富士山の夏山シーズン終了…登山者6万7千人減
やはり今年は狙い目だったようですね。駆け込み登山でしたが、大正解だったようです。
今年は7年ぶりの低水準らしいですが、むしろ2007年まで25万程度だった登山者が、2008年から一気に5万人も増え、30万人を突破しそのまま昨年まで高止まりしていた感じなので、今年は戻ったとも受け取れます。2008年に何があったかは定かではありませんが、特に吉田口の登山者が急増したとのこと。一応の理由としては世界文化遺産に向けた取り組みが加速し始めた時期だったので、宣伝のためベテランが何度も上ったり、若者による弾丸登山が増えたりしたことが挙げられるようです。トイレ環境も2006年頃に良くなったらしいですしね。
任意の入山料1000円徴収程度では低調の理由にはならないでしょうし、天候不順が続いたこともありますけど、一番の理由はやはり過去最長53日間のマイカー規制だと思います。9月の開山延長は今年からだったようですが、自分もマイカーでなければ臨めなかったでしょう。せめてシャトルバスが24時間運行していれば・・・まあ、このまま高止まりが続くと世界遺産登録抹消となるかもしれないらしいので、ひょっとしたらベテラン勢が自粛していたのかもしれません。来年も同じ感じで乗り切り、2016年からまた登山者大爆発となるのではないでしょうか。いずれにしても、空いている時に上りたいという自分の狙いは当たったことになりますね。「富士に一度も登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿」とも言いますし、確かに高山病こそ回避できたとはいえ、かなり体力や神経を消耗しましたから、頂上でも下りてからも、とりあえず「来年ももう一度・・・」という類の感想は抱きませんでした。喉元過ぎれば・・・で、来年は分かりませんが。
では登頂記の続きをば。
山頂はそれなりに人がいましたが、思ったほどではありませんでした。予定通り午前中に頂上まで来られたので、日暮れまでにはかなり余裕があります。売店のような所では、ついにペットボトルが500円になっていました。また、途中の山小屋もずいぶん閉まっていましたけど、山頂では神社まで休業するようです。二度と来られなくてもいいように付近をウロウロし、しばらく休憩した後、お鉢巡りに挑戦しました。富士山の頂上は火口を囲むように一周3kmぐらいのトレッキングコースになっていて、自分が登ってきた山梨側の吉田口と静岡側の富士宮口の頂上は、時計で言うと3時と9時辺りに位置し、それぞれ反対側にある感じです。そして日本最高峰の剣ヶ峰は11時辺りなので、どちらかと言うと静岡側にあり、吉田口から登った場合は最低40分ほどかけて反対側まで歩いていかないといけないのです。ぐるっと一周しても良かったのですが、この日本最高所に長くいられる自信は余りなかったので、剣ヶ峰方面に近い反時計回りに進み、同じ道を往復してくることにしました。山道ほどではありませんがそれなりの起伏があり、少しでもペースを上げるとすぐに息が切れます。尾根を2つ越えるような感じでアップダウンを繰り返し、ようやく最後の上りをクリアして、ジャスト正午に剣ヶ峰3776mに到達しました。
この奥に観測所のような建物が建っており、実質そこが日本一の高さのようですが、さすがに上れないようでした。しばらくここに留まって写真を撮ったり撮らされたりした後、まどみちおさんの「1年生になったら」の歌詞にあるように、おもむろにおにぎりを食べてきました(笑)流石に1年生100人をここまで引率してくる勇気はありませんね・・・そういえば子どもはほとんどいなかったような。半袖短パンの外国人はいましたけど・・・どういう体の構造しているのだろう?
