番酷い降りになるから、レインコートや長靴が必要だと天気予報が告げている。ちょっとブルーな1週間の始まりになった。

 雨の中出勤すると、やはり室内は冷え冷えとしている。在宅勤務の職員もそこそこいるので、人口密度も低く、人熱によって暖かくもならない感じだ。相変わらずドアは全開、大きな換気扇が回り、窓を開けてブラインドを降ろしていて、暗い。顔を上げても外が見えない。それでも静かなので仕事は捗る。

 昼当番の間も窓口に来る学生は殆どいなかったし、電話が頻繁に鳴ることもなかった。外は土砂降り。横殴りの雨である。既に生協食堂はクローズだし、止む無く外に出た。大きな傘を差してもびしょ濡れ。温かいスープが飲みたいと、中華食堂で野菜タップリの湯麵を頂いた。帰路は雨が止んでおり、ほっとした。
 夕方近くにはすっかり天気が好転し、虹が架かったという。残念ながらブラインドを降ろした事務室内からは外が欠片すら見えない。

 定時に仕事を終えて、丁度良い時間に始まる観たい映画があったので、映画館へ向かった。西川美和脚本・監督、役所広司主演の「すばらしき世界」だ。
 “この世界は生きづらく、あたたかい”というキャッチコピー。2時間ちょっとの間、ひと時も目が離せなかった。人生の大半を刑務所で過ごした殺人犯・主人公三上の一挙手一投足、ジェットコースターのようにコロコロと変わるその喜怒哀楽の豊かさに目を見張り、極道の妻役・キムラ緑子さんやケースワーカー役・北村有起哉さんの台詞に心をわしづかみにされ・・・ラストシーンにはまさか、そんな・・・と息を呑んだ。

 その余韻にちょっと茫然としながら、雨上がりでしっとりとした道を歩き、空を見上げて銀色に輝く三日月の美しさを愛でながら帰途に就いた。

 火曜日。在宅勤務。昨日と打って変わって、朝から陽射し溢れる良いお天気だ。夫を送り出して洗濯物をベランダ一杯に干し上げる。
 こうして元気に過ごせるのも哀しいかな、今日が最後。
 仕事を終えた後にはヨガスタジオに向かい、骨盤コンディショニングのクラスに参加した。フロントのGさんから、骨盤系のクラスは結構キツイと言われていたけれど、一番体調の良い日に参加出来ないとなると今後参加することはないだろうし、とりあえずお試しで、と。

 なるほど寝ポ-ズではあったが、ひたすらお尻の筋トレ。ビフォ-アフターで股関節のチェックをした。終始結構きつい動きではあったけれど、45分のレッスンだったので、助かった。たっぷり汗をかいてリフレッシュ出来た。明日からは少なくとも10日間はヨガスタジオに通える体調ではなくなる。シャワーを浴びてさっぱりした後は、駅前で夫と合流してヨガウエアとお泊りセットを交換し、病院最寄り駅まで向かった。

 3週間前も同様だったけれど、緊急事態宣言中、この時間では既にどこの飲食店もクローズで食事を摂ることが出来ない。夕食はコンビニで調達したものをチェックインした部屋で頂くしかないが、次回3週間後は緊急事態宣言が解除されているだろうか。
 とにもかくにも明日は11クール目のエンハーツ治療である。頑張ろう。
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2021.2.14 今年2回目のオンライン瞑想ヨーガクラス無事終了、メンテもヨガも欲張りました

2021-02-14 21:45:11 | ASHARE (アシェア)
 バレンタインデーの今日はASHAREさん主催「乳がん患者さんのためのオンライン瞑想ヨーガクラス」の第9回目。2021年2回目の実施である。
 
 いつもよりちょっとだけ寝坊。今日は気温が上がり、とても暖かくなるという予報だ。ゆるゆる起きて朝食を摂る。夫からは「10倍返しが嫌だからバレンタインデーは辞退するよ」と言われていた(別に10倍返しを所望しているわけではない!)のだけれど、まあどう考えてみても日頃一番お世話になっているので、彼の好きそうなショコラキャラメルケーキを選んでテーブルにあげておいたら、何を勘違いしたのか「これ邪魔なんだけど・・・」と。失礼しちゃう、である。
 息子にはわざわざ送るほどのこともないので、来月帰省した時に渡せるように、日持ちのするチョコレートをチョイスしてLINEで画像だけ送っておいた。

