「アートの庭」で開催中の万華鏡展「4つのカタチ」から、今日は佐藤元洋さんの作品をご紹介します。
美しいピンク色の作品は「桜霞」というタイトルどおり、中も本当に美しい桜の花ざかりです。ピンクのグラデーション、繊細なオブジェクトの表情・・・うっとりとしてしまいます。 先端部のオブジェクトセルの回転がとても滑らかで心地よく覗けるということも嬉しいですね。
そしてこの万華鏡には素敵な桜の飾りが付いています。銀線細工のジュエリー作家、園田知暁さんによる桜の花。 さりげなく飾られています。
佐藤さんは今年7月に仙台、秋保温泉に吹きガラス工房「元」をオープンされ、地元に腰を落ち着けての制作活動を開始されました。 工房では吹きガラス体験もできるそうです。 仙台万華鏡美術館の近くです。 そして秋に咲くめずらしいひまわり畑の隣です。秋保温泉にご旅行なさる機会がありましたら、ぜひたずねてみてください。 佐藤さんの出来立ての作品もあるかもしれません。
そして一番上の写真、右のほうに並んでいる作品の中にも桜がありました。 黒い背景の「夜桜」です。 こちらもとても素敵な映像なのでご紹介します。
ブルーのさわやかな印象の作品は、「凪」というタイトルです。 吹きガラスならではの自由な造形を生かしたスタンド部分の透明感がすがすがしくて美しいです。
先端のオブジェクトセルは、滑らかに回転し、中のオブジェクトが軽やかにぶつかり合う音も心地よい万華鏡です。 そして内部には、またも繊細で優雅な映像展開。 素敵です。
小さなオイル入りの作品、手持ち型のドライタイプの作品、そしてパーラータイプの作品、いずれもガラスならではの美しさと堅牢さを兼ね備えています。
ガラスを吹くという作業は、万華鏡製作にとっては、ほんの一部の過程であり、そこから、万華鏡という作品に仕上げるそれぞれの工程にも、またこだわりを持って、佐藤さんは多くの作業をこなしています。 それらの凝縮した作品と知れば知るほど、ますます魅力を感じる万華鏡です。