20分ほどその場を満喫した後、元来た道を帰りました。来る途中も、何か温かい空気を感じ不思議に思っていたのですが、帰りも同じ場所で感じたので気になって地面を触ってみたら、若干熱をもっていました。よく見ると硫黄の黄白色に染まった石が所々に落ちています。富士山は活火山だと言うことが良く分かりました。下山道の脇には氷柱も見られ、温められたり冷やされたり、苛酷な環境であることもよく分かります。
再び吉田口側に戻ってきて、そこで持ってきたお菓子を食べ、下山に備えました。登山道を見下ろすとまだまだ続々と上ってくるようだったので、普通に日中登山を試みる人も案外少なくはないのかもしれません。まあ、コースタイム通りならこの後昼過ぎに一応のピークが来るはずです。ご来光組の場合は夕方か夜明け前にピークになりますし、自分の上った正午前という時間帯は、どうやら朝一登山の先発隊と言うか、予定通りピークを避けて上って来られたようでした。実際、下りた後のスバルラインの駐車場は満員で、側道にまで車が停まっていましたから、丁度良いタイミングでアプローチできたのは間違いないでしょう。風は強く、気温も低いけど、一応真昼なので耐えられないほどではありません。水分はこの時点でお茶とスポーツドリンクが半分ずつ残っていたので、まあ下山も持つでしょう。体調も悪くはありません。あとは怪我をせずに下り切るだけです。
トイレに行って、13時半に下山開始。下山道は須走口と同じで、行きとは違う所にあります。行きは○合目ごとにそれなりに変化に富んだ道でしたが、帰りは延々と砂地が続き、多少滑りながらひたすらジグザグと降りていきます。砂煙が凄いことになるという情報があったので、マスクをしていきました。無論まだ高所ですからあまり急ぐことはできず、「砂走り」もできません。ただ全く休憩しないままひたすら下り、14時に8合目分岐、14時50分に7合目トイレ前、15時半に6合目合流地点と通り過ぎ、16時にはもう下山完了となりました。ジャスト2時間半でしたね。コースタイムは4時間なので、相当早く下りて来られました。懸念していた最後の上りとなる所は、標高3700mでの簡易高地トレーニングが効いたのか、全く息が切れることなく上れました。むしろひたすら下り続きで足が痛くなっていたので、最後の登りはまるでご褒美のようでした(笑)これは普段のジョギングも楽々できるようになるのかもしれません。また、8合目分岐で須走口と分かれるのですが、今年は分岐をずらしてロープを張る対策もされたようですし、しゃべる立て札が示されており、間違いようがないようにすら思いました。まあ、薄暗いと万が一と言うこともあるのかもしれませんけどね。
気がつけば靴がが砂埃で真っ赤に。足腰には自信があったので靴に関しては全く頓着せず、普通のスニーカーで行きましたが、帰りは結構深く砂に埋まりますし、また上りの岩場が雨に濡れていたりすると、それなりの登山シューズが必要だったのかもしれません。いずれにしても、この富士登山に関して特別に買った装備は何もなく、行き帰りの交通費を除けば、スバルラインの2060円、入山料1000円、山頂トイレ300円、おにぎり6個とパン・ペットボトル3本、おやつ少々で約1500円、合計5千円以内というリーズナブルな出費に収まりました。今から思えば、山頂で土産ぐらい買っても良かったかもしれませんね(笑)
まあ、それだけで帰るのも味気ないので、とりあえず立ち寄り湯800円に浸かって、甲府名物である「ほうとう」を食べました。どう考えても冬の食べ物なのですが、富士山はずっと寒かったので、夏場でも温かいものが食べたくなる気持ちは良く分かります。どでかい有名店らしき所で、熟瓜餺飩(かぼちゃほうとう)一人前1150円と結構しましたが、どう考えても野菜や麺は2人分ぐらい入っていて、ほとんどの客が食べきれずに残していました。それで商売成り立つのか・・・?
