約一ヶ月前(6月16日)に行われた第二回目の「花と緑のサポーター養成講座」。
すっかりアップが遅くなりましたが、自身の備忘録と、ご訪問いただいた方に何かしら参考になればと思って記しておきます。
当日は日本大学生物資源科学部の付属農場のバラ園で長年バラ栽培と学生の指導に当たってきた植松史郎先生に、「バラの品種紹介と花後の手入れ」について教えていただきました。
まずは、バラの分類(バラ科→バラ属→〇〇亜属→〇〇節→代表的品種名)や、バラの歴史(原種からどう交配され現代のバラに至ったか、現代バラのために利用された代表的な原種など)、バラのお手入れの図解等、座学にて教わりました。
現在のバラの栽培本にも簡単には書いてあることですが、一つ一つのバラの特徴や、細かな系譜など、ただ本を読んでいるのではなく講義を聴くことで、より理解が深まりました

その後、日大のバラ園で実習。
7~8割ほどのバラが終わっていましたが、遅咲きの蔓バラが良く咲いていました。

「バラはつる性といっても、クレマチスのように勝手に支柱に絡まる事は無く、人の手で誘引しなければ形になりません。放って置くと、(下の写真のように)株元から横へ横へと伸びていきます。」
わかってはいましたが、実物を見ると更に納得

剪定をする前に、どのバラがどの亜属のバラか説明してくださいました。
「コレはプラティロードン亜属のロサ・ロクスブルギーでガクが盃性で葉の数は・・・」

「和名はイザヨイバラです。」

など、座学で学んだバラを、先生がバラ園の中を案内しながら説明。
実物、それも実際地面に植えてあり大きく育っているバラを見ながらの勉強は、一層身になる気がします
四季咲きで木立性のバラを使って先生が剪定のお手本を。
「花後はこの辺り(上から2段目辺りの五枚葉の上)で切ります。」と先生が鋏を持って剪定。(写真左)
「(病害の発生を少なくしたり、風通しを良くするための)枝の間引きは、場合によって思い切って強くしても良いです。」
「(シュートが出ている古株は)若返りのために古枝を思い切ってピンチする(ことも必要)。」(写真右)
間引きと株の更新の方法については、この時期にしては想像以上に大胆でちょっと驚きました
例にしたバラは、地植えで、シュートも出て、よく育っていたけれど。

植松先生曰く
「剪定の方法をよく聞かれるのですが、僕は一年中(剪定)鋏を持っていて、(邪魔な枝や、ダメな枝に)気づいた時には切るようにしています。」
「『良い花が咲かない。』と言う人がいますが、夕方でも朝早くても、とにかく花を良い形のときに見てあげよう。バラは咲いているはずです。」
いつも気にかけ、チェックしているんですね。愛ですね~
ただ学生の実習の場でもあるので、たまに学生による間違った剪定もあるらしく、すべての株がお手本、とはいかないみたいです。
「秋に良い花を咲かせるには、有機肥料なら剪定の一ヶ月前、8月初旬ぐらいに与えると良いです。(液肥は剪定後でも可)」とのこと。
また、このバラ園でも、昨年の猛暑で白ハマナスなど比較的暑さが苦手なバラは傷み、生育が思わしくないのだそう。
恐るべし、地球温暖化
このバラ園には約200品種、750株が植えられており、学習のため、古い品種から新しい品種まであり、バリアフリーになっているので車椅子のまま楽しむことも出来ます。
「訪れた介護施設のお年寄りがバラの花を見て笑っている様子を見ると、植物の力を感じます。」と、先生は仰っていました。
このバラ講座を生かすべく、公園のボランティア活動は「バラ育成会員」に応募しようかな