ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

湖沼と瀑布の奇観・九寨溝(1)

2010-09-07 11:27:28 | 旅日記


昨夜は九寨溝喜来登国際大酒店(シェラトン九寨溝リゾート)に泊まりました。
九賽黄龍空港から約80km離れた海抜1800メートルのところに立つ、五つ星ホテルです。



ホテル敷地内に座席数523の劇場を持ち、民族舞踏ショーなどを見ることができます。
劇場を囲むように半円形の広場があり、それを取り囲むように十二支の動物を象った、
トーテムポール風の彫像が並んでいます。



これは「卯」。一つ一つ見て行くとなかなか細かい、見事な彫像です。



8時ホテル出発。九寨溝風景区入口までは1.5kmで、あっという間に
「溝口」(九寨溝入口)に着きました。後の建物はショッピングセンター。



反対側の入場ゲート側を見たところ。大きな地図があり、中国人団体客が次々と覗き
込んでいきます。
ちょっと分かり難いので、旅行社で貰った地図を転載します。



「九寨溝」の名は、この谷(溝)にチベット人の村(山寨)が9つあることから
付けられたものです。
谷は白水溝上流の白河の支流で、下流から見るとY字形をした三つの谷からなって
います。(地図の下が北、従って正しい地図では逆Y字)
Yの字の左の画が則査窪溝、右が日則溝、下の画が樹正溝と呼ばれ、入口から
最高所の「長海」までは33㎞ほどあります。



三つの溝に沿って遊歩道と車道が設けられていますが、車はすべて専用の「九寨溝緑色
旅遊観光車」を利用しなければなりません。これは天然ガス利用の低公害型バスですが、
私たちはグループでの貸切り車となりました。



樹正溝に沿って左手に並ぶいくかの湖沼や右手のチベット村を車窓から眺めながら、
15㎞離走った諾日朗瀑布で下車しました。Y字の上のVが交わる辺りです。
ここの標高は2,365m。




諾日朗瀑布
『滝の高さは24.5m、幅は320m。これまで九寨溝で発見された最大幅のトラバーチン化
(水に溶けている炭酸カルシウムが沈殿してできた緻密な縞状石灰岩)滝です。西北
方向の断裂の影響により断層が形成されています。その土台に第四紀氷河の沈殿物と土砂
が厚く堆積しています。日則溝の地下、地表水がここを通り過ぎ、大量な石灰石の沈殿物
がもたらされたので、滝の縁はだんだん高くなってきています。九寨溝で最も感動、かつ
もっとも規模の大きい石灰滝になっています。』



『夏と秋、滝は灌木で幾つかの水束に分れて、まるで帯状の白い絹布のように、遠くから
こられるお客様を歓迎しているようです。冬になりましたら、またこの滝を氷が飾り、別の
風景に変身します』(説明文より。明らかな日本語訳誤りは正しました。以下『』は同じ)



水しぶきに虹が架かりました。ここから見ることができるのは滝全体の約三分の一で、
後は樹林の中に隠れています。その規模の壮大さに圧倒されました。



諾日朗瀑布で高度に身体を馴らしてバスに帰り、18㎞上流の最高所にある長海にきました。
左に見える遊歩道を下っていきます。



長海
『長海は標高3,103mにあり、長さは4,349mです。最も幅の広い所は415m、平均幅は
236.4mです。平均の深さは44.57mで最も深い所は88.8mです。面積は928440平方m
。九寨溝にある数えきれない湖のうち最大規模を誇っている、典型的な「堰塞湖」
(堰き止められた湖)です。現在から53.6万年前に形成されました。ここには古い
第四紀氷河の遺跡が残されています。長海の水位は8~9mで変化し、もっとも低い
時も4mを下らないので、一年中水量はあまり変わりません。長海は地下岩の溶水系統
により、日則溝と樹正溝にとって重要な補給かつ調節用の水源になっています』



こんな高度と思えないような緑の山肌に囲まれた静かな湖面に、雲を浮かべた青空が
くっきりと映っています。お天気もだんだんと良くなってきました。