というわけで、ついに念願の富士山に登ってきました。
世界遺産に認定された昨年はまだリサーチ不足でしたし、人入りとか体力面で尻込みしていましたが、今年に入ってから通算600km以上走り、夏休みには伊吹山登山も余力を残して登ることができたので、むしろ今年行かないでいつ行くの?というくらいの備えは有してきました。もちろん山開きの頃から色々と本を読んで情報収集し、登山道は山梨県側の吉田口が登りやすいことや、弾丸登山も(あくまでも個人的に)可能であること、今年の実情から9月は狙い目であることを導き出し、閉山直前である今週の決行を決意したわけです。
もう少し説明すると、富士山吉田口は全長7km、コースタイムで上り7時間、下り4時間と言われ、高所に順応する時間や、お鉢巡り(吉田口頂上から最高峰まではさらに40分ほど歩く)を考えると、日中登山はこれだけで日照時間ギリギリになってしまうのです。ちなみにコースタイムとは休憩を含まない登山時間のことですから、実際はこれ以上かかる場合もあるわけです。体力的にも厳しいため、一般的には日中登山でなく、山小屋に泊まってついでに山頂もしくは途中で御来光を拝む1泊2日登山が主流になっているのです。しかし、むしろそんな非日常な環境で山小屋に泊まっても、自分は全く寝られる気がしません。また景色が見えない夜に上っても楽しくないし、逆に危険だと判断しました。なるべく予算も抑えたいので、ツアーに申し込んだり一泊7000円の山小屋に泊まったりするよりも、マイカーで5合目に到着次第仮眠を取り、夜が白んでくる5時頃から登り始めれば、懐中電灯も必要なく、十分夕暮れ前には降りてこられるのではないか・・・と考えた次第です。伊吹山の結果から、コースタイムも1~2時間ぐらい縮められる自信もありましたしね。ただ、そのためにはマイカーが必須であり、マイカー規制中の夏休みには身動きがとれなかったのですが、今年は9月14日(静岡側は10日)までやっていて、山小屋は順次休業に入るものの、トイレはまだ使えるようです。また、もう一般的なシーズンではなく、しかもご来光登山とは時間帯もずれるので、登山客は比較的少ないでしょう。後のネックは天候と寒さですが、それは装備で何とでもなる話です。と言うか、ベストコンディションを狙えば人ごみは避けられませんし、予算も出せば出すほど楽になるわけですが、この辺は個人のさじ加減と言うか、欲を言い出だせば切りのない話ですね。人ごみと装備品代を嫌った分、ある程度は体力と根性でカバーしようとは思いつつ、もし荒天ならきっぱり諦めようと考えていましたが、前日昼の時点では何とか大丈夫そうだったので、勢い夕方スーパーでおにぎりと飲み物を買い込み、吉田口に向けてかっ飛ばしました。
河口湖から有料道路である富士スバルライン(2060円)を抜けて、予定通り真夜中に5合目へ到着。しばらく様子見で付近をウロウロしたら、それだけでもう息苦しく、空気が薄いことが分かりました。流石に標高2000mだけあります。伊吹山程度では若干涼しいくらいにしか感じませんでしたが、事前トレーニングでも高度障害に対しては当然全く無策だったので、スタートに立つ以前の段階でもう「タイムを競うのはやめよう」と決意しました(笑)車に戻って服装を整え、仮眠を取ります。しかし1時間ぐらい経った頃、予想外の雨のような音で目が覚めました。山の天気は変わりやすい・・・ということを信じ、寒さに耐えながら再び寝ました。
4時半頃、これ以上眠っていられないほどの寒さに見舞われました。タオルケットぐらい積んでくるべきでしたね。まあ時間的には丁度良かったので起きることにし、おにぎりを食べてトイレを済ませ、協力金の千円も納めて5時15分に出発しました。
何も見えねえ…orz
出発時の状況は最悪で、ものすごい霧と、霧雨のような雨が合羽に纏わりつき、前がほとんど見えません。しかもその状況をあざ笑うかのように、道が若干下り始めたのです。まさか上っていると見せかけて実は下山道に入ってしまったとか・・・開始早々遭難か!?と不安がよぎりましたが、まもなく前を行く団体さんの影が見えたので安心しました。伊吹山は5時前に登り始めて頂上まで誰1人抜かしませんでしたが、さすがに富士山はこんな時間でも人がいるわけですね。後学のために記しておくと、6合目までは途中まで半分ぐらい下りの道で、2kmぐらいあるのですが標高は差し引き85m上るだけの楽なコースのようです。実際、ここまではコースタイムの半分以下の、25分で上れましたからね。道もそれなりに広く、行き違うには十分ですし、砂利道や舗装道、階段等、多岐にわたっていました。しかし、コレは逆に帰りには上らないといけないというフラグなわけで、決して下山時に体力を使い果たしてはいけないという警告だと受け取りました。