自分には4食ぶりのご馳走だったので、しっかり完食。また車の中で仮眠をとり、岐路に着きました。
総括してみると、富士山は標高が高いと言うことが良い面も悪い面もあり、総合的には伊吹山よりもある意味楽だったように感じました。標高が高いと息苦しく、無理ができないので、必然的に歩みがゆっくりになり、一定の速さで登ることができます。ペースを上げたり、一気に駆け上ったりして後でゼイゼイとやるより、同じペースで休憩せず進んだ方が効率も良く疲れも少ないことは、ジョギングなどと同じ理屈です。7合目辺りには手を使わないと苦しい岩場もありますが、距離が長い分、全体的な傾斜はそれほどあるわけではないので、5合目でしっかりと高度に順応させ、一歩一歩亀の歩みで登れば、子どもやお年寄りでも不可能な山ではないでしょう。
また、気温が低いことも利点としてあげられます。余りに寒いのは体力を奪われますが、しっかりと防寒できていれば、冬のジョギングのように汗もあまり出ずに楽に行ける気がするのです。夏場は平地でも立っているだけで汗が出ますし、ジョギングすれば5分で汗だくです。夏場に本気で運動しようとすれば、それこそシャツが絞れるほど汗をかき、それだけで相当体力を消耗します。水分補給をするために、ペットボトルも余分に持っていかないといけませんから、荷物もその分重くなってしまいます。伊吹山では途中で買ったのも合わせて2.5リットルも飲みましたが、富士山では結果的に8合目までに1本、頂上で1本ぐらいの水分で十分でした。もちろん1本は予備があった方が良いので、1.5リットル持っていったことは後悔していません。それでも、これだけで荷物の重さが1kg違うことになりますから、非常に大きいですね。まあ、8月の最盛期ではないし、序盤は霧雨状態だったので、たまたま必要なかっただけかもしれません。
持って行った物は、普通のリュックに飲み物、おにぎり、おやつ、手ぬぐい、タオル、ハンカチ、おしぼり、ウィンドブレーカー、レインコート(ポンチョタイプ上のみ)、ガイドブック、ビニール袋、メモ帳とペン、小銭、携帯、マスク、カメラ、ティッシュ、救急用品、日焼け止め、軍手です。装備は伊吹山の反省を生かして極力少なくしたので、リュックの重さは全く気になりませんでした。アレもコレもと予防策を取り出すと、無駄な重さで逆に辛い思いをすることになりますから、コツは最低限必要なものを考えることです。工夫したのは予め濡らしたハンドタオルを持っていったこと。まあ、ウェットティッシュがあればその方が良いかもしれません。ライトは携帯の光で代用するつもりでしたし、時計も携帯で十分。またコースタイムの記録はわざわざメモせず、写真の時刻を後で拾うことにし、到着時、出発時など、要所要所で写真を撮ることにしました。立て札や山小屋を撮っておくと、距離や標高も分かって後で便利ですね。途中落として焦りましたが、何とか動いてくれたので助かりました。これも最悪携帯で代用できるでしょう。帽子は飛ばされると嫌なので、手ぬぐいを頭に巻きました。伊吹山ではタオルが絞れるほど汗をかきましたけど、ここではハンカチで十分でした。むしろ首に巻いていると飛ばされそうになったので、タオルはほとんど使いませんでした。軍手も出番なし。杖やストックなどは、普段使っていないので返って邪魔になると判断しました。携帯酸素も、十分時間をかけて登れば必要ないでしょう。
5合目からの総活動時間は5時-16時だったので、合計11時間です。結果的には2時間ずらしても良かったかもしれませんけど、混雑状況なども考えるとまあ最善だったと思います。ただし、前日夕方からかっとばしてきているので、ちゃんと仮眠はとったとはいえ0泊3日の強行日程であり、睡眠時間は非常に少なく、帰宅後は即爆睡しました。行き帰りの行程まで含めれば、伊吹山は比べ物にならないほど楽でしたね。
