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道徳講演会を聴きながら

2009年10月01日 | Weblog
先日、中津の病院の看護師さんをお招きして、学校で、「生命の尊重」をテーマとした道徳講演会を開催しました。


 ベテランの講師の方でしたが、涙を流しながら、エンゼルケアのことなどを話してくれました。エンゼルケアとは、亡くなってから、すぐに行う処置のことです。看護体験の中での亡くなる瞬間のことも話してくれました。


 ふと自分の体験とダブル部分がありました。父が亡くなる時のこともいつまでたっても忘れることができません。二番目の姉が父が危篤になって横浜から急いで戻ってきていました。しかし、みんなを握っていた父の手にも力が入らなくなり、意識がなくなっていきました。


父が信頼していた先生、看護師さんがずっと父の病室にいてくれました。そのことから、父の命がもう間もなく絶えるのだと察しました。



 福岡空港に着いた姉がタクシーで病院に向かっていました。父は、姉の到着を待ち望んでいたのでしょうが、息を引き取りました。



葬儀の時のあいさつで話しましたが、症状が重くなっても自分の父はなんとか持ちこたえてきました。だから、そのときもまた持ち直すだろうと自分の中で思い込んでいました。死が父を襲うことなど考えたことはありませんでしたし、考えたくもありませんでした。でもそのときはやってきました。



先生から死を告げられた後、エンゼルケアをしてもらいました。父が生きているかのごとく、優しく父に話しかけながら、きれいにひげをそってくれました。酸素ボンベの管が鼻からはずされ、元気な時の父に戻ったようなそんな姿を見ました。



 親を亡くしたのは、初めての経験でした。つらいこともありました。火葬場に連れて行ったときに、スイッチを押す瞬間です。押すときに、最高の感謝の気持ちを父に捧げました。



 講演を聴きながら、感じるものがありました。「生まれたときから、死に近づいている。」と話されていましたが、一つしかない命。生があるときに、幸せな生き方をしたいものだと思います。 



生徒も同じです。ちょうど思春期の真っ只中にいる生徒です。とまどい、悩み、葛藤、いさかい・・・が多い時期だと思います。講師の方の話をどのようにとらえたかはわかりませんが、前向きな、幸せをつかんでいくような・・・そんな生き方をして欲しいと生徒たちを見ながら、そう感じます。




 多くの死に接している講師の方が、涙を流した理由は何だったんだろうと思いました。自分の家族との別れ?看護師を体験しながらの思い出?常に人が亡くなっているときにつらく思う気持ち?ちょっと想像してみました。