5時40分、標高2390mの6合目に到着。ここに山小屋はなく、代わりに「安全指導センター」を兼ねた警察署がありました。こんな所に勤務する方も大変ですね。まだ疲れていないのでそのまま上り続けることに。ここから7合目までは約1.2km、標高差310mと本格的な登山が始まります。道は相変わらずの砂利道ですが、木の板が打ち付けられ階段状に整えられていました。しかしその幅が結構しんどく、なるべく段差の少ない所を探して進んでいきました。相変わらず霧は凄いですが、雨足は邪魔になるほどではないようです。途中少し霧が晴れ、これから登るべき道がうっすら見えたりもしていました。合羽が一種の防寒着の役割を果たし、寒くもなく汗が出るでもなく、丁度良い感じでした。ちなみに服は3枚着ています。レイヤードといって、暑かったら脱げるようにと考えた結果でしたが、結局下山時まで脱ぎませんでした。さすがに9月の富士早朝登山は、最初から最後まで下界の真冬並の寒さでした。水分は1.5L持ってきていましたけど、もしかしたらこんなに必要なかったかもしれません。
6時25分、標高2700mの7合目の花小屋に到着。8合目までは1.4km、標高差400mありますが、この辺りから標高100m間隔ぐらいで山小屋が点在し始め、ソレを目安に休憩が取りやすくなります。ただし花小屋は先客が多かったので座らずに、その上の鎌岩館と言う所まで上って初休憩。道もこの辺りから急な岩場が目立つようになり、かなり苦心するようになりました。
時折霧が晴れて、次の目標となる山小屋がはっきり見えるようになりました。こうして見るとすごく近いように見えますが、実際は崖をジグザグに上るような感じなので、中々辿り着けません。8合目までは流石に疲れてきて一気に登ることはできず、間の鳥居館、東洋館の前でもしっかり休憩しました。ここまで上ってくるとさすがに霧も下に仰ぐようになり、ようやく合羽を脱ぐことができました。日焼け止めを塗ろうと蓋を開けると中身が爆発・・・気圧もかなり低いようです。とにかく上も下も絶景。本当に来て良かったです。まあ、東洋館の時点ではまだ距離的にも標高的にも丁度半分といった所なので、正直まだ登頂できる自信はありませんでした。流石に標高3000mとなると息苦しさが顕著になり、少しでも無理をするとすぐに息が上がってしまいます。万が一この時点で高山病になってしまったら、酸素などの装備は持っていないので下山するしかありません。まあ、日本には標高3200mを越える山はココしかありませんから、仮に乗鞍岳などで高度トレーニングをしてきたとしても、結果は一緒でしょう。標高に慣らすためにここからは余り急がず、なるべく息を切らさない程度のゆっくりとした歩みを心がけ、時速1km程度の亀の歩みで進んでいきました。と言うか、手をつかないと登れないような岩壁地帯では行き違うのも一苦労ですし、回りの人もソレくらいの速度でしか進まないので、ある意味自然渋滞だともいえるでしょう。予想通り登山者は少なかったと思いますが、常に前方に数人は仰ぐような感じでした。これでもっと登山者が多かったら自分のペースで上ることはほぼ不可能に近いですね。御来光渋滞とかの画像を見ると、早朝登山で良かったと思います。
7時50分、標高3100mの8合目太子館に到着。風が出てきてさすがに寒くなり、用意してきた最強装備であるウインドブレーカーを羽織りました。道は再び砂利道に戻り、たまに岩場が出るような感じでした。お茶も丁度1本飲み干し、水分補給は中々良いペースです。飲み物はこの辺りの山小屋で既に400円ぐらい取られるので、なるべくなら持参した残り2本で凌ぎたい所です。着替えを車に残した分、荷物は伊吹山の時より相当軽いですからね。途中にあった温度計を見てみると、2℃・・・下界も多少涼しくなったとはいえ、ココは桁1つ間違えてないか(笑)