 起きてすぐ廻した洗濯が終わり、ベランダ一杯に干し上げる。風があるので良く乾きそうだ。リビングをクラス仕様に整え、着替えを済ませ、さあ、今日もクラス実施の準備完了である。
 今月は、<どなたでもOK>クラスの3回目。初めての方が沢山おられるということで、簡単にゆったり身体を解せる動きを取り入れたクラスを準備した。

 それにしても昨夜の地震には驚いた。入浴して休もうとしていた矢先のこと、長く大きな揺れが続き、夫が傍にいても怖かった。独居の母の安否が心配で電話をしたが、寝室にはスマホは持って行かなかったらしく通じなかった。無理に起こして転ばれでもしたら大変なので、今朝安否確認をすることにした。既にベッドに入ったところで、怖かったけれど、大丈夫だったとのこと。安堵した。
 ニュースで被害がだんだんわかってくるにつれて、本当に大きな地震だったのだと思う。これも東日本大震災の余震だとは・・・。

 さて、参加予定の方たちがPC画面上に揃い、初めての方に事務局のTさんたちが声掛けなどをされる。Tさんのご実家は今回の地震の震源地方面なので心配していたが、無事だったようだ。これまた安堵した。
 そしてまもなく定刻、さあ、始めましょうかというところで突然Zoomが切れて落ちるというトラブルがあったけれど、再度皆さんが入り直して、無事復旧。代表のHさんからの挨拶の後、すぐにバトンを渡されて、定刻から10分遅れのクラススタート。今日も、リアルクラスの半分、45分目途のショートクラスである。

 今日は初めてさんが殆どだったので、簡単に自己紹介。そしてヨーガの智慧でお伝えしたいことをお話してから、ॐ(オーム)を唱えクラスを始める。
 まずはウォーミングアップで身体を温める。足指を解すところからスタート。5本の指をそれぞれ目覚めさせ、足の指と手の指を握手して、普段靴の中で5本一緒になっている足指をしっかり解す。胸を開き、肩甲骨を寄せることを意識しながらゆっくりと大きな呼吸を繰り返す。膝立ちになって閂のポーズでわき腹をしっかり伸ばす。仰向けになってコアラのポーズを取り、自粛中凝り固まったお尻をゆっくり解し、手足を伸ばしてブラブラした後は、かかとでお尻をトントンとマッサージ。呼吸を整えてゆっくりもとの楽な座位に戻る。既に予定時間よりやや時間オーバー。

 次に、今日は帰命敬禮の動きを。サンスクリット語でマントラを唱えながら動く、ということが初体験という方が多いので、本当はもっと色々説明もしたかったのだけれど、時間が押しているので、言葉と動きを1回説明し、先ずは動きだけ、次にマントラをつけてとにかく3回繰り返して頂いてさらりと終了。

 続いて朝ヨガの3つの動きを紹介した後は、腹式呼吸から完全呼吸法をガイドし、そのまま瞑想タイムへ。座っていたい方はそのままで、寝っ転がりたい方は寝っ転がって頂く。時間が限られているのでどうしても瞑想ヨーガの醍醐味であるこの時間が短くなってしまうのが残念。
 ガーヤトリーマントラを唄い、リンを鳴らしてゆっくりと覚醒して頂き、お馴染みのハレルヤ・キールタンを歌って終了。

 10分遅れのスタートで、11分遅れで終了したが、自分でも何となく慌ただしいなという感じだった。
 クラス終了後は、代表Hさんの挨拶の後、参加者お一人お一人に一言ずつ感想を頂いた。今回初参加の方たちは、緊急事態宣言中の4月や5月に手術をされた方、7月末に手術をされた方、最後の化学療法からまもなく1年という方など、まだ乳がん1年生という方が多かった。コロナ禍の中での入院・手術、その後の治療、さぞや不安で大変なことだったろう。

