8/20に岡山県備前市(JCC 3113)頭島で移動運用をしてきましたのでご報告します。
お盆を過ぎても残暑が続いていますがEsの発生頻度が減るなど徐々に秋のシーズンが近づいています。夏のハイバンド中心の移動から切り替える時期に入ってきました。
そこで今回は瀬戸内海にある日生諸島(岡山県備前市)まで出かけることにしました。日生諸島は岡山県備前市にあり、みかんの栽培とカキの養殖が主な産業です。
日生諸島へは日生港から大生汽船の船が1日9往復あります。比較的本数はあるのですが日生諸島からのQRVは非常に少ないようで、6エリアの某局から「CADさんは岡山が常置場所ですよね? 日生諸島は何とかなりませんか?」とのリクエストを頂いていました。それではということで出かけることとしました。調べてみると確かに日生諸島からのQRVは少ないようです。
今回はその中でも中心地である頭島にしました。人口は400人。周囲4kmと小さいながら日生諸島では最も人口の多い島です。
この頭島へ渡るには船に乗らなければなりません。常置場所からではなく3エリアから日帰り(しかも19時からの花火に間に合うよう帰る)という強行軍です。調べてみると朝の新快速に乗って播州赤穂で日生方面行きに乗り換えれば大生汽船の日生発10時30分の船に間に合いそうです。
今日のお天気は曇り。午後からは雨が降るかも知れないそうです。新快速で姫路に到着。
姫路で食料を買い込み、播州赤穂行きの電車に乗ります。この電車は途中の相生から赤穂線に入ります。赤穂線は相生で山陽線と別れ、東岡山でまた合流します。赤穂線回りの方が時間がかかるんで青春18きっぷの連中はみんな山陽線回りを選び赤穂線は混みません。おかげで楽に行くことができますHi
播州赤穂で日生方面行きに乗り換えました。途中に備前福河という小さな駅があります。よく間違われるのですが、この備前福河は兵庫県赤穂市になります。
付近(福浦地区)は赤穂線の開業頃までは岡山県和気郡福河村で、のちに和気郡日生町になるんですが、福浦地区は戦後赤穂市への編入を再三再四希望しこれを拒否する岡山県と深刻な対立になりました。福浦は元々備前藩の干拓地ですし、沖合の漁業権を日生の漁民が持っている事情から岡山県としては編入を認める理由がなかったようです。
最終的には自治大臣の裁定で福浦地区は1963年に赤穂市に編入されたので旧国名は備前なのに赤穂市という変な状態なのです。確かJA4のOMさんが1名福浦地区におられ、その方はJA4→JA3にコールサインが変更になったはずです(現在はQRTされた模様)。2005年に岐阜県中津川市に編入された旧長野県山口村の場合と並んでコールエリアの変更が生じた珍しい例です。山口村の場合は希望すれば0エリアのコールサインを継続できる柔軟な対応でしたが、福浦の時代は強制変更であったようです。
福浦を過ぎて岡山県に入ると日生駅まではすぐです。家から2時間半ほどかかって10時15分に日生駅に到着します。
駅の目の前に港が広がり、赤穂線の名所と言われています。小豆島行きのフェリー乗り場があるんですが、大生汽船の乗り場はここにはありません(寄港するケースもあるんですが通常は寄港しない)。漁師町の日生を10分ほど歩いたところに乗り場があります。本来の日生の集落は乗り場のある周辺で、駅は地形の関係で離れたところにあるのです。
この辺が日生の漁港です。福浦のあたりでも説明しましたが、日生は広い漁場を持っており、古くから漁業で栄えています。
大生汽船の乗り場は漁船の船だまりに東屋があるだけ。切符売り場は道路を挟んであります。船は「ニューみしま」という小型旅客船です。10ノット(約18km/h)しか出ません。このスピードで頭島まで20分ほどですからそんなに離れてないのでしょうね。
10時30分発に出航です。
大生汽船は珍しく運航条件を掲示しています。波の高さ1.2m以上だと運航中止だそうです。元々瀬戸内は波が穏やかですが、その中でも日生港は日生諸島に囲まれているため港に波らしい波が立ちません。おかげでよほどのことがない限り欠航しませんし、船酔いすることもないです。1.2mで発航中止でしたら伊豆諸島なら年間何日かしか就航できませんねHi
ニューみしまは自動車を運ぶことができませんが、バイクなら運ぶことができます。郵便局のバイクも船で運んで配達するみたいです。このバイク、なぜかうちの地元・赤磐市のナンバープレートで瀬戸郵便局の所属みたいです。日生からは20kmくらい離れており、もちろん配達エリア外のはずで、不思議なバイクです。
出航して10分あまりで鹿久居島が見えてきました。この船は鹿久居島に立ち寄ることになっているのですが、汽笛を一発鳴らしただけで通過してしまいました。鹿久居島は岡山県最大の離島ながら人口15人ときわめて少なく、鹿久居島で降りたいときは日生港であらかじめ船員に言わないとダメなのだそうです。ちなみに寄港便は1日2往復だそうで、その貴重な便なのにこの状態です。
鹿久居島と隣の頭島との間に橋があります。今はあまり意味のない橋ですが、鹿久居島と本土の間も架橋中で、2014年度にこれが完成すると頭島まで陸続きとなります。
間もなく頭島です。長くなりすぎましたので今回はここまで。続きます。