8合目からさらに標高300mほど上がった所に、もう1つ「本8合目」と言う所がありました。8~9合目は3km近くありますし、さらに標高50mほど上ったところに8合5勺という所もあり、よく分からない刻み方がされています。距離的には本8が大体8と9の中間辺りという感じです。ちなみに9合目から頂上までは400mぐらいしかないので、むしろ本8合目か8合5勺辺りを実質的な9合目だと見て、9合目は9合5勺だと思った方が良いかも知れません。9時10分に本8合目トモエ館付近に到着し、9時35分に8合5勺の御来光館に到着しました。この辺、高度順応を図ろうとしてかなりゆっくりめに進んでいます。まだ空腹ではありませんでしたがここでおにぎりを食べ、ハンガーノックを予防しラストスパートに備えることにしました。万事抜かりなし!カメラは地面に落としたけど・・・orz
10時15分、標高3600mの9合目にある鳥居に到着。いよいよ頂上まであと標高差110m、実距離にして400m歩くのみとなりました。前述の通り少々近すぎて不思議な気もしますが、まあ最後の最後は少し短めのほうが気分的に嬉しいですね。伊吹山も確か9合目から頂上は傾斜が緩やかになり、比較的楽だった気がします。しかし、この高さともなれば、たかが400m、されど400mです。本当に、最後のこの距離が異様に長く感じました。もちろん相当休憩していましたが、頂上まで40分もかかっていますしね。均すと1分で10mしか進んでいません。泳ぐよりも遅いペースで天空を歩くのです。大分高山病にビビって最後の最後で対策をした結果ですが、その結果、体調も万全のまま無事10時55分、頂上の地を踏みしめることに成功しました。
合計登山時間は5時間40分。うち休憩は1時間強と言った所でしょうか。伊吹山の時に予測したよりはかかりましたが、やはり高山病対策でゆっくりめに上ることが富士山では死活問題になりますから、順当な所でしょう。まあ多少なりとも鍛えていたことが、コースタイムより1時間以上縮められた成果だと言えるかもしれません。つーか、グレートトラバースの人は5時に0合目(スバルラインの下)を出て、12時に頂上に着いたそうですけどね。化け物だ・・・
お鉢巡り、下山編へ続きます。
世界遺産に認定された昨年はまだリサーチ不足でしたし、人入りとか体力面で尻込みしていましたが、今年に入ってから通算600km以上走り、夏休みには伊吹山登山も余力を残して登ることができたので、むしろ今年行かないでいつ行くの?というくらいの備えは有してきました。もちろん山開きの頃から色々と本を読んで情報収集し、登山道は山梨県側の吉田口が登りやすいことや、弾丸登山も(あくまでも個人的に)可能であること、今年の実情から9月は狙い目であることを導き出し、閉山直前である今週の決行を決意したわけです。
もう少し説明すると、富士山吉田口は全長7km、コースタイムで上り7時間、下り4時間と言われ、高所に順応する時間や、お鉢巡り(吉田口頂上から最高峰まではさらに40分ほど歩く)を考えると、日中登山はこれだけで日照時間ギリギリになってしまうのです。ちなみにコースタイムとは休憩を含まない登山時間のことですから、実際はこれ以上かかる場合もあるわけです。体力的にも厳しいため、一般的には日中登山でなく、山小屋に泊まってついでに山頂もしくは途中で御来光を拝む1泊2日登山が主流になっているのです。しかし、むしろそんな非日常な環境で山小屋に泊まっても、自分は全く寝られる気がしません。また景色が見えない夜に上っても楽しくないし、逆に危険だと判断しました。なるべく予算も抑えたいので、ツアーに申し込んだり一泊7000円の山小屋に泊まったりするよりも、マイカーで5合目に到着次第仮眠を取り、夜が白んでくる5時頃から登り始めれば、懐中電灯も必要なく、十分夕暮れ前には降りてこられるのではないか・・・と考えた次第です。伊吹山の結果から、コースタイムも1~2時間ぐらい縮められる自信もありましたしね。ただ、そのためにはマイカーが必須であり、マイカー規制中の夏休みには身動きがとれなかったのですが、今年は9月14日(静岡側は10日)までやっていて、山小屋は順次休業に入るものの、トイレはまだ使えるようです。また、もう一般的なシーズンではなく、しかもご来光登山とは時間帯もずれるので、登山客は比較的少ないでしょう。後のネックは天候と寒さですが、それは装備で何とでもなる話です。と言うか、ベストコンディションを狙えば人ごみは避けられませんし、予算も出せば出すほど楽になるわけですが、この辺は個人のさじ加減と言うか、欲を言い出だせば切りのない話ですね。人ごみと装備品代を嫌った分、ある程度は体力と根性でカバーしようとは思いつつ、もし荒天ならきっぱり諦めようと考えていましたが、前日昼の時点では何とか大丈夫そうだったので、勢い夕方スーパーでおにぎりと飲み物を買い込み、吉田口に向けてかっ飛ばしました。