 退院後初めて身体を動かす機会だったが気持ち良かった、リズムに合わせて歌うことが出来て良かった。来月も参加したい、瞑想やヨガはやったことがあったけれど、歌いながら動くというのは初めてだったが自分に合っていた、サンスクリット語に戸惑ったが、ハレルヤは参加出来て貴重な体験だった、ヨガの経験はあったけれど、先月化学療法が終わり、久しぶりに身体を動かせて気持ち良かった、まだ術後の左側がひきつれる感じだけれど、伸ばせて気持ち良かった、等と嬉しいコメントを頂いた。

 予定時間を10分押して無事終了。骨転移で入院されていたIさんからは貴重な体験に基づくアドバイスも頂けて、有難いことだった。先月は入院中と伺い、容態を心配していたがお元気そうで何よりだった。

 その後代表のUさん、Hさんと3人で来年度のオンライン瞑想ヨーガクラスについてのミーティングを1時間ほど。無事9月までの方針や日程も調整することが出来て、ほっとした。
  
 その後は簡単にランチを摂り、母とDuoでビデオ通話もして(今日もちゃんと取ることが出来た、本当に良かった!このアプリを教えてくださった夫の友人のKさん、本当にありがとうございます。感謝しております。)、駅前のスーパーで母から頼まれたキッチンのカーペットを購入、配送手続きを済ませてから月に一度のお楽しみマッサージを予約していたWさんサロンへ友チョコを持って向かった。

 ひとしきり、母のスマホデビュー騒動についてお話ししたり、ヨガスタジオを変わったことをご報告し、後はお任せ。今日もいつの間にかぐっすり眠って、ハンドマッサージをオプションで追加したのに全く記憶がなかった。なんてもったいない・・・。今日はサロンで母とのDuo通話をトライしてWさんにも「水曜日お待ちしています~」とご登場して頂き、母を驚かせた。6月までの予約を入れてWさんのハンドメイドクッキーを頂戴してサロンを後にした。

 再び最寄り駅に戻り、アロマビューティヨガのクラスに参加した。初めてのA先生。これまでのスタジオでは、たとえ指示の言葉が聞き取れなくても、マニュアル通りの動きだからほぼわかっていて全く問題なかったし、スタジオが今より随分狭いために聞こえないことはなかったのだが、今は毎回違うクラス運びで大抵初めての参加なので、一言も聞き漏らすまいと集中するのだけれど、どうしてもマスク越し、更にインストラクターとはビニールの衝立越しなので、なかなか語尾も含めて言葉が聞き取れない。
 それが結構ストレスなのだが、今日のA先生は声のトーンがとても分かり易く、まんまと乗せられて結構きついポーズもクリアしてしまった。今日のアロマはユーカリ。花粉症にも効果があり、スッキリする。やはりヨガとアロマは相性がいいなあとしみじみ。そして今日は(も!?)夕飯は夫にお任せ。

 明日からまた新しい一週間。瞑想ヨーガのクラスを開催したということは、一番体調の良い日曜日であるということ、つまり今度の水曜日が治療日ということだ。早くも11クール目、きつい副作用が出るのは織り込み済みだけれど、せめてメンタルだけはめげず、出来るだけ穏やかにいたい。そして少しでも奏功したまま、長く続けられますように。


(追記)ASHAREさんの活動レポートに取り上げて頂きました。
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2021.2.13 出張スマホ特訓隊やむなく発動!の一日

2021-02-13 22:55:44 | 日記
 昨夜、母にスマホをかけてみた。ところが、全然取ってくれない。虚しくコール音が延々と鳴り響くだけ。固定電話にかけてあれこれ説明しても、どうにもうまくいかない。音が鳴らないと言ってみたり、わからないから考えてみると言ってみたり(考えてどうにかなるものではない。)、傍にいて教えてもらわないと出来ないと言ってみたり・・・。
 あれほど傍にいて昨日教えたではないか・・・と思うが、あまりの他人事の受け答えとやる気のなさにこちらはどんどんヒートアップしてくる。