まあ、コレが叶うなら普通の金土日に行って来ることも不可能ではないわけですが、この弾丸行程だけは余りお勧めできません(笑)一生に一度の大冒険だったと言えるでしょう。
やはり今年は狙い目だったようですね。駆け込み登山でしたが、大正解だったようです。
今年は7年ぶりの低水準らしいですが、むしろ2007年まで25万程度だった登山者が、2008年から一気に5万人も増え、30万人を突破しそのまま昨年まで高止まりしていた感じなので、今年は戻ったとも受け取れます。2008年に何があったかは定かではありませんが、特に吉田口の登山者が急増したとのこと。一応の理由としては世界文化遺産に向けた取り組みが加速し始めた時期だったので、宣伝のためベテランが何度も上ったり、若者による弾丸登山が増えたりしたことが挙げられるようです。トイレ環境も2006年頃に良くなったらしいですしね。
任意の入山料1000円徴収程度では低調の理由にはならないでしょうし、天候不順が続いたこともありますけど、一番の理由はやはり過去最長53日間のマイカー規制だと思います。9月の開山延長は今年からだったようですが、自分もマイカーでなければ臨めなかったでしょう。せめてシャトルバスが24時間運行していれば・・・まあ、このまま高止まりが続くと世界遺産登録抹消となるかもしれないらしいので、ひょっとしたらベテラン勢が自粛していたのかもしれません。来年も同じ感じで乗り切り、2016年からまた登山者大爆発となるのではないでしょうか。いずれにしても、空いている時に上りたいという自分の狙いは当たったことになりますね。「富士に一度も登らぬ馬鹿、二度登る馬鹿」とも言いますし、確かに高山病こそ回避できたとはいえ、かなり体力や神経を消耗しましたから、頂上でも下りてからも、とりあえず「来年ももう一度・・・」という類の感想は抱きませんでした。喉元過ぎれば・・・で、来年は分かりませんが。
では登頂記の続きをば。
山頂はそれなりに人がいましたが、思ったほどではありませんでした。予定通り午前中に頂上まで来られたので、日暮れまでにはかなり余裕があります。売店のような所では、ついにペットボトルが500円になっていました。また、途中の山小屋もずいぶん閉まっていましたけど、山頂では神社まで休業するようです。二度と来られなくてもいいように付近をウロウロし、しばらく休憩した後、お鉢巡りに挑戦しました。富士山の頂上は火口を囲むように一周3kmぐらいのトレッキングコースになっていて、自分が登ってきた山梨側の吉田口と静岡側の富士宮口の頂上は、時計で言うと3時と9時辺りに位置し、それぞれ反対側にある感じです。そして日本最高峰の剣ヶ峰は11時辺りなので、どちらかと言うと静岡側にあり、吉田口から登った場合は最低40分ほどかけて反対側まで歩いていかないといけないのです。ぐるっと一周しても良かったのですが、この日本最高所に長くいられる自信は余りなかったので、剣ヶ峰方面に近い反時計回りに進み、同じ道を往復してくることにしました。山道ほどではありませんがそれなりの起伏があり、少しでもペースを上げるとすぐに息が切れます。尾根を2つ越えるような感じでアップダウンを繰り返し、ようやく最後の上りをクリアして、ジャスト正午に剣ヶ峰3776mに到達しました。
この奥に観測所のような建物が建っており、実質そこが日本一の高さのようですが、さすがに上れないようでした。しばらくここに留まって写真を撮ったり撮らされたりした後、まどみちおさんの「1年生になったら」の歌詞にあるように、おもむろにおにぎりを食べてきました(笑)流石に1年生100人をここまで引率してくる勇気はありませんね・・・そういえば子どもはほとんどいなかったような。半袖短パンの外国人はいましたけど・・・どういう体の構造しているのだろう?