河口湖から有料道路である富士スバルライン(2060円)を抜けて、予定通り真夜中に5合目へ到着。しばらく様子見で付近をウロウロしたら、それだけでもう息苦しく、空気が薄いことが分かりました。流石に標高2000mだけあります。伊吹山程度では若干涼しいくらいにしか感じませんでしたが、事前トレーニングでも高度障害に対しては当然全く無策だったので、スタートに立つ以前の段階でもう「タイムを競うのはやめよう」と決意しました(笑)車に戻って服装を整え、仮眠を取ります。しかし1時間ぐらい経った頃、予想外の雨のような音で目が覚めました。山の天気は変わりやすい・・・ということを信じ、寒さに耐えながら再び寝ました。
4時半頃、これ以上眠っていられないほどの寒さに見舞われました。タオルケットぐらい積んでくるべきでしたね。まあ時間的には丁度良かったので起きることにし、おにぎりを食べてトイレを済ませ、協力金の千円も納めて5時15分に出発しました。
何も見えねえ…orz
出発時の状況は最悪で、ものすごい霧と、霧雨のような雨が合羽に纏わりつき、前がほとんど見えません。しかもその状況をあざ笑うかのように、道が若干下り始めたのです。まさか上っていると見せかけて実は下山道に入ってしまったとか・・・開始早々遭難か!?と不安がよぎりましたが、まもなく前を行く団体さんの影が見えたので安心しました。伊吹山は5時前に登り始めて頂上まで誰1人抜かしませんでしたが、さすがに富士山はこんな時間でも人がいるわけですね。後学のために記しておくと、6合目までは途中まで半分ぐらい下りの道で、2kmぐらいあるのですが標高は差し引き85m上るだけの楽なコースのようです。実際、ここまではコースタイムの半分以下の、25分で上れましたからね。道もそれなりに広く、行き違うには十分ですし、砂利道や舗装道、階段等、多岐にわたっていました。しかし、コレは逆に帰りには上らないといけないというフラグなわけで、決して下山時に体力を使い果たしてはいけないという警告だと受け取りました。
5時40分、標高2390mの6合目に到着。ここに山小屋はなく、代わりに「安全指導センター」を兼ねた警察署がありました。こんな所に勤務する方も大変ですね。まだ疲れていないのでそのまま上り続けることに。ここから7合目までは約1.2km、標高差310mと本格的な登山が始まります。道は相変わらずの砂利道ですが、木の板が打ち付けられ階段状に整えられていました。しかしその幅が結構しんどく、なるべく段差の少ない所を探して進んでいきました。相変わらず霧は凄いですが、雨足は邪魔になるほどではないようです。途中少し霧が晴れ、これから登るべき道がうっすら見えたりもしていました。合羽が一種の防寒着の役割を果たし、寒くもなく汗が出るでもなく、丁度良い感じでした。ちなみに服は3枚着ています。レイヤードといって、暑かったら脱げるようにと考えた結果でしたが、結局下山時まで脱ぎませんでした。さすがに9月の富士早朝登山は、最初から最後まで下界の真冬並の寒さでした。水分は1.5L持ってきていましたけど、もしかしたらこんなに必要なかったかもしれません。
6時25分、標高2700mの7合目の花小屋に到着。8合目までは1.4km、標高差400mありますが、この辺りから標高100m間隔ぐらいで山小屋が点在し始め、ソレを目安に休憩が取りやすくなります。ただし花小屋は先客が多かったので座らずに、その上の鎌岩館と言う所まで上って初休憩。道もこの辺りから急な岩場が目立つようになり、かなり苦心するようになりました。