 一昨日は、スマホ購入後にカフェで使い方の練習を行った。大きな音を鳴らしたり会話をしたりは憚られたので、デフォルトの着信音がどんなものなのかも確認出来ず、夫が最大音量にセッティングしてくれたというが、そもそも着信音が音楽だったようで、電話が鳴っているということがわからなかったという。

 これでは、とりあえずかかってきた電話を受けることが出来た今までのキッズ携帯よりも始末が悪い。ビデオ電話通話なんぞ夢のまた夢だろうか。夫と息子は2人でビデオ通話をしながら「やっぱりおばあちゃんにはスマホは無理ではないかね~」等と言い合っている。それでは何のために買い替えをしたのだ・・・。
 来週治療に行けばまた10日間自由に動けない。明日の日曜日はぎっちり予定が入っているので、止む無く今日、夫と2人で出張特訓隊として実家に向かうことになった。

 今朝は週のうちで唯一寝坊が出来る土曜日である。ベッドの中で連続テレビ小説を視てから、だらだらと少し遅めに起床。キッチンでは夫がオニオングラタンスープを作ってくれているいい匂いがする。これが来週になると吐き気とともに一切受け付けなくなるのだから本当に悲しい。
 遅めの朝食をしっかり摂って、母に再度電話をしてみるが、やはりうまくいかない。イエ電にかけながら携帯の説明をして、その後に携帯にかけるとはなんということだろう。挙句の果ては一旦切ったら、もう何度電話をしても出なくなった。ストライキ状態か。はあ。

 埒が明かない作業は諦めて、気分転換のため、昼からヨガスタジオへ。やさしいデトックスヨガのクラスに参加した。
 昨夜初めてボディメイクヨガに出席したのだが、今日のクラスも同じH先生。コアなファンが大勢ついているようで、今までで一番混雑していた。なるほど小柄で細身、華奢なのだが、筋肉が凄い。かなりきつい筋トレ豊富で、途中でリタイアしたくなるほど汗だくになった。終わってほどなくしたら筋肉痛状態。
 今日も昨日と同じ方たちが沢山いらしていた。やはり固定ファンのようだ。昨日と同じ動きもいくつかあったが、マッサージ等もあり、なるほど昨日よりは若干マイルドだった。それでもたっぷり汗をかいてすっかりリフレッシュした。
 その後、夫と合流して軽食を摂って態勢を整え、実家に向かった。乗り継ぎが良く、予定より小一時間早く到着した。

 母はすっかり委縮してしまい、なんだか苛めているみたいだなあ、状態。ノイローゼになりそうだ、などと宣う。気長に対応してくれる夫もかなりうーん、という感じ。到着してお茶も飲まずに1時間半の大特訓。とにかく画面に私の名前が出ているマークをポチっとタップして電話をかける、かかってきた電話の緑の受話器マークをタップして電話を取る、が出来て初めて今までのキッズ携帯と同じスタートに立てるわけなのに、何度言ってもタップが出来ずに長押ししてしまうので始末が悪い。そして、いつの間にか押す必要のない音量ボタンを押してしまって音が小さくなっている。

 これではLINEのビデオ電話等夢のまた夢か、と諦めかけたが、ビデオ通話に特化したDuoアプリを入れて試してみた。これは私とだけのホットラインにしてホーム画面に追加。これも、私がかけた時に画面を上にスワイプすることが何度やっても出来ない。長押しして見たり、そのまま画面を見て固まってみたり。一度出来ても、次は一人でやってみましょうと言うと、また出来なくなる。なんでだろう。万策尽きて疲労感だけを残して帰宅するのではあんまりだ。

 自分からワンタッチボタンを押して私に電話するのは何とか出来るようになったので、とにかくしつこく繰り返し繰り返しトライ。母は半べそ状態だけれど、これで帰ったら元も子もないので、我ながら鬼軍曹だなと思いながら叱咤激励の特訓を続ける。
 こちらもだんだん疲れてくる。それでも時間をかけて、何とかDuoの発信と受信が出来るようになったところで、一旦休憩。

