散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
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因果

2014-12-17 07:38:03 | 日記

2014年12月17日(水)

 パキスタンで学校襲撃、141人死亡 ~ 朝刊一面。

 「(パキスタン軍のTTPに対する)軍事作戦で、女性や子どもが犠牲になった。痛みを思い知らせるため、報復攻撃した。」(TTPの報道担当官)

 

 「残虐で卑劣な行為を非難します。私たちは決して屈しません。」(マララ・ユスフザイ)

 

 「最大限の言葉で非難する。テロリスト達は生徒や教師を標的にすることで、改めて凶悪さを示した。」(米オバマ大統領)

 

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おそるべし三四郎

2014-12-17 07:20:39 | 日記

2014年12月17日(水)

 「どうかしましたか」と思わずいった。美禰子はまだ何とも答えない。黒い眼をさも物憂そうに三四郎の額の上に据えた。その時三四郎は美禰子の二重瞼に不思議なある意味を認めた。その意味のうちには、霊の疲れがある。肉の弛みがある。苦痛に近き訴えがある。三四郎は、美禰子の答えを予期しつつある今の場合を忘れて、この眸とこの瞼の間に凡てを遺却した。すると美禰子はいった。

 「もう出ましょう」

(三四郎 第52回)

***

 「こういう空の下にいると、心が重くなるが気は軽くなる」

 「どういう訳ですか」と美禰子が問い返した。

 三四郎には、どういう訳もなかった。返事はせずに、またこういった。

 「安心して夢を見ているような空模様だ」

 「動くようで、なかなか動きませんね」と美禰子はまた遠くの雲を眺め出した。

(同 第53回)

***

 秀逸な表現、覚えておきたい言葉が、これほどの頻度で出てくるとは思わなかった。

 「心は重いが気は軽い」

 どういう訳だろう?

 「手作り精神病理学」のヒントまで仕掛けられていた!