こだわりの農業

土作りから栽培・収穫まで無農薬・無化学肥料(自然農法)で露地草生栽培を実践するわが家を紹介します。

農業生産工程管理について

2007-04-10 22:01:48 | 営農のこと
8日(日)付の日本農業新聞の一面に「基礎GAP本格導入」という見出し。

GAP(ジー・エー・ピー)とは、Good Agricultural Practiceの略で、
「より良い農業生産を実践すること」と定義されています。
具体的に何をするのかというと、「農作業の工程管理を点検項目を決めて実行し、
その内容を記録し改善に役立てる」というものです。

ISOなどでよく表現されている、PDCAサイクル(Plan計画,Do実践,Check点検・評価,Action見直し・改善)を農作業の工程に当てはめたもので、おそらく農業以外の世界ではすでにお馴染みの考え方を農業分野にも当てはめたもののように思います。

たたき台として提示されているチェックシートを見ると、農薬を利用している農業者向けのような感じがします。
例えば栽培管理として、農薬の適正利用や農薬の飛散防止対策などが項目に入っています。

これらのチェック項目は、独自に決めるものなので、おそらく工程ごとのチェック項目は産地やJAごとに異なったものになる可能性があります。
そうなると、どんな工程管理が良いのかきっと判断できなくなるような気がします。
またたたき台では、「病害虫・雑草が発生しにくい栽培管理を行う・・・」という項目があります。
これをこのまま使うとすると、わが家の場合は雑草を”活用している”ので、チェック欄に×が付いてしまいます。
また栽培中に農薬を使用しないので、農薬の適正利用や飛散防止なんて関係がありません。
栽培の方法によってチェック項目が異なってくるということです。

自主規制の枠の中でこのような手法を取り入れることは、悪いこととは思いません。
しかし、産地ごとにチェックシートを作成してこの手法を取り入れたらおそらく消費者の皆さんは、「有機JASや特別栽培農産物」で味わった”判りづらくて混乱する”ことを再び経験することになるかもしれません。

”安全な農産物を求める消費者の声に応えることが出来る”とのうたい文句ですが、混乱を起こして逆効果になるそうで心配です。

ちなみにわが家ではというと、PDCAをすでに農作業の工程に取り入れています。
したがってGAPについてもすでに実施済みです。

楽ばかり考えず、基本に忠実な作業をしていれば、
このような方向が示されても特にあわてることはないと思っています。

わが家のような”零細農家”が生き残って行くためには、
常に一歩先の取り組みをして行かなくては大規模農家・大規模産地に負けてしまいます。
しがらみを持たず、小回りのきく農業経営を行っているわが家は、
情報の収集と実践を日頃から心がけています。

長々と書きましたが結局のところ、安全で安心できる”美味しい”農産物を消費者の方にお届けするために、
説明の出来る農業をしていればそれで良いのではないかと思います。


Comments (3)
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