 そのタイミングで、LINEで従姉と繋がってしまう。母は、当然文章は打ち込めないので私が代わりに従姉とやりとり。ついでLINEの音声送信やらビデオ通信で暫しやりとりが続き、母は期せずして従姉の声が聞けて嬉しかったようだ。従姉は、今度チャンスがあれば私も特訓してみますね、と言ってくれた。やはり身内ではなかなか冷静に物を教えるということは難しいのだな、と改めて思った。

 そうこうしているうちに、鰻屋さんを予約した時間近くになり、3人揃って夕食を摂りに出かけた。20時閉店かと思って19時の予約にしたのだけれど、20時ラストオーダーで21時閉店だった。それでもそれなりに混んでいた。すっかり疲れたのでこれは精をつけなくては、と贅沢に鰻重の一番良いセットメニューを注文したが、とても全部食べきれなかった。
 お腹ごなしに、キッチンの汚れたカーペットの替えを買いに駅前のショッピングセンターまで歩いたのだが、あいにく扱いがないとのことで、ただの夜のお散歩になってしまった。

 実家に戻った後はタクシーを呼んで先ほど帰宅した。今日練習した中では一番ハードルが高いDuoのビデオ電話をかけてみたら、時間はかかったけれど、ちゃんと取れた。よしよし、合格!である。半べそをかきながら、良く頑張りました。

 思えば、母は何か新しいことをやろうとすると、父に「お前には無理だから、やらなくてよい」の一言で片づけられてきた人だ。私なら反発するけれど、それで黙っているのが母なのだ。どれだけ父のその一言でやる気の芽を潰されてきたことか。スマホデビューも、もっと早くトライすればよかったのだけれど、父の死後も黄斑前膜の手術や腎がんの手術で一年おきに入院、ということもあって私もなかなか踏み切れずに来た。

 このコロナ禍でお家時間が長くなる中、まだ施設にはいかない、一人で頑張るという。だから、少しでも快適に過ごせるように実家改革を進めたいと思い、年が明けてからエアコンを買い替えたり、カーテンを付け替えたり、大きなテレビを買い替えたりした。スマホの買い替えもその一環である。

 そんなわけで、一昨日から今日まで、母のスマホデビューに振り回されたわけだが、これはある程度織り込み済みのこと。とりあえずLINEビデオ通話は難しかったので、これは次回以降また色々慣れてから、ということにして本日の第一目標、クリア。
 今日はひとまずゆっくり眠れるわけである。

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2021.2.11 87歳、スマホデビューまでの長~い一日

2021-02-11 21:52:59 | 日記

 建国記念の日の祝日。カレンダーで週の半ばに赤い字が付くのは本当に嬉しい。
 何となく頭痛が続いている。ベッドの中で連続テレビ小説を視てからだらだらと起きて、遅い朝食を摂る。いいお天気で気温も上がりそうだ。すっかり春めいてきた。

 今日は母と待ち合わせて久しぶりに父の墓参をした後、携帯ショップに母の機種変更の予約をしていた。母が予定通りのバスで最寄り駅前に到着した。
 駅前のスーパーで夫が選んだカラーやスターチス、スプレーカーネーション等が入った洋花を仏花に買い求め、贔屓のタクシーで公園墓地まで移動する。緊急事態宣言発令中は墓地のシャトルバス送迎サービスもないので、時間に縛られないのが良い。

 3人で手分けをして水をかけ、お線香を備え、花を飾る。母が「南無阿弥陀仏・・・」と拝んで無事終了。帰りもタクシーを呼んで駅前まで戻ってきたら、往復でものの40分とかからなかった。
 ちょっと早めのお昼は、駅前のビル内のフードコートで。それぞれが好きなものを頂く。家族連れやカップルで混んでいたけれど、“ソーシャルディスタンス”とバツ印がかかれたテーブルセットがそこかしこにあるので、それなりに距離は保たれている。が、いかんせん子供たちの声が喧しい。子どもたちもこのご時世、なかなかお出かけも出来ずに力が有り余っていて、親たちもとても家にはいられないのだろうな、と余計なお世話なことを考える。

