[井笠鉄道の定期券は払い戻されない見込み]
経営難から全バス路線の運行を停止し破産手続きに入った岡山県の井笠鉄道の第1回債権者集会が3/13に開かれています。
管財人によると35億円の負債に対し手持ちの現金が8千万円しかないとのこと。今後処分される予定の不動産が順調に現金化されたとしても元従業員に対する未払いの退職金が優先されるため、昨年10月末で利用ができなくなったバス定期券の払い戻しについては見込がないとの説明があったようです。
一部報道によると経営破綻前から退職金の未払いが相当額に上っていたようで、1,300万円を退職金として受け取る予定であった元バス運転手の場合、まだ150万円しか払われていないとのことです。
なお、昨年11月以降北振バス・両備グループなどが暫定的に引き継いでいたバス路線については4月以降各社の路線として運営することで関係当局の許可が下りたようです。
[福岡市交通局と西鉄バスが相互連携か]
長年激しいライバル同士の関係である福岡市交通局と西鉄バスが地下鉄と路線バスの乗り継ぎを便利にし、福岡都心に入ってくるバスの数を減らす研究を始めたようです。10年後を目途に地下鉄七隈線の六本松駅などにバスターミナルを整備する構想があるようです。
福岡市の市内交通は長年西鉄が一手に担っており、市営地下鉄の開業までは市営交通が全くありませんでした。地下鉄開業後も西鉄バスは郊外から天神や博多など都心部に直通するバスを多数運転し、都市高速を経由させて時間を短縮するなど地下鉄とは真っ向から戦ってきました。このため郊外バスと地下鉄の乗り継ぎ機能は姪浜駅・藤崎駅などに限られ、バスの集まる都心部ではバスが渋滞の原因となっていると指摘されてきました。地下鉄七隈線に至ってはターミナルとなる天神南駅が不便なこともあり西鉄バスに対し劣勢で苦戦しているのが現状です。
福岡市の人口は今後も増加する予想ですが、西鉄バスはバス利用者の減少から正面切った戦いを続けることが難しくなってきたこと、市も渋滞や環境問題の解決を迫られていることからお互いにプラスとなる方向を見いだす方針に変わってきたようです。
しかしながらバスと地下鉄を乗り継ぐと運賃が割高になるため、乗り継ぎ割引をするのかなど課題は多いと思います。
そういえば大阪市はバス事業を売却し、地下鉄を民営化すると言っていますが、乗り継ぎ割引とかどうする気なんでしょうね。
[三保造船所が破産]
大阪市港区の三保造船所が破産しました。負債総額は約2億円とのことです。
同社は波照間海運の「ぱいぱてぃろーま」、座間味村の「クイーンざまみ」、渡嘉敷村の「マリンライナーとかしき」など双胴船を中心にした小型高速船の建造で定評がありましたが、受注の減少で近年苦しんでいたようです。
「ぱいぱてぃろーま」は波照間海運が理不尽な補助金打ち切りで事業停止に追い込まれて三保造船に返却されたとされていましたから、これが二度目の悲劇となります。優秀な船だけに何とか国内でもう一度復帰して欲しいと思います。