20分ほどその場を満喫した後、元来た道を帰りました。来る途中も、何か温かい空気を感じ不思議に思っていたのですが、帰りも同じ場所で感じたので気になって地面を触ってみたら、若干熱をもっていました。よく見ると硫黄の黄白色に染まった石が所々に落ちています。富士山は活火山だと言うことが良く分かりました。下山道の脇には氷柱も見られ、温められたり冷やされたり、苛酷な環境であることもよく分かります。
再び吉田口側に戻ってきて、そこで持ってきたお菓子を食べ、下山に備えました。登山道を見下ろすとまだまだ続々と上ってくるようだったので、普通に日中登山を試みる人も案外少なくはないのかもしれません。まあ、コースタイム通りならこの後昼過ぎに一応のピークが来るはずです。ご来光組の場合は夕方か夜明け前にピークになりますし、自分の上った正午前という時間帯は、どうやら朝一登山の先発隊と言うか、予定通りピークを避けて上って来られたようでした。実際、下りた後のスバルラインの駐車場は満員で、側道にまで車が停まっていましたから、丁度良いタイミングでアプローチできたのは間違いないでしょう。風は強く、気温も低いけど、一応真昼なので耐えられないほどではありません。水分はこの時点でお茶とスポーツドリンクが半分ずつ残っていたので、まあ下山も持つでしょう。体調も悪くはありません。あとは怪我をせずに下り切るだけです。
トイレに行って、13時半に下山開始。下山道は須走口と同じで、行きとは違う所にあります。行きは○合目ごとにそれなりに変化に富んだ道でしたが、帰りは延々と砂地が続き、多少滑りながらひたすらジグザグと降りていきます。砂煙が凄いことになるという情報があったので、マスクをしていきました。無論まだ高所ですからあまり急ぐことはできず、「砂走り」もできません。ただ全く休憩しないままひたすら下り、14時に8合目分岐、14時50分に7合目トイレ前、15時半に6合目合流地点と通り過ぎ、16時にはもう下山完了となりました。ジャスト2時間半でしたね。コースタイムは4時間なので、相当早く下りて来られました。懸念していた最後の上りとなる所は、標高3700mでの簡易高地トレーニングが効いたのか、全く息が切れることなく上れました。むしろひたすら下り続きで足が痛くなっていたので、最後の登りはまるでご褒美のようでした(笑)これは普段のジョギングも楽々できるようになるのかもしれません。また、8合目分岐で須走口と分かれるのですが、今年は分岐をずらしてロープを張る対策もされたようですし、しゃべる立て札が示されており、間違いようがないようにすら思いました。まあ、薄暗いと万が一と言うこともあるのかもしれませんけどね。
気がつけば靴がが砂埃で真っ赤に。足腰には自信があったので靴に関しては全く頓着せず、普通のスニーカーで行きましたが、帰りは結構深く砂に埋まりますし、また上りの岩場が雨に濡れていたりすると、それなりの登山シューズが必要だったのかもしれません。いずれにしても、この富士登山に関して特別に買った装備は何もなく、行き帰りの交通費を除けば、スバルラインの2060円、入山料1000円、山頂トイレ300円、おにぎり6個とパン・ペットボトル3本、おやつ少々で約1500円、合計5千円以内というリーズナブルな出費に収まりました。今から思えば、山頂で土産ぐらい買っても良かったかもしれませんね(笑)
まあ、それだけで帰るのも味気ないので、とりあえず立ち寄り湯800円に浸かって、甲府名物である「ほうとう」を食べました。どう考えても冬の食べ物なのですが、富士山はずっと寒かったので、夏場でも温かいものが食べたくなる気持ちは良く分かります。どでかい有名店らしき所で、熟瓜餺飩(かぼちゃほうとう)一人前1150円と結構しましたが、どう考えても野菜や麺は2人分ぐらい入っていて、ほとんどの客が食べきれずに残していました。それで商売成り立つのか・・・?
