ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

天狗の話(2)

2005-10-05 06:37:42 | 四方山話
天狗は、時代によってさまざまに姿形を変えて人間界に立ち現れます。

舒明天皇の9年(637)、春2月に大きな流星が雷のような音を
立てて流れました。人々が「流星(よばいぼし)の音だ」「いや地雷
(つちいかづち)だ」と騒いでいると旻(みん)というお坊さんが、
「流星にあらず、是は天狗(あまぎつね)なり」といった。これが
天狗の文献(『日本書紀』)初登場です。つまり空を飛ぶ恐ろしい
ものですね。

平安時代の今昔物語ではトビになりますし、義経に剣術を教えた鞍馬
の天狗も大天狗はともかく、烏天狗などは鳥の嘴を持っています。
「天狗飛び切りの術」などという言葉もあり、どうも空を飛ぶ妖怪の
イメージが強いようです。


これは浮世絵師・初代豊国描く天狗。顔は鬼のようですが身体は怪鳥
の感じです。


「怪談登志男」という本に載っている空を飛ぶ天狗です。はっきり
羽が描かれています。足の履き物は草鞋のようで、お馴染みの一本
歯の高い下駄ではありません。

まだ「足が地につかない」というところでしょうか?(続く)