どこかで見たような感じがありながら、初めての作品、しかも1点ものと言うので、不思議に思いながら見ていましたら、作家のデヴィッド・カリッシュさんが説明してくれました。
このガラスマーブルは、もともとエッグアートで万華鏡を製作するフランク・カッシアーニさんの作品に付いていたものだそうです。 そういえば、王冠のような形でマーブルをダチョウなどの卵に飾った作品があったなあと思いだしました。
カリッシュさんの自宅に飾ってあったエッグアートの万華鏡を、ちょっと台から外してあったときに、タイミング悪く大きな地震があり、落ちて卵の部分が割れてしまったのだそうです。
残ったマーブルと王冠のような取り付け部分を、再度生かせないかと思って、カリッシュさんが自身のスタイルで創り上げたのが、この万華鏡だそうです。
オブジェクトになっていたマーブルは、オイルの中にガラスオブジェクトが浮かぶ、デヴィッド・ローゼンフェルトさんのH2Orbというマーブルで、万華鏡のために作られたガラスマーブルです。
オイルセルと同じようですが、均一な球形で、それ自体が王冠の中で全方位に動くような取り付け方をされています。
3ミラーシステムを組み込み、覗くと透明感のある映像が視野いっぱいに広がります。
カリッシュさんのスタイルにもぴったりと合っていて、素敵な新作万華鏡と思ったのが、3人の作風のミックスされたものと聞き、びっくりししました。
カッシアーニさんも、ローゼンフェルトさんも最近のコンベンションでお目にかかる機会もなく、作品を見る機会も少なくなってしまったので、この作品を見てとても懐かしく感じています。