自分には4食ぶりのご馳走だったので、しっかり完食。また車の中で仮眠をとり、岐路に着きました。
総括してみると、富士山は標高が高いと言うことが良い面も悪い面もあり、総合的には伊吹山よりもある意味楽だったように感じました。標高が高いと息苦しく、無理ができないので、必然的に歩みがゆっくりになり、一定の速さで登ることができます。ペースを上げたり、一気に駆け上ったりして後でゼイゼイとやるより、同じペースで休憩せず進んだ方が効率も良く疲れも少ないことは、ジョギングなどと同じ理屈です。7合目辺りには手を使わないと苦しい岩場もありますが、距離が長い分、全体的な傾斜はそれほどあるわけではないので、5合目でしっかりと高度に順応させ、一歩一歩亀の歩みで登れば、子どもやお年寄りでも不可能な山ではないでしょう。
また、気温が低いことも利点としてあげられます。余りに寒いのは体力を奪われますが、しっかりと防寒できていれば、冬のジョギングのように汗もあまり出ずに楽に行ける気がするのです。夏場は平地でも立っているだけで汗が出ますし、ジョギングすれば5分で汗だくです。夏場に本気で運動しようとすれば、それこそシャツが絞れるほど汗をかき、それだけで相当体力を消耗します。水分補給をするために、ペットボトルも余分に持っていかないといけませんから、荷物もその分重くなってしまいます。伊吹山では途中で買ったのも合わせて2.5リットルも飲みましたが、富士山では結果的に8合目までに1本、頂上で1本ぐらいの水分で十分でした。もちろん1本は予備があった方が良いので、1.5リットル持っていったことは後悔していません。それでも、これだけで荷物の重さが1kg違うことになりますから、非常に大きいですね。まあ、8月の最盛期ではないし、序盤は霧雨状態だったので、たまたま必要なかっただけかもしれません。
持って行った物は、普通のリュックに飲み物、おにぎり、おやつ、手ぬぐい、タオル、ハンカチ、おしぼり、ウィンドブレーカー、レインコート(ポンチョタイプ上のみ)、ガイドブック、ビニール袋、メモ帳とペン、小銭、携帯、マスク、カメラ、ティッシュ、救急用品、日焼け止め、軍手です。装備は伊吹山の反省を生かして極力少なくしたので、リュックの重さは全く気になりませんでした。アレもコレもと予防策を取り出すと、無駄な重さで逆に辛い思いをすることになりますから、コツは最低限必要なものを考えることです。工夫したのは予め濡らしたハンドタオルを持っていったこと。まあ、ウェットティッシュがあればその方が良いかもしれません。ライトは携帯の光で代用するつもりでしたし、時計も携帯で十分。またコースタイムの記録はわざわざメモせず、写真の時刻を後で拾うことにし、到着時、出発時など、要所要所で写真を撮ることにしました。立て札や山小屋を撮っておくと、距離や標高も分かって後で便利ですね。途中落として焦りましたが、何とか動いてくれたので助かりました。これも最悪携帯で代用できるでしょう。帽子は飛ばされると嫌なので、手ぬぐいを頭に巻きました。伊吹山ではタオルが絞れるほど汗をかきましたけど、ここではハンカチで十分でした。むしろ首に巻いていると飛ばされそうになったので、タオルはほとんど使いませんでした。軍手も出番なし。杖やストックなどは、普段使っていないので返って邪魔になると判断しました。携帯酸素も、十分時間をかけて登れば必要ないでしょう。
5合目からの総活動時間は5時-16時だったので、合計11時間です。結果的には2時間ずらしても良かったかもしれませんけど、混雑状況なども考えるとまあ最善だったと思います。ただし、前日夕方からかっとばしてきているので、ちゃんと仮眠はとったとはいえ0泊3日の強行日程であり、睡眠時間は非常に少なく、帰宅後は即爆睡しました。行き帰りの行程まで含めれば、伊吹山は比べ物にならないほど楽でしたね。
まあ、コレが叶うなら普通の金土日に行って来ることも不可能ではないわけですが、この弾丸行程だけは余りお勧めできません(笑)一生に一度の大冒険だったと言えるでしょう。