20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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お盆

2008年08月12日 | Weblog
 明日からお盆。
 父が亡くなったのは、11年前の8月でした。
 父のことを考えるたび、あの日の満開の百日紅の花を思い出します。 
 母が亡くなった日も、やはり百日紅が咲いていました。
 ふたりとも、夏に逝ってしまったんだなと、百日紅の赤い花をみるたびに思います。
 これからずっと、来る年も、来る年も、百日紅の花と共に、父を、そして母を思い出すことになるでしょう。

 義父が亡くなったのは18年前の4月。桜が満開のころでした。
 新宿区戸山にある国立東京第一病院の、父の病室からは満開の桜が美しく咲いているのが見えました。
「桜ですよ。満開です。とってもきれいですよ」
 そういって義父に声をかけたことを、今でも思い出します。
 義父の葬儀は、花吹雪が舞い散る満開の桜の下で行われました。
 早稲田の地を愛した父を乗せた霊柩車が、母校である早稲田大学の大隈講堂の前で止まったときも、まるでボタン雪が舞うように花びらが車にふりそそいでいました。悲しく美しい光景でした。
 
 花の季節とともに亡くなった人たちを思い出し、お墓参りをして静かな気持ちで亡くなった人たちと向き合う。
 若いころは、そんなすべてを夢中でやり過ごしてきました。
 でも年を重ねるごとに、それらすべてを慈しむように大切にしている自分がいることを、折々に気づかされています。
コメント
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