時折霧が晴れて、次の目標となる山小屋がはっきり見えるようになりました。こうして見るとすごく近いように見えますが、実際は崖をジグザグに上るような感じなので、中々辿り着けません。8合目までは流石に疲れてきて一気に登ることはできず、間の鳥居館、東洋館の前でもしっかり休憩しました。ここまで上ってくるとさすがに霧も下に仰ぐようになり、ようやく合羽を脱ぐことができました。日焼け止めを塗ろうと蓋を開けると中身が爆発・・・気圧もかなり低いようです。とにかく上も下も絶景。本当に来て良かったです。まあ、東洋館の時点ではまだ距離的にも標高的にも丁度半分といった所なので、正直まだ登頂できる自信はありませんでした。流石に標高3000mとなると息苦しさが顕著になり、少しでも無理をするとすぐに息が上がってしまいます。万が一この時点で高山病になってしまったら、酸素などの装備は持っていないので下山するしかありません。まあ、日本には標高3200mを越える山はココしかありませんから、仮に乗鞍岳などで高度トレーニングをしてきたとしても、結果は一緒でしょう。標高に慣らすためにここからは余り急がず、なるべく息を切らさない程度のゆっくりとした歩みを心がけ、時速1km程度の亀の歩みで進んでいきました。と言うか、手をつかないと登れないような岩壁地帯では行き違うのも一苦労ですし、回りの人もソレくらいの速度でしか進まないので、ある意味自然渋滞だともいえるでしょう。予想通り登山者は少なかったと思いますが、常に前方に数人は仰ぐような感じでした。これでもっと登山者が多かったら自分のペースで上ることはほぼ不可能に近いですね。御来光渋滞とかの画像を見ると、早朝登山で良かったと思います。
7時50分、標高3100mの8合目太子館に到着。風が出てきてさすがに寒くなり、用意してきた最強装備であるウインドブレーカーを羽織りました。道は再び砂利道に戻り、たまに岩場が出るような感じでした。お茶も丁度1本飲み干し、水分補給は中々良いペースです。飲み物はこの辺りの山小屋で既に400円ぐらい取られるので、なるべくなら持参した残り2本で凌ぎたい所です。着替えを車に残した分、荷物は伊吹山の時より相当軽いですからね。途中にあった温度計を見てみると、2℃・・・下界も多少涼しくなったとはいえ、ココは桁1つ間違えてないか(笑)
8合目からさらに標高300mほど上がった所に、もう1つ「本8合目」と言う所がありました。8~9合目は3km近くありますし、さらに標高50mほど上ったところに8合5勺という所もあり、よく分からない刻み方がされています。距離的には本8が大体8と9の中間辺りという感じです。ちなみに9合目から頂上までは400mぐらいしかないので、むしろ本8合目か8合5勺辺りを実質的な9合目だと見て、9合目は9合5勺だと思った方が良いかも知れません。9時10分に本8合目トモエ館付近に到着し、9時35分に8合5勺の御来光館に到着しました。この辺、高度順応を図ろうとしてかなりゆっくりめに進んでいます。まだ空腹ではありませんでしたがここでおにぎりを食べ、ハンガーノックを予防しラストスパートに備えることにしました。万事抜かりなし!カメラは地面に落としたけど・・・orz
10時15分、標高3600mの9合目にある鳥居に到着。いよいよ頂上まであと標高差110m、実距離にして400m歩くのみとなりました。前述の通り少々近すぎて不思議な気もしますが、まあ最後の最後は少し短めのほうが気分的に嬉しいですね。伊吹山も確か9合目から頂上は傾斜が緩やかになり、比較的楽だった気がします。しかし、この高さともなれば、たかが400m、されど400mです。本当に、最後のこの距離が異様に長く感じました。もちろん相当休憩していましたが、頂上まで40分もかかっていますしね。均すと1分で10mしか進んでいません。泳ぐよりも遅いペースで天空を歩くのです。大分高山病にビビって最後の最後で対策をした結果ですが、その結果、体調も万全のまま無事10時55分、頂上の地を踏みしめることに成功しました。
合計登山時間は5時間40分。うち休憩は1時間強と言った所でしょうか。伊吹山の時に予測したよりはかかりましたが、やはり高山病対策でゆっくりめに上ることが富士山では死活問題になりますから、順当な所でしょう。まあ多少なりとも鍛えていたことが、コースタイムより1時間以上縮められた成果だと言えるかもしれません。つーか、グレートトラバースの人は5時に0合目(スバルラインの下)を出て、12時に頂上に着いたそうですけどね。化け物だ・・・
お鉢巡り、下山編へ続きます。