前回ご紹介しました山見浩司さんの「ジュエル」(オイルワンド)の映像です。光をたくさん通すオイルワンドなので、オブジェクトのガラスピースも光を透過したり、反射させたりして、表情の豊かな映像になっています。外から見えるガラスの透明感に対して、中の映像は色の豊かさに驚かされます。くっきりとした映像の作品も多い中、この万華鏡は色や質感の重なり合いがグラデーションとなって映像に映り込みます。オブジェクトのラインをぼかすような印象があり、見たときに絵画のような色の重なりを感じました。この万華鏡の製作過程は「ステンドグラス」(ホルプ出版、家庭ガラス工房シリーズ)に詳しく紹介されていますが、多くの過程を注意深くこなしていかなくてはならないことがよくわかります。大変なんだと思う一方、きれいなガラスオブジェクトを選びながらガラス管の中に入れては映像を確認し、満足のいくまで試行錯誤するところは、大変だけれど幸せな時間なのではないかなあと、作家さんをうらやましく思ったりします。