Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

本「サヴァイヴ」

2014-07-24 09:40:10 | Book
近藤史恵著「サヴァイヴ」を読了。
ロードレースを題材にしたシリーズの外伝的な短編集です。
「サクリファイス」「エデン」の登場人物に焦点を当てた短編で、主役の白石の話はもちろん、脇役の存在だった赤城と石尾の出会いの話など、前二作を読んでいる人には物語世界を豊かにする話ばかりで、とても楽しめます。
ツール・ド・フランスなどを見ていてもなかなか選手の心理はわからないもので、これらの連作を読むと選手の心持ちが少し理解でき、この過酷なレースの裏模様が見て、興味深いです。
確かに、ヨーロッパではロードレースは人気スポーツで、オランダでもヨーロッパの主要なレースはNOSという日本でいうNHKに近い放送局でテレビ中継されますし、とても人気があります。一般の人が、選手と同じような服装でロード用の自転車で走っている姿をよく見かけます。実際に私の行っている病院のよく見かける医師たちが帰りに自転車競技のような服装にばっちり着替えて帰っていくのを何度か見かけました。
運動不足解消のために自転車で通勤しているようです。
オランダは自転車専用の通路が確保されているし、平坦なので、走りやすいというのもあると思います。
EPOのようなドラッグの問題がこのスポーツでは特に深刻で、過去に良い成績を上げた何人もの選手が使用を告白しています。チームがらみのものもあります。優勝したい、良い成績を上げないと来年の契約が微妙だなどと、心理的なジレンマがあるのだと思います。この問題についても選手の側からの心理が、このシリーズでは度々描かれています。
ずいぶん前に読んだ「サクリファイス」が記憶から薄れているので、もう一度読み返そうと思いました。
体調は良好です。