銀座、ギャルリー・ヴィヴァンで開催中の「伊藤美津江万華鏡展」に伺いました。 歴史ある奥野ビルは、新しいビルやブランドショップの立ち並ぶ銀座にあって、その古めかしい風情が魅力となっている場所です。 今日も奥野ビルのギャラリー巡りのお客様が、伊藤さんの万華鏡展にも訪れ、迫力のある大きな万華鏡とそのユニークな映像美を楽しんでいました。 このような万華鏡があることを知らなかったとおっしゃるお客さまもいるそうで、万華鏡との出会いの場になってくれたら嬉しいなと思いました。
最初の作品は、今年の新作で「輝(かがやき)」という作品です。 金色のガラスと、錫を打ち出し、切り抜いた装飾が特徴の大型の作品です。
オブジェクトは様々な色、表情、質感のガラスを焼き付けた大きなホイールです。 一見透明に見えるダイクロイックガラスの部分も、光の当たりかたで、思いがけず色模様に変わったりするのが面白いところです。
ちょっと変わったミラーシステムを通して、くっきりとこんな模様が見えています。
真鍮製の筒を黒く塗装し、錫を装飾に使った、手持ち型の万華鏡も新作です。 打ち出した模様に貝殻の光沢を重ね虹色の輝きを随所に配した、お洒落なデザインです。
オイルタイプ2本とドライタイプ1本。 2ミラーシステムの作品でした。
銅板を使った大型の作品もご紹介します。 こちらは「紋」という作品で、花紋が打ち出された銅板を大きく曲げたようなデザインです。
三角の覗き口から、ホイールタイプのオブジェクトを見ますが、迫力のある映像にびっくりします。
次も、銅板に観音様の浮かび上がる外観、タイトルは、「望(のぞみ)」です。 2012年のブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションで発表された作品で、震災のあと、被災地を訪れてボランティア活動なさった伊藤さんの祈りが込められた作品です。
中を覗くと、美しくも不思議な映像に惹きつけられます。
伊藤さんの万華鏡には大胆な発想を形にする力強さと心意気が感じられます。 もともとステンドガラスの作品からスタートした万華鏡作家さんですが、ガラスに加え、銅や錫をデザインに取り入れ、光を操って、独自の世界を広げつつあります。
伊藤美津江万華鏡展
10月28日から11月9日まで。 日曜休廊 12:00ー19:00 最終日5時まで
中央区銀座1-9-8 奥野ビル1F ギャルリー・ヴィヴァン