20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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カワセミのいる水辺

2008年08月15日 | Weblog
 買い物にいく途中にある公園の水辺です。
 毎年、夏になると、この水辺にカワセミがやってきます。
 ところが今年の夏は見かけません。
 カワセミはスズメのような小さな鳥です。止まり木から池に餌をみつけると、長いくちばしを向け急降下で飛び立ちます。その瞬間、息をのむような美しい瑠璃色の美しい羽を羽ばたかせ、きらきらと水しぶきがたちます。
 その瞬間を見たいがために、カワセミを見かけようものなら暑いのも忘れ、木陰に佇むはめになります。

 カワセミは夏の季語です。けれど、春にもこの水辺にやってきます。
 いつだったか、鳥の生態に詳しい作家のKさんにそのあたりのことを伺ったところ、「カワセミは、一年中いる鳥だよ。夏の鳥ってわけじゃないよ。たぶんその水辺に巣があるんじゃないかな」とのことでした。
 では一年中いる鳥を、俳句の歳時記では、なぜ夏の季語に選んだのでしょう。
 翡翠のように美しい瑠璃色の羽が、夏の空に映えるからでしょうか。
 そんなことを考えながら、なぜか、この夏は見かけることのないカワセミお気に入りの水辺を、なにか物足りないような、ぽかんとした気持ちで眺めていました。
 あたりの雑木林は今日も、蝉時雨。
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