散日拾遺

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レンズ豆

2022-03-24 19:25:12 | 日記
2022年3月24日(木)

  ヤコブはエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えた。エサウは飲み食いしたあげくに立ち、去って行った。こうしてエサウは、長子の権利を軽んじた。
『創世記』25:34

 私の荷物は重さが50キロ以上もあり、朝出発するときには背負うのに誰かに手伝ってもらわなければならなかった。食料は携帯用非常食とレンズ豆だけで、島の北端から南端まで別行動で往復した私たち12名は、食糧不足に大いに悩まされた。空腹をしのぐのに苔類を煮て食べられないか実験したのを、今でもよく覚えている。
ロアルド・ダール『少年』P.221

 レンズ豆とはどんな豆だろう?族長時代のユダヤ人が食べたのと20世紀のイギリス人が食べたのと、同じものか違うものか?くたびれ果てた狩人エサウと、ニューファウンドランド島を徒歩で縦断する少年たち、いずれ劣らぬ獰猛な食欲を支える栄養価をこの豆がもったということ?

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… レンズ豆 Lens culinaris とは、マメ科ヒラマメ属の植物の実の部分のことです。
 日本では扁豆(ヒラマメ)、英語ではレンティル(lentil)といい、原産はメソポタミア地域です。主に皮付きの褐色をしている茶レンズ豆(ブラウンレンティル)と、皮なしの赤橙色をしている赤レンズ豆(レッドレンティル)の2種類です。
 インド、ネパール、イタリア、フランスなど海外では、ごく一般的に使われており、栄養価が高いことからベジタリアンやヴィーガンの人たちからも人気があります。
 ちなみにカメラのレンズなど、光学用途で使われる「レンズ」という言葉は、レンズ豆からとったもの。凸レンズがレンズ豆の形に似ていることから名付けられたといいます…

● 魅力1:世界五大健康食品のひとつ(インドのレンズ豆、日本の大豆、韓国のキムチ、スペインのオリーブ油、ギリシアのヨーグルト、だそうな。)
● 魅力2:栄養豊富でグルテンフリー
● 魅力3:低カロリー、高ビタミン
● 魅力4:さまざまな料理に使えて長期保存可能
● 魅力5:水戻し不要な時短食材


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 レンズマメは、人類が利用してきたマメの中で最古の部類に属する。肥沃な三日月地帯で栽培が始まり、ヒヨコマメやソラマメと並んで重要な食物となった。
 旧約聖書創世記にも登場し、エサウは狩猟に失敗して飢えていた際に、弟ヤコブにレンズマメの煮物を食べさせてもらう代償に、その長子権を譲ったとされる。また、エジプトの紀元前2000年紀の墳墓におさめられたレンズマメが発掘されている。
 古代ローマではソラマメが好んて食べられ、レンズマメは避けられた。ただし、人類最古の料理書ともいわれる『アピシウス』にはレンズマメのメニューも掲載されている。レンズマメが避けられる傾向は中世ヨーロッパにおいても続いた。
Wikipedia
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 なるほど恐れ入りました。しかしこれほど良いものでありながら、古代ローマや中世ヨーロッパの人びとが、ナゼことさら避けたのかは記載にない。日本でも栽培できるのか気になるところだが、まずは食べてみるところから始めるか。

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