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「若いっていいなあ。」
とこれほど思えることはありませんでした。
昨日の午前中、卒業生のAくんが学校にやってきました。さわやかな雰囲気を漂わせていました。Aくんは、直接、学年や部活を担当したことはありません。しかし、何かにつけて、一緒に話をしたり、相談にのったりしていました。
高校進学。彼は思いもよらぬ選択をしました。何が彼をそうさせたかわからないのですが、本意の道ではなかったと思います。ここから道が少しそれていきます。部活ではがんばっていたものの、謹慎を受けたり指導を受けることが多くなっていました。そして、ついに退学をします。お家の方をはじめ、みんなが心配をしました。
「なんとか高校へ。」というお家の方の願い。そんな願いを伝えても、本人に行く気がないことには、高校への進学もできません。高校に行くならば、彼の気持ちがそうなるまで待つしかないということです。
さらに今度はとび職への道へ。家から出ていきました。とび職として頑張っていることは、時折の電話で知ることができました。しばらくとび職として仕事に没頭しました。彼の良さは、中途半端ができない性格であるということだと思います。
一定のきりがついたところで、かつては大検とよばれていた高等学校卒業程度認定試験の受験をすることになりました。そして、合格しました。いろんな方のアドバイスを受けたのでしょう。今月からアメリカへ語学研修に3年間近く行くことになりました。今回、出発前に学校にあいさつに来てくれました。
どんなことをするのか詳しく話をしてくれました。
「いろいろあったね。」
と話しながら、
「いろいろあったけれど、無駄なことはなかったね。」
とも言いました。
もし彼が、予定通りの道を進んでいたなら、このような語学への道に進んでいなかったかも知れません。一つひとつが彼にとって意味があったと思います。試練であったと思うのですが、周りをハラハラさせながらもいろんな縁でここにたどり着きました。
彼が大きく崩れなかったのは、やっぱりお父さん、お母さん、きょうだい、おばあちゃんたちがしっかりと彼のことを思いやった力が大きいです。反発をしながらもしっかり思いは感じていたと思います。
アメリカの生活も厳しいことも多いと思いますが、どんな成長をして帰ってくるのか楽しみでもあります。
「帰ってきたら、三光中学校で、アメリカでの生活の話をしてくれよ。」
と頼んでいます。