20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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迷いの選択肢

2008年08月24日 | Weblog
 この休日にWii Fitを買いにいこうか悩み、金曜日、私の性格をよく知り尽くしている長年の友人に相談の電話をいれてみました。彼女はここ数年、体脂肪も20くらいで贅肉などまったくないスリムな人です。
「2キロがどうしても痩せられないの。だからWii Fitを買ってやってみようかと思うんだけど」
 すると彼女は、けろっとした声でこう言いました。
「でも、あなたはスポーツ系はたとえゲームでも向いてないと思うわ。絶対、続かない。いままでだってルームランナーにしても、ステッパーにしても、金魚運動にしても、みんなゴミ屑にしちゃったじゃない」
 そして電話口の私の気配を探りながら、なおもこう言い放ちました。
「運動嫌いのあなたがやり続けられるとはとうてい思えないわ。それにあなたみたいなせっかちなひとが、すぐにそれを買わなかったってことが、あなたの迷いを表しているのよ。自信をもって続けられるって思えばこんな電話をしてくる前に、あなたはもうとっくに、それを買ってるわ」 
 さすが、長年の友。すべてお見通しです。
「だったら、ボクサースーツにしておいたら?あれだったら、日常生活のなかで着たまま、汗をかいて痩せられるし」
 突然、彼女の口からボクサースーツなる言葉がこぼれ落ちました。
「実は、私、あれで痩せたのよ」
 
 その友人とはずっと昔から、「最近食べたおいしいスイーツ自慢」をしあっては電話を切ると、そのスイーツの調達に走るという、甘いもの好きのオンナのハマる、おろかなスパイラルに陥っていた時期があったのです。
 そこから彼女が、私を置いてきぼりにして抜け出したのは2年前。
 2年前から彼女は毎朝5時半に起きて、ウオーキングをはじめ、見る見る間に痩せたのです。
 けれど、そのウオーキングに、そんな小道具が使われていたなんて!
「歩くときに、これを履いてると嘘みたいに汗がでるのよ。それで痩せるの」
 あきらかに彼女の声が、「ボクサースーツお薦めモード」に突入し始めていることを直感しました。
「スポーツ系はやめときない。あなたには絶対、無理だって。だからボクサースーツに・・・」
 彼女の説得の言葉に、力がこもります。
 
 それそれ、そういうところ。
 こういうところが、彼女と私はそっくりなのです。
 自分がいいと思ったことは、なんの得があるわけでもないのにすぐにだれかに宣伝したくなる。教えてあげたくなる。押しつけ、共感してもらいたくなる。
「こんなにいいのよ、こんなにすばらしいのよ」と力説しながら。
 そして説得できた暁には、なににも代え難い喜びにうち震えるのです。
 単純で、その気になりやすく、相手に影響されやすい人間。
 彼女と私は、すごく取りあわせのいい、気の合う友人同士なのです。
 
 かくして単純で影響されやすい私は、いま心が大きく揺れています。
 Wii Fitにすべきか、はたまたボクサースーツにすべきか・・・。
 電話したおかげで、どうやら迷いの選択肢が増えてしまったようです。
コメント (2)
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