 ここではとても落ち着けないね、ということでカフェへ移動して時間調整の一服。予約した時間の5分前に携帯ショップへ到着した。
 事前に伝えていたことについて、担当の若い男性があれこれ相談に乗ってくれる。キッズ携帯をいわゆるらくらくスマホにするか、普通のスマホでらくらくスマホに似た仕様のものを選ぶのか、現物を見ながら決める。

 母に、ちょっと触ってみましょう、などとご親切に説明をしてくれるけれど、難しいことは無理なので、とにかく電話がかけられてLINEのビデオ通話が出来れば十分なので・・・、と伝える。
 結局、本人に触らせてみたところ、らくらくスマホはちょっと使いにくそうという感じで、私たちもわかりにくいという話だったので、普通のスマホにした(こちらの方が値段が半額ほどだったのも大きい。)。色も本人の好きな淡いラベンダー色があって良かった(私が欲しいような色だった。)

 そして、我が家の契約プランの見直しも同時に行うことが出来て、これ迄より月々の支払が大分軽減されることが分かった。
 ようやく契約をする対面テーブルに移動。既にショップ到着からたっぷり1時間以上が経っている。来月息子が帰省する折、私たち3人も機種変更を考えているので、それも視野に入れた相談になり、結構根気のいる作業で段々気が遠くなってくる。

 毎度のことだけれど、携帯ショップに来ると実に消耗して、自分が馬鹿に思えてくる。体調の悪い時にはとても無理な話だ。
 出てくる、出てくるもろもろ契約状況のプリントアウト紙。一体幾つサインをしたことか。手渡しにはまだ多少かかります、といったところで私はタイムアウト。既に到着から2時間以上が経っていた。

 その足でヨガスタジオへ。今日は45分のストレッチヨガのクラスに参加した。キャンドル使用ということで楽しみにしていた。12名の参加でお気に入りの定位置は確保出来なかったけれど、じんわり身体を伸ばせて携帯ショップでの疲れが少し取れて、良い気分転換になった。ぱぱっとシャワーを浴びて夫と母がいる階下のカフェで合流。

 既に夫が最低限の電話番号等を登録してくれていた。LINEがうまく出来ないと言うので、そこはバトンタッチして夫と私と息子分をセッティングした。ひとまずLINEが使えるようになれば、と思うけれど、母は軽く画面タッチが出来ずにぎゅっと押してしまうのでなかなかうまくいかない。

 夫曰く、教えながら徒労感が大きかったそうだ。今教えたことを次の瞬間出来なくなる・・・ああ、これは老いていく人の行く道だろうか。実の母に教えるのならとっくに放り出しているけれど、義理の母だからなんとかなったとのこと。有難いことである。多分私もそうなっていたに違いないので・・・。

 既に夕飯を家で作る元気はなくなり、そのまま回るお寿司屋さんを予約して夕飯になだれ込んでしまった。久しぶりに行ったところ、随分混んでいて予約していない人たちで溢れていてびっくり。
 食事を済ませて、帰りのバスが発車するのを見送って(タクシーでは帰らない頑固な母である。)私たちはスーパーで最低限の買い物をして帰宅した。

 帰宅したらまずは電話をかけてみてね、と言ったところ、今しがた無事に電話がかかってきた。良かった、良かった。ひとまず第一段階クリア。
 こうしてかなり強引に87歳にスマホデビューをさせてしまった。息子とも繋がって、「まずはあれこれ触ってみてよ」と言われていたけれど、果たしてどうなることやら。スマホに替えた最終目的である、“生存確認のためにLINEビデオ通話が出来る” これが上手くいったら万々歳である。

 


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2021.2.9 がんサバイバーのために活動するLAVENDER RINGフォトブック『自分らしく、を生きていく。』到着!

