≪生きるとは自ら仕事をすること≫
今朝の北国新聞朝刊の”生活”面。曽野綾子さんのエッセーの表題です。
いつも辛口で、高齢者代表みたいな発言が大好きです。
今日の趣旨は『≪上げ膳据え膳≫が高齢者を動けない老人を作り出す。』というのです。
避難所の老夫婦が個室を与えられた途端に部屋でごろごろして引きこもりがちになるという。
老人は2~3日寝ただけで、立てなくなる。少々の熱でもせめて日に何回かはトイレに立たなければならないと思う。
毎日何もしないで食べられる人を作るから、人生を欝病的に空しいと感じたり、急激に老化に拍車がかかって、一日何もしないで寝てばかりいる老人が出来る。
「幸も不幸も、人生に変化はつきものだというふうに、ならしてみる癖をつけておかないと辛いばかりだ。
そうです。
asahi.com より
≪生活不活発病≫と名付けられた症状
生活不活発病 用事や仲間作り、体動かして
東日本大震災以降、被災地で体を動かすことが少なくなった高齢者が目立つという。被災していない地域でも、行動時間が短くなったり、行動範囲が狭まったりすると、生活に支障を来すようになるおそれがある。
例えば、以前は元気に外を歩いていたのに、短時間歩いただけでつらく疲れやすくなることがある。家事、洗顔、入浴などの生活動作が難しくなったり、動作が遅くなったりすることもある。
このように、生活の不活発さが原因で、全身のあらゆる機能が低下する状態を「生活不活発病」という。災害直後だけでなく、中長期にわたって見られる。要介護や寝たきりの原因にもなる。
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国立長寿医療研究センター研究所生活機能賦活研究部の大川弥生部長の調査では、2004年の新潟県中越地震の際、要介護認定を受けていない長岡市の65歳以上の高齢者の約3割が、歩行に難しさを感じるようになった。
その3割強は6カ月後も回復していなかった。地震の前に一人で歩いていた人でも、その範囲が自宅やその周辺に限られていた人の場合、歩きにくくなる傾向が強かった。
地震の後に、高齢者の活動が活発でなくなるのは、余震が頻繁に起こるため、「転倒や津波が怖い」などといった事情が考えられる。大川さんは、動きにくい理由にも注意を向ける必要があると強調する。
〈1〉環境の大きな変化=道が危なくて歩けない、避難所の中で通路が確保されていない、つかまるものがなく立ち上がりにくい、など。
〈2〉動く機会の減少=家事や庭掃除など自宅での役割、地域での付き合いや行事がなくなった、など。
〈3〉遠慮=「周りに迷惑だから」「災害後に散歩や趣味なんて」と自分から遠慮する。
家族が「危ないから」と行動を抑制することも原因になる。
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日本理学療法士協会の半田一登会長は、尊厳をもって自立した生活を守るために、生活不活発病の予防が重要だと指摘する。「最後まで自分で排泄(はいせつ)したいという人は多い。そのためには最低限、移動能力の維持が欠かせない」
体を動かす用事や機会を増やしながら、自然に脳や体を活性化させたり、腰や脚など下半身の筋肉を保ったりすることが大事だ。外出する意欲を持てるよう仲間を作るのもよい。
トイレまで歩きやすいよう手すりを設置したり、シルバーカーを利用したり、介助者が手を引くなどの方法もある。ひざの痛みがあるとかがみにくいので、トイレを和式でなく洋式にすると、高齢者は使いやすい。それぞれの環境に応じて安全に配慮しながら工夫を心がけたい。(医療ジャーナリスト・福原麻希)