数年前、フランスの画家アンドレ・ブラジリエの、大きなアートポスターをベッドルーム用にと買い求めました。
馬を好んで描くブラジリエは、やわらかな色彩で静謐なシーンを描くことで有名な画家です。
一日の夜明け。昇る朝日のエネルギッシュなパワーを寝ている間にもらえるようにと、「朝焼け」を描いた絵を探していて、たまたまデパートで見つけたものです。けれどこの絵が、はたして「朝焼け」なのか「夕焼け」なのか。肝心なことはわかりません。
絵全体を覆っているピンクは、ブラジリエ特有の色あいです。
タイトルは「パレス・デュ・パロワ」。訳して「パロワの谷」です。
「パロワの谷で草を食む馬たち。・・・これはやっぱり朝焼けに違いないわ。夕焼けだったら馬たちは、ねぐらへの帰り支度をしているはずだもの」
そんな、私のエクスキューズのあれこれに、
「朝焼けということにしておこう」
夫が決断を下しました。そのひと言でそう思いこむことにしました。
それ以来、私たちは東に枕を向けた頭の上で、いつも朝焼けでピンクいろに染まった馬が、草原を走る夢をみながら眠っています。
けれど、こうしてたまに、ふと思ってしまうのです。
この絵はほんとうに「朝焼け」だったのかしら、それとも「夕焼け」なのかしらと。
馬を好んで描くブラジリエは、やわらかな色彩で静謐なシーンを描くことで有名な画家です。
一日の夜明け。昇る朝日のエネルギッシュなパワーを寝ている間にもらえるようにと、「朝焼け」を描いた絵を探していて、たまたまデパートで見つけたものです。けれどこの絵が、はたして「朝焼け」なのか「夕焼け」なのか。肝心なことはわかりません。
絵全体を覆っているピンクは、ブラジリエ特有の色あいです。
タイトルは「パレス・デュ・パロワ」。訳して「パロワの谷」です。
「パロワの谷で草を食む馬たち。・・・これはやっぱり朝焼けに違いないわ。夕焼けだったら馬たちは、ねぐらへの帰り支度をしているはずだもの」
そんな、私のエクスキューズのあれこれに、
「朝焼けということにしておこう」
夫が決断を下しました。そのひと言でそう思いこむことにしました。
それ以来、私たちは東に枕を向けた頭の上で、いつも朝焼けでピンクいろに染まった馬が、草原を走る夢をみながら眠っています。
けれど、こうしてたまに、ふと思ってしまうのです。
この絵はほんとうに「朝焼け」だったのかしら、それとも「夕焼け」なのかしらと。