2021-02-09 20:18:00 | 日記
 2月4日、世界がんデーにフォトブック『自分らしく、を生きていく。-がんとともに生きる206人の笑顔と想い-』が刊行された。帯には「二人に一人が、がんになる時代。この本に関係のない人は、いない。」とある。
 
 がんになっても笑顔で暮らせる社会を目指す「LAVENDER RING」が撮影イベント「MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」で制作した、206人のがんサバイバーのポスターとインタビューを収録したもの。2017年から継続する同イベント運営メンバーやがん有識者のインタビューを加えた、LAVENDER RINGの3年間の軌跡となるフォトブックだ。
 このイベントに私が参加させて頂いたのは2年半前、2018年の夏のこと。当時、インタビューが動画で視られるだけでも凄いな、と思っていたのに、まさかこんな素敵な書籍になってプレゼントして頂けるとは思っていなかったので、とても嬉しい(デジタルな世の中ではあるが、やはり私はアナログな本がいまだとても好きである。)。

 こうしたイベントに参加させて頂いたことも忘れかけていた昨年7月、書籍化の企画があり、ついては掲載承諾を、というメールがあった。続いて11月に最終原稿確認のメールが。
「写真と一緒に掲載されているテキストはインタビュー動画からプロのコピーライターと編集者が抜粋、編集して掲載しており、時間も経過してお気持ちが変わられた場合も、当時のインタビュー動画のQRコードをリンクさせるため、原則このままの掲載でご了承ください」とのことだった。ああ、あの拙いインタビューの受け答えがこんな素敵な文章になるんだ、さすがプロの仕事だなと思ったことを記憶している。

 ラベンダーカラーは私の大好きな色。がんには国際的に定められたシンボルカラーがある。ピンクリボンが有名なようにピンクは乳がんを、ゴールドは小児がんを示すという。そしてラベンダーは全てのがん種を示すシンボルカラーなのである。ここにもまた言い得ぬ因縁を感じなくもないが・・・。

 そして「LAVENDER RING」という名前には、がんになっても笑顔で暮らせる社会を目指す想いが、がんサバイバーの方だけでなく、家族・医療関係者・友人・同僚を超えて、輪のように広がっていくように、という願いが込められているという。

 当時のメーキャップをしたがんサバイバーを撮影するイベント「MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」に参加したことについてはブログの記事(2018.8.12 CNJフォーラムとラベンダーリングプロジェクト参加)にもしている。
 がんサバイバーをその人らしくメイクし、いきいきとした姿を写真に収めて改めて発信できるようにする活動で、LAVENDER RINGの第一歩としてスタートしたイベントだという。資生堂さんのビューティーコンサルタントがメーキャップ・ヘアメイクを施し、フォトグラファー・金澤正人氏(資生堂クリエイティブ本部)が撮影してくださった。がんサバイバー自身が「大切にしていること」を記入し、「世界で一枚だけのポスター」にしてその場でプレゼントして頂いた。

 その後、全国各地でこのポスターを一堂に集めた展示会も続いている。一度大阪でも開催されたので、息子に連絡したが、息子からは「探したけど、お母さんのポスターは貼られていなかったよ。」と連絡があった。さすがに撮影後1か月も経過していなかったので、展示が間に合わなかったようだ。その時頂いたポスターは今、額に入れて自宅に飾ってある。
 思い切って参加させて頂いてよかった、と思う。こんな形で思いもよらずまた素敵なギフトがやってきた。

 乳がん初発から丸16年、再発から13年。決して平坦な道ではなかったし、今の治療も楽なものではないけれど、今、私はこうして生き永らえている。生きていればこそ、のギフトである。

 書籍の収益の一部はNPO法人キャンサーネットジャパンに寄付され、今後の活動等に使用されるという。
 もし書店等で見つけ、手に取ってくださることがありましたら、どうぞご覧ください。

 記録のために。昨日、今月第1回目のお花が届いた。クリーム、ピンク、オレンジ、ラベンダー色のスイートピーが合わせて7本、紫のお星さまのようなリューココリーネが2本、蕾を幾つか付けたキンセンカとレザーファンが1本ずつ。花言葉はそれぞれ「ほのかな喜び」、「暖かい心」、「忍ぶ恋」、「魅惑的」だそうだ。
 花瓶の中はすっかり春。そして本当に良い香